更新日:2026年3月6日
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こちらでは主な講師を紹介しています(末尾に全講師リストがあります)。
本校は、授業のおよそ5割が林業技術に関する授業です。生きた知識や技術を身に付けるため、森林組合や民間事業体にて現役で活躍している方々を外部講師としてお迎えしています。また本校には、林業の現場で活躍していた森林技術員が常駐しており、外部講師による実習の補助から日々の自主練習まで2年間を通して学生の学びをサポートします。
森林大学校で学生の技術指導を行う古川和繁さんは、かつて県内の森林組合で40年近く現場を経験してきたベテランだ。現在は主に林業機械実習を担当し、「考えること」に重点を置いた指導を行っている。「林業は単純そうに見える作業でも、常に危険と隣り合わせです。なぜ危険なのかを自分の頭で考える癖がつけば、現場で必ず活きる。知識を一方的に教えるだけでは身につかない部分もあります」
授業の合間になると、古川さんのまわりにはいつの間にか学生たちが集まってくる。親しげに声をかけたり、談笑したり。その関係は、教える側と教わる側を超えて、自然な信頼で結ばれている。「最近は本当にみんな素直で、ええ子ばっかりなんです。真剣に授業を受けてくれるし、この歳になっても若い子たちと関わらせてもらえることは、ほんまに幸せなことやと思ってます。放課後に雑談したり、卒業生が何かあったら報告しに来てくれたり、何気なく悩みを打ち明けてくれたり...そういう時間が、実は一番嬉しかったりするんです」
これまでに多くの学生と向き合ってきた古川さんは、「それぞれの個性に寄り添い、得意不得意を見極めながら、その子なりの成長を引き出すことを大切にしている」と話してくれた。教えるのは技術だけではない。「人としてどう現場に立つか」。その姿勢こそが、古川さんが伝えたいと願う学びだ。




藤田さんが林業の道に入ったのは、製造メーカーでの6年間の勤務を経て、自分の働き方を見つめ直したことがきっかけだった。偶然見つけた職員募集を機に林業の世界へ。入職時は木を伐る仕事だという認識もなかった。だが、2004年の台風被害で倒木処理のリーダーを任された経験が、大きな転機となる。「どうすれば災害を防げる山になるのか」「なぜこの木は木材として活かされないのか」と疑問を持つようになり、次第に山づくりへの責任感が芽生えていった。現在は森林大学校でも教壇に立ち、若者たちの学びの場にも関わる。
「森林大学校の学生って、真面目なんです。礼儀正しくて、環境や生き物にもちゃんと興味・関心を持っている子が多い。こっちも背筋が伸びるというか、刺激をもらえるんです」卒業生も多く北はりま森林組合に在籍しており、在学生も実習や研修などで組合を訪れる。「山の現場って、言葉で教えるだけでは伝わらない部分があるんです。空気感とか、身体の使い方とか。だからこそ、来て、見て、触れてもらえる機会が大事だと思っています」
現場には年齢や経験に関係なく、声をかけ合い、学び合う風通しのよさがある。「うちは若い人もベテランも垣根なく付き合っています。一緒に汗をかいて、一緒にご飯を食べて、同じ景色を見て。少しずつ信頼を築いて、お互いを協調していく。失敗が人災につながる林業では、そういう積み重ねが本当に大事なんです」
山を守る意義を伝え続けることもまた、自らの役割だと考える。「山を手入れせんと、水が枯れる。水がなければ農業も漁業もあかん。自分たちの仕事は、そういう根っこの部分に関わってるという自覚を持っています」こうした積み重ねの先に、「山を誰に託していくのか」、藤田さんは日々心に留めている。




森林大学校には、ただ木に関する知識を教えるだけでなく、木と生きることを伝える先生がいる。吉岡正樹さん。庭師であり、アーボリストであり、樹木医でもある。木工から庭園、そして森林へ。木の在り方を追いかけるように、人生そのものが森のように枝を伸ばしてきた。西アフリカ・ニジェールの砂漠で木工を教え、京都の寺院で庭を整え、長野の山で巨木に登る。そして今、宍粟の森林で学生たちに、木と向き合う時間を伝えている。
「僕は山のきわをケアしている人間なんです。木を伐ることも、庭を整えることも、家具をつくることも、結局は人と木が共に生きる場所をどう保つかということ。そのあいだに立つのが僕の仕事なんです。」山と町、自然と暮らし。その境界に立って手を動かすことこそが、吉岡さんにとっての仕事の本質だ。
「山ってね、ミクロとマクロ、どっちの視点でも見られるんです。近づけば枝の一本一本にドラマがあるし、引いて見れば山全体の呼吸が見える。ズームインとズームアウト、その両方の目を持つことが大事なんですよ。」森林大学校で教える上で、吉岡さんが大切にしているのは、技術よりもものの見方だ。「木を学ぶって、結局世界の見方を学ぶことなんです。木の種類や形、生えている場所を知るほど、世界の解像度が上がっていく。山を歩いていても、一本一本の木が個性を持って立ちあらわれてくる。」
「僕は山の中で暮らしているというより、山と町のあいだに暮らしているという意識が強いです。そのあいだをどう整えるかが、これからの林業にも大切な視点だと思う。森を健全に保つことが、町の水や暮らしを支えるんです。」吉岡さんは、木の手入れを通して人の暮らしを見つめ、人の営みの先にまた木を見つめている。その往復の中に、森林と生きるということの本質があるのかもしれない。森林大学校には、そんなまなざしで森林と人をつなぐ先生がいる。学生たちは、その背中から木と共に生きるという学びを受け取っている。

林業技術に関する授業以外にも、本校では森林に関する総合的かつ多角的な授業を展開しています。
現在の森林は、平均気温の上昇や外国からの昆虫の侵入等により様々なストレスを抱えています。本講義では、森林・樹木にダメージを与える気象的、生物的、人為的要因を解析し、ダメージの出現メカニズムや防除方法について解説。健全な森林の生育・保全を学びます。

近年、林業の分野でもICTの導入による省力化が進んでいます。本講義では、地理情報システムの「QGIS」を活用し、森林調査に役立つ技術を習得。航空レーザー測量のデータを用いて、山林内に立ち入らずに微細な地形や樹木の高さ、成立本数といった森林情報を把握する技能を学びます。

本校では、多様な経歴の方を外部講師としてお招きしています。以下に、令和7年度の講師の方々を紹介します。
※カリキュラムの変更に伴い、年度により変更となる場合があります。
R7.12.01時点
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分類 |
所属 |
役職 |
講師氏名等 |
科目 |
|---|---|---|---|---|
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大学等 |
鳥取大学 |
名誉教授 |
大住 克博 |
森林生態学、造林学 |
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鳥取大学 |
助教 |
芳賀 大地 |
森林林業概論、森林政策 |
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元鳥取大学 |
特任教授 |
山本 福壽 |
森林保護学 |
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兵庫県立大学 |
講師 |
小舘 誓治 |
森林土壌学 |
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兵庫県立大学 |
教授 |
山瀬 敬太郎 |
里山論 |
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兵庫大学エキステンション・カレッジ |
講師 |
菅生 安展 |
数学 |
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岡山大学 |
特任教授 |
河崎 弥生 |
木材物理学、木材加工学 |
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元姫路日ノ本短期大学 |
教授 |
有方 秀樹 |
国語表現 |
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東京農業大学 |
教授 |
上原 巌 |
保健休養学2 |
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東京農業大学 |
特任教授 |
今井 通子(兵庫県森林大学校特任大使) |
保健休養学1 |
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相生学院高等学校 |
西坂 美樹 |
物理・化学 |
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行政機関 |
元農林水産省 |
事務次官 |
皆川 芳嗣(兵庫県森林大学校名誉校長) |
特別活動1 |
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近畿中国森林管理局兵庫森林管理署 |
森林計測学 実習 |
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県立森林林業技術センター |
上席研究員 |
藤堂 千景 |
森林機能保全1 |
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県立森林林業技術センター |
課長 |
永井 智 |
木材物理学 |
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県立森林林業技術センター |
主任研究員 |
船曳 大輔 |
木材加工学 |
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県立森林林業技術センター |
研究員 |
藤本 千恵 |
木材加工学 |
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県自然・鳥獣共生課 |
野生鳥獣被害対策 |
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県立森林動物研究センター |
森林動物専門員 |
野生鳥獣被害対策 |
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県立総合射撃場 |
指定管理事業者 |
野生鳥獣被害対策実習2 |
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業界団体 |
日本樹木医会兵庫県支部 |
支部長 |
山田 裕司 |
樹木学 |
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日本樹木医会兵庫県支部 |
吉岡 正樹 |
樹木医学 |
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日本樹木医会兵庫県支部 |
稲葉 広 |
樹木医学 |
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森林インストラクター兵庫県支部 |
保健休養学1 |
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ひょうご森林林業協同組合連合会 |
矢倉 資喜 |
森林情報論2 |
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ひょうご森林林業協同組合連合会 |
永峰雅史 |
森林会計学 |
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ひょうご森林林業協同組合連合会 |
青木さやか |
森林会計学 |
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林業・木材製造業労働災害防止協会 兵庫県支部 |
各種公的資格の登録教育機関 |
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(一社)兵庫県治山林道協会 |
常務理事 |
太田雄一郎 |
森林機能保全2 |
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(一社)兵庫県治山林道協会 |
金子哲郎 |
森林機能保全2 |
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(一社)兵庫県林業会議 |
事務局長 |
築山 佳永 |
保健体育 |
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(一社)関西地質調査業協会 |
元理事長 |
荒木 繁幸 |
森林地質学 |
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兵庫県司法書士会 |
法学 |
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日本赤十字社兵庫県支部 |
救急救命 |
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NPO法人 |
NPO法人ひょうご森の倶楽部 |
山下 廣行 |
里山論 |
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NPO法人森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 |
畑中 直樹((株)地域計画建築研究所(アルパック)) |
里山資源利用論 |
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NPO法人森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 |
古元 隆行(兵燃興業(株))代表取締役社長) |
里山資源利用論 |
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|
NPO法人森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 |
枡岡 望(日本土地山林(株)) |
里山資源利用論 |
||
|
NPO法人森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 |
谷渕 庸次(飛騨高山グリーンヒート合同会社社員) |
里山資源利用論 |
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|
NPO法人森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 |
中川 貴美子((株)地域計画建築研究所(アルパック)) |
里山資源利用論 |
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|
NPO法人森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 |
山崎 正夫(SHARE WOODS代表) |
里山資源利用論 |
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林業事業体等 |
北はりま森林組合 |
参事 |
藤田和則 |
森林施業プラン作成 |
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愛林興業(株) |
播戸 忠玄ほか |
林業機械実習、素材生産実習、林業架線実習 |
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日本土地山林(株) |
山林事業部取締役部長 |
枡岡 望 |
森林経営学 |
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日本土地山林(株) |
吉本 塁 |
森林計測学実習 |
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FORESTMEDIAWORKS(株) |
CEO |
楢崎達也 |
森林施業プラン作成 |
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指導林家 |
石堂 則本 |
森林経営 |
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東河内生産森林組合 |
山本 正幸 |
森林経営 |
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指導林家 |
米田 純彦 |
里山資源利用論 |
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|
あわじ里山プロジェクト |
辻 三奈 |
里山論 |
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木材関連事業体 |
(株)しそうの森の木 |
常務取締役 |
三渡 保典 |
木材加工学 実習 |
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やなみ(株) |
代表取締役 |
酒井 宏一 |
木材流通、木造建築・木材コーディネート |
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(公財)竹中大工道具館 |
木材利用教育 |
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(株)松崎 |
取締役 |
松崎裕太 |
木材利用教育 |
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その他企業 |
ハスクバーナ・ゼノア(株) |
林業機械学 実習、素材生産総合 実習 |
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|
キャタピラー(株)兵庫教習センター |
各種公的資格の登録教育機関 |
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|
アーボリストトレーニング研究所® |
アーボリストトレーニング研究所® |
ロープ高所作業特別教育の登録教育機関 |
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大日本コンサルタント(株) |
松村 法行 |
森林地質学 |
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景観デザイン工房「フィールズ」 |
主宰 |
多田 学 |
造園学1 |
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(有)サカイ工業 |
代表取締役 |
境 亮典 |
造園学2 |
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(株)葉山 |
鴻谷 佳彦 |
野生鳥獣被害対策 実習 |
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(株)一成 |
渡辺 雄一郎 |
生物学 |
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|
(一財)遊月庵ハウスミュージアム |
代表 |
前田 美智代 |
英語2 |