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宝殿石とは高砂市宝殿付近から産出する石の総称で、竜山石とも呼ばれる。竜山石という名の由来は、過去に宝殿山に竜の顔に似た岩石があったことによる。
硬度・粘度が高く加工が容易で、色彩に富み、周囲との調和がとりやすい。その色合いから青竜石、黄竜石及び赤竜石がある。
これまで白亜紀(約1億年前)の火山活動によって噴出した火山灰が凝固してできた流紋岩質溶結凝灰岩とされてきたが、近年は高砂市の調べにより当時宝殿周辺はカルデラ湖の底に沈んでいたことがわかり、湖底に噴出したマグマが湖水によって急速に冷却、破砕されてできた流紋岩質ハイアロクラスタイト(水冷破砕岩)であったことが判明している。
宝殿石は古代は石棺に使われていたが、江戸時代慶長年間頃から城の石垣や土台石等の建築構造資材として各地に出荷された。天正年間に池田輝政が築城した姫路城にも、竜山石は多量に使用された。その後も大名等特権階級に独占されていたが、宝永7年(1710年)に解禁されて以来広く一般に利用されるようになった。
明治から昭和初期にかけて、優れた建築資材として国会議事堂、皇居吹上御苑、帝国ホテルその他のビルディング等に活用された。また、耐久性に富むとともに耐酸性が強いことから中国東北部に輸出された。
現在では雑割石を主に板石・延石を産出しており、加工に適した性質を活かして室内への施行にも取り組んでいる。生産工程図(PDF:19KB)
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