令和6年能登半島地震で変化した地形の高精細3Dデータを公開
2025年8月27日
担当部署名/兵庫教育大学
直通電話/0795-44-2431
兵庫教育大学大学院学校教育研究科の小倉拓郎准教授、立命館大学衣笠総合研究機構の山内啓之准教授、金沢大学人間社会研究域の青木賢人准教授、林紀代美准教授、岡山大学学術研究院教育学域の松多信尚教授、東京大学空間情報科学研究センターの飯塚浩太郎助教、小口高教授、福岡教育大学教育学部の岩佐佳哉講師、東北大学災害科学国際研究所の高橋尚志助教、筑波大学生命環境系の八反地剛准教授らの研究グループは、令和6年能登半島地震で変化した地形を中心にドローンを用いた高精細地形計測を実施し、基礎研究への応用を想定したアーカイブや地理・地学教育に活用できる教材を作成しました。
本研究成果は、災害科学の国際英文誌『Journal of Disaster Research』に掲載されました。
<本研究のポイント>
・ドローンで、令和6年能登半島地震で変化した地形の高精細3Dデータを取得した。
・地形学をはじめとする基礎研究への応用や災害復興の基礎情報となることを想定して、一部地域では反復計測している。成果は希望者からリクエストを受け付け、提供している。
・蓄積した高精細3Dデータを用いて、地理教育等に使える教材(デジタル3Dモデル、全天球パノラマ画像、3Dプリント)を作成し、デジタル教材をWebで公開した。
・計測は、令和6年能登半島地震で隆起した海岸地形を中心として実施した。
・作成した教材を用いて、2024年11月に輪島市の小学校教員を対象とした教員研修を実施し、環境教育・防災教育の学習支援の方策や教材の使用感・活用可能性を整理した。
<今後の展開と展望>
令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。本研究グループで取得した高精細3Dデータは、研究者にとどまらず広く活用されることで、基礎研究の発展や復興への礎になると考えております。また、作成した教材は、地理教育・地学教育をはじめとする教育やアウトリーチ活動等の一環で、被災地の現状を正しく知ってもらうことができるツールとなり得ると考えています。
昨年、兵庫教育大学でも作成した教材を展示し、能登について知ってもらう機会を設けました。被災地の一刻も早い復興をお祈りいたします。