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更新日:2025年1月25日

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兵庫陶芸美術館 特別展「東山焼と姫路のやきもの」(丹波篠山市)

上から時計回り: 永世舎 《色絵烏瓜図花瓶》明治時代前期(19世紀後半) 兵庫陶芸美術館、東山 《染付騎馬人物鹿図鷺耳花瓶》江戸時代後期〜明治時代前期(19世紀)兵庫陶芸美術館(北後豐子氏寄贈)、鷺脚(初代)《貼花芧屋山水図煎茶器(7点組)》明治時代~大正時代(19世紀後半~20世紀前半) 姫路市書写の里・美術工芸館

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概要

兵庫陶芸美術館
特別展「東山焼と姫路のやきもの」

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東山焼は、文政5年(1822)に姫路城の南東に位置する、播磨国飾東郡東山村(現・兵庫県姫路市東山)の興禅寺山東麓で操業を始めました。当時、姫路藩の家老・河合道臣(1767〜1841)は、赤字に悩む藩の財政を立て直すため、姫路木綿や革製品などの特産品を全国に販売しましたが、東山焼にも着目して開窯当初から藩の管理下に置き、正貨の藩外流出にも意を払いました。

当時の高級ブランド品であった京焼の最新の意匠と、一大生産地の肥前有田から窯業技術を取り入れ、青磁や染付を中心に磁器から陶器まで多岐にわたって焼造しました。興禅寺山窯では青磁と染付を中心に、そして男山窯では染付が主に焼かれ、特に古染付写しや祥瑞写しなどの染付に優品が多く見られます。

幕末には姫路城下の豪商六人衆に経営が引き継がれ、明治4年(1871)の廃藩置県を契機に規模の縮小はみられるものの、明治時代にも作り続けられました。

永世舎は、明治10年(1877)に士族授産の目的で大蔵前町(現・塩町及び十二所前町)に設立されました。肥前大川内の陶工・柴田善平(生年不詳〜1902)の指導を仰ぎ、旧姫路藩士に加えて東山焼の陶工、画師なども作陶に携わりました。主に輸出用の色絵製品が作られ、同21年(1888)頃まで操業されました。また、永世舎の陶工・中川勇次郎(1849〜1922)は、明治14年(1881)に自宅の小姓町で、精緻な竹べら細工が特徴的な陶器を中心とする鷺脚焼を始めました。

本展では、近世後期から近代に花開いた、東山焼・永世舎・鷺脚焼などの姫路のやきものを紹介します。


《展覧会の特徴》

  1. 東山焼のさまざまな優品を紹介
    開窯当初から姫路藩の管理下に置かれた東山焼は、器面に繊細な筆致で山水や幾何学文様が描かれた染付に加え、翡翠を思わせる淡い青緑色の青磁が特徴的です。鷺耳花瓶や燭台、水指などの「ハレ」のうつわだけでなく、広く流通していた碗や皿、鉢、徳利などの日用のうつわまで、各地の美術館や博物館、個人が大切に伝えてきた多種多様な優品が一堂に会します。
  2. 永世舎と『温知図録』に注目
    華やかな色絵や鮮やかな青釉が特徴的な永世舎の作品は、明治時代前期に欧米諸国や国内で開催された万国博覧会や内国勧業博覧会に向けて、明治政府が作成した図案集『温知図録』に掲載されている形や図様などを模したものが数多くみられます。明治新政府が陶磁器を殖産興業のひとつとして捉え、振興を図った当時の記録とあわせてご紹介します。
  3. 姫路名産と称えられた鷺脚焼
    永世舎の陶工であった中川勇次郎が創業した鷺脚焼は、各地の博覧会で数多くの賞を受賞し、土味が残る急須や碗、香合などが知られています。東山焼や永世舎とは趣の異なる鷺脚焼の魅力をご紹介します。

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◇会期:2025年3月15日(土曜日)~2025年5月25日(日曜日)

◇開館時間:10時~17時 ※入館は閉館の30分前まで。

休館日:月曜日 [ただし、2025年5月5日(月曜日・祝)は開館し、5月7日(水曜日)は休館]

観覧料:一般1,200(900)円、大学生900(700)円、高校生以下無料
 ※( )内は、特別割引および20名以上の団体割引料金です。
 ※70歳以上の方は半額になります。
 ※障害のある方は75%割引、その介助者1名は無料になります。

主催:兵庫陶芸美術館、神戸新聞社

後援:兵庫県、兵庫県教育委員会

◇協力:丹波立杭陶磁器協同組合

◇助成:令和6年度地域ゆかりの文化資産を活用した展覧会支援事業

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東山 《染付山水人物図壺》 江戸時代後期〜明治時代前期(19世紀) 東京国立博物館(横河民輔氏寄贈) Image: TNM Image Archives

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東山 《青磁獅子形水滴》 江戸時代後期〜明治時代前期(19世紀) 姫路市書写の里・美術工芸館

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永世舎《色絵雲龍図耳付扁壺(対)》 明治時代前期(19世紀後半) 個人蔵

開催期間

  • 2025年3月15日(土曜日)10時00分~2025年5月25日(日曜日)17時00分

開催場所

会場名 兵庫陶芸美術館
会場住所

〒669-2135

兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4

TEL.079-597-3961

FAX.079-597-3967

E-mail togei@pref.hyogo.lg.jp
会場へのアクセス

詳細は:

兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo - 土と語る、森の中の美術館 (mcart.jp)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

◆JRをご利用の場合

  • 福知山線「相野駅」下車(大阪駅から約50分)、駅前からウイング神姫(路線バス)「兵庫陶芸美術館」「こんだ薬師温泉」または「清水寺」行き乗車約15分、「兵庫陶芸美術館」下車

ただし運行本数が限られていますので当館ホームページ(上記リンク)内、JR・バス時刻表をご確認下さい。
※相野駅よりタクシーも運行しています。

自動車をご利用の場合

  • 舞鶴若狭自動車道「三田西IC」から約15分、または「丹南篠山口IC」から約20分
  • 中国自動車道「滝野社IC」から国道372号を東へ約30分
  • 阪神方面から国道176号を北上し、三田市四ツ辻信号を左折約15分

駐車場(無料)

敷地内に58台分(普通車)の駐車スペースをご用意しています。

移動が困難な方は、館玄関前に駐車していただけますので、駐車場誘導係にお申し付けください。

観光バスの受付については、お問い合わせください。

◆その他

無料貸出:車椅子4台、ベビーカー1台

お問い合わせ先

主催者名 兵庫陶芸美術館
住所 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4
電話 079-597-3961
FAX 079-597-3967

関連メニュー

◆記念講演会「東山焼と姫路のやきもの」

 日時:2025年5月17日(土曜日)13時30分~15時00分(開場は13時00分)

 講師:山本和人氏(元姫路市書写の里・美術工芸館学芸員)

 会場:兵庫陶芸美術館 研修棟1階セミナー室

 定員:110名(事前申込制、先着順)

 聴講料:無料(ただし、観覧券の半券が必要)

◆ワークショップ「暮らしのうつわに染付をしよう」

 小皿2枚に染付をします。

 日時:2025年4月19日(土曜日)

 場所:兵庫陶芸美術館 エントランス棟1階工房

 ※事前申込制(有料、定員20名)

◆ギャラリートーク「当館学芸員による展示解説」

 2025年3月22日(土曜日)、4月5日(土曜日)、4月19日(土曜日)、5月10日(土曜日)

 ※いずれも11時から1時間程度(観覧券が必要)


■同時開催

 テーマ展「丹波焼の世界 season9」


各イベントに関する詳細はお問い合わせください。

お問い合わせ

部署名:県民生活部 兵庫陶芸美術館