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第24回ひょうごSPring-8賞の決定及び表彰式の開催

記者発表日時:2026年8月24日10時

担当部署名/産業労働部新産業課科学政策班  直通電話/078-362-3053

世界最高性能の大型放射光施設「SPring-8」が立地する兵庫県では、産業界によるSPring-8の利活用を積極的に推進しています。

社会に対し広くSPring-8の認識と知名度を高めるため、SPring-8における様々な成果の中から、社会経済全般の発展に寄与することが期待される研究成果等を表彰する「ひょうごSPring-8賞」を平成15年度から設けており、この度、今年度の受賞者が決定しました。

ついては、令和8年9月17日(木曜日)名古屋国際センターにおいて、第24回ひょうごSPring-8賞表彰式を開催します。

第24回ひょうごSPring-8賞受賞者の決定

1.株式会社キャタラー 山岸 弘奈 氏

受賞テーマ

「カーボンニュートラル社会に向けたNOx浄化メカニズムに基づく低環境負荷触媒の開発」

受賞理由

NOx(窒素酸化物)は自動車排ガスだけでなく、H2(水素)やNH3(アンモニア)などの次世代燃料の燃焼でも発生する大気汚染物質である。触媒でNOxを浄化する際に生成される副生成物のうち、NH₃やN₂O(亜酸化窒素)は環境負荷が高く、今後規制対象となる可能性があるため、無害なN₂(窒素)を選択的に生成する触媒技術の重要性が高まっている。

本成果では、SPring-8のBL01B1においてIR、Q-mass、XAFSの同時測定を実施することで、触媒設計において酸素吸蔵放出能の高い担体の利用と貴金属粒子径の最適化が、高いNO浄化率とN2選択性を実現するための重要な設計指針であることを明らかにし、自動車排ガス浄化触媒におけるNOx浄化反応の動的メカニズムを高精度に解明した。

本知見を基に開発された触媒は、高いNOx浄化性能と高いN₂選択性を両立し環境負荷を低減するとともに、貴金属やレアメタルの使用量削減も実現しており、資源制約や調達リスクへの対応にも貢献している。加えて、既に自動車用排ガス浄化触媒として実用化され、年間約50億円規模のコスト削減効果を創出しているほか、ガソリン車だけでなく、次世代燃料におけるNOx浄化への応用も可能であり、カーボンニュートラル社会の実現および地球規模の環境問題解決に資する波及効果が期待される。基礎研究から製品化、さらには大きな産業的成果へと結び付いた点で、学術的・技術的意義に加え、高い社会的・経済的価値を有する研究成果である。

2.株式会社メニコン 伊藤 恵利 氏

受賞テーマ

「複数手法の組み合わせによる快適なつけ心地を有するコンタクトレンズ表面の構造解析手法の構築」

受賞理由

現在主流のシリコーンハイドロゲル製コンタクトレンズは、高い酸素透過性を持つ一方で、水濡れ性の低下や脂質汚れの付着といった課題を抱えている。快適な装用感を実現するためにはレンズ表面の精緻な制御が求められるが、その構造はナノメートルレベルの精緻な制御が必要であり、従来の表面制御は経験や試行錯誤に大きく依存していた。

本成果では、SPring-8の硬X線光電子分光(HAXPES)を中心に、J-PARCの中性子反射率(NR)およびあいちシンクロトロン光センターの軟X線吸収分光(XAS)を組み合わせることで、レンズ表面における極微細な化学構造変化を高精度に解析する手法を確立した。その結果、シリコン(Si)の酸化が表面特性を大きく左右する重要な因子であることを明らかにし、快適な装用感を実現するための表面設計指針の確立に成功した。

これにより、これまで感覚的・経験的に行われていたレンズ開発を、科学的データに基づく定量的な開発へと転換することが可能となった。さらに、その知見は2023年に発売された1ヶ月交換型シリコーンハイドロゲルレンズ「MELS-ME」の開発にも活用され、量子ビーム解析データは製品の安全性や性能を裏付ける科学的根拠として、製造販売承認申請にも利用された。また、本技術を活用して開発されたシリコーンハイドロゲルレンズ製品群は、世界60~70か国で販売され、数百億円規模の売上を達成している。基礎研究から製品化、さらには大きな産業的成果へと結び付いた点で、学術的・技術的意義に加え、高い社会的・経済的価値を有する研究成果である。

第24回ひょうごSPring-8賞表彰式

「第23回SPring-8産業利用報告会」内で開催します。

日時

令和8年9月17日(木曜日)13時40分~14時40分(予定)

場所

名古屋国際センター(外部サイトへリンク) 別棟ホール「メインホール」

(愛知県名古屋市中村区那古野一丁目47-1)

次第

選定経緯説明、表彰状贈呈、受賞者記念講演

 

ひょうごSPring-8賞表彰式・受賞記念講演に参加を希望される場合は、「第23回SPring-8産業利用報告会」への申込が必要です。

株式会社メニコン 伊藤氏の表彰式および受賞者記念講演は、スケジュールの都合により、来年1月頃に開催の「第44回ひょうご科学技術トピックスセミナー(主催:(公財)ひょうご科学技術協会)」内での実施を予定しています。

参考:第23回SPring-8産業利用報告会

日時

令和8年9月17日(木曜日)、18日(金曜日)

場所

名古屋国際センター別棟ホール「メインホール」(口頭発表および企画講演)、第1+第2展示室(ポスター発表)

(愛知県名古屋市中村区那古野一丁目47-1)

主催者

サンビーム共同体、株式会社豊田中央研究所、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)、SPring-8利用推進協議会、兵庫県

定員

300名程度

申込

SPring-8産業利用報告会ホームページ(外部サイトへリンク)から事前登録(登録無料)