イベントレポート【グリーンウッドワーク体験講座】

グリーンウッドワークってなんだろう？

グリーンウッドワークとは、森から伐りだしてまだ乾燥していないみずみずしい木（GREENWOOD:生木）を手道具を使って削り、花瓶やスプーン、お皿などの生活道具や小物、家具などをつくる木工のことです。

兵庫県立森林大学校は、次代の林業を担う人材の養成を行うとともに、森林に関わる人材等を幅広く育成するための専修学校です。

森林林業に関する専門知識等を学ぶ2年制の「専攻科」の他、「研修科」という科があります。

研修科では林業従事者向けの研修のほか、一般の方に森林や木に触れあっていただくことを目的とした講座を年間を通して開催しております。

研修科ではこの秋、体験を通じて森林や木材への理解を深めていただく「グリーンウッドワーク体験講座」を日本を代表するグリーンウッドワーカー福畑慎吾氏を講師にお迎えし開催しました。

近年、生木を自分の力で削る、こつこつと木に向き合う、その魅力ゆえ取り組まれる方が増えているグリーンウッドワーク。

イベントの様子を主催者（森林大学校職員）目線でレポートしてお届けいたします。

はじめに

グリーンウッドワーク体験講座は、令和5年11月16日（木曜日）県立三木山森林公園の「森の研修館」で開催しました。

会場である三木山森林公園は、三木市の中心部にある80万平方メートルもの広さのある四季折々の豊かな自然にふれることのできる森林公園です。講座の最初に、三木山森林公園職員さんから三木山森林公園の概要と森のお話、森林整備のお話をしていただきました。

その後、研修館の中庭にて福畑先生に「グリーンウッドワークとは」というテーマでお話していただきました。福畑先生は、大阪府・能勢町で営まれているcafesotoでの講座のほか、全国の学校や企業などでグリーンウッドワーク全般の指導を行う日本を代表するグリーンウッドワーカーです。先生からは「グリーンウッドワークとは」のお話のほか、グリーンウッドワークをする際に大事な安全面についてもお話いただきました。

福畑先生のお話のあと、三木山森林公園の職員さんに先導していただきいざ材料採取に出発です。今回は参加者さんも一緒にソヨゴを伐採し、グリーンウッドワークの材料を採取しました。それぞれ直径15cmほどの丸太を持って、森の研修館の中庭に戻りいよいよ体験スタートです。

まず丸太を手斧などで一輪挿しに適した大きさに割ります。今回のソヨゴは非常に粘りの強い木で、丸太はなかなか割れません。皆さん渾身の力を込めておられました。割れやすさは樹種だけでなく、木によっても色々で、柔らかくて割りやすい木もあれば今回のソヨゴのように強い木もあるそうです。

一輪挿しと削り花をつくろう

お昼休みをはさんで、各自で割った木をつかって一輪挿しを作っていきました。今回の講座ではみなさんにそれぞれ、一輪挿しと削り花を作ってもらいました。先生に道具の使い方について説明いただき、いざ削ります。森林大学校職員も体験させてもらいました。実際に手斧やナイフを持ってみると、手斧はずしりと重たくて、削ってみると全然思うように削れません。考えることは目の前の木片のことのみ・・・静寂の時間が流れます。

途中、先生の華麗なスプーン作りのデモンストレーションをみせていただいたり、削り馬を体験させていただいたりしながら秋の陽ざしが傾く頃、みなさんそれぞれの一輪挿しと削り花が完成しました。大変熱心に体験していただき、どの作品もとても素敵な仕上がりでした。

おわりに

体験後のアンケートでは、「とても充実して良い講座でした」「楽しく講座を受けさせていただきました」「少人数で丁寧に指導されて満足です」「集中して夢中になり何かを作るという時間はとても心地よく癒やされました」「又参加したいと思います」という大変嬉しいご意見を頂戴しました。ご参加いただいたみなさん、ご指導いただいた福畑先生、事前準備から大変お世話になった三木山森林公園＆関係各所の皆様、本当にありがとうございました。

本校のグリーンウッドワーク体験講座についての次回予定は未定となっております。講座の情報については、県立森林大学校のホームページに掲載するほか、森林大学校Facebookにも随時掲載いたします。グリーンウッドワーク体験のほか、年間通して様々な研修を行っておりますので、是非ご参加ください。お待ちしています♪