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更新日:2021年8月16日

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知事記者会見(2021年8月16日(月曜日))

  【発表項目】

  1. 新型コロナウイルス感染症の現状と対応
    (1)県内の患者の発生状況等(PDF:2,463KB)
    (2)知事メッセージ「まん延防止等重点措置区域拡大より一層の感染対策の徹底を!」(PDF:76KB)
  2. 知事メッセージ「今後の大雨や台風への事前の備えの徹底を!」(PDF:51KB)
  3. 緊急事態措置の強化に関する要請(PDF:73KB)

動画

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知事記者会見内容

知事:

 1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 (1)県内の患者の発生状況等

 本日の新規陽性者数は、402人です。これは、昨日の500人強と比べて減っているようにも見えますが、実際には、1週間前が275人だったことを鑑みると、130人ほど増えているため、引き続き厳しい状況であることには変わりありません。
 昨日24時現在の陽性者の状況ですが、入院病床の使用率は57.9%、うち重症病床が28.1%です。重症病床については、若干減っているところもありますが、引き続き厳しい状況です。入院全体が5割から6割近くになってきており、引き続き厳しい状況には変わりがありません。県民の皆さんにおいては、引き続き、感染防止に向けた行動変容の徹底をお願いします。
 自宅療養も、2100人を超えています。今は、感染拡大期です。コロナの患者は、入院または宿泊療養施設に入ってもらうことが原則ですが。本部会議でも決定したとおり、今の感染拡大期を踏まえて、軽症・無症状の人については、医療のフォローアップ体制がある中で、自宅療養も含めて実施するという状況で、現在は運用しています。ここは保健所で、医師等としっかりと慎重に、個別に協議をしながら、自宅療養か、入院または宿泊療養施設かということを慎重に、対応している状況の結果です。
 県としては、2000人を超えている状況を深く受けとめているので、今は、保健所体制の強化を含めて、早急に対応しているところです。対応の状況については、また改めて、明日以降に説明できればと思っていますので、よろしくお願いします。

 

 (2)知事メッセージ「まん延防止等重点措置区域拡大 より一層の感染対策の徹底を!」

 まん延防止等重点措置の区域拡大ということで、本日からまん延防止等重点措置の区域が拡大されました。これまでの神戸市等に加えて、北播磨・中播磨・西播磨・丹波、それから、淡路地域への拡大です。
 引き続き、県民の皆さんにおいては、不要不急の外出・移動の自粛、それから友人等との会食や宅飲みなど、リスクの高い行動の回避をできるだけお願いしたい、と思っています。
 また、追加された地域の、飲食店それから観光関係の皆さんにおいては、これからお盆の書き入れ時で、お盆以降、夏休みも含めて、新たな協力の負担をかけます。たいへん申し訳ないという気持ちがありますが、これ以上の感染拡大を阻止し、医療ひっ迫を防止する、という観点から、是非とも協力をお願いします。どうぞよろしくお願いします。
 「より一層の感染拡大の徹底を!」ということで、ぜひ、県民の皆さん1人1人、何度も申し訳ないですが、自覚を持って、より感染対策の徹底をお願いします。リスクの高い行動の回避や、ワクチンの積極的な接種。これは供給体制をしっかりやっていくという、我々、県と国、市町の体制が前提ですが、できるだけ積極的な接種をお願いしたいです。
 また、飲食店の皆さんには、できるだけ感染しないように、様々な、個店ベースでも、努力をお願いします。

 

 2番目は、知事メッセージ「今後の大雨や台風への事前の備えの徹底を!」です。

 昨日からの大雨で、九州地方を中心に大きな被害が出ています。本県においては、現時点では、大きな被害は確認されていませんが、引き続き、大雨の警戒は重要です。
 特に、これまでの雨で、地盤が緩んでいる地域があるので、ぜひ県民の皆さんには、引き続きの警戒をお願いします。
 また、今後、本格的な台風シーズンを迎えます。台風や前線の影響で、大雨や洪水、暴風等による自然災害が、発生する可能性が高まってくる状況です。県民の皆さんにおいては、事前の備えの徹底を引き続きお願いします。
 具体的には、スライド(資料)にあるとおり、今、皆さんが住んでいる地域の確認を、ということで、ハザードマップなどで、自宅など自身の住んでいる地域が、浸水想定区域や土砂災害の警戒区域にあるかどうかについて、事前に確認をしてもらいたいです。
 また、大雨の際には、土砂崩れが起こりやすい、かつ、川の水位も高くなっている状況なので、そういった箇所には近づかないことをお願いします。
 それから、事前に、「いつ」「どこで」災害が発生するかも分からないので、日頃から、自身の身を守ることもしっかりと心がけてください。
 特に、このハザードマップのところですが、本県には「兵庫県CGハザードマップ」があります。このハザードマップは、ホームページからもアクセスできますが、まさに自身の住んでいるところの周辺の土砂災害リスクなどを、Web上で、地図で、見ることができます。
 例えば、どういった地域に浸水被害や川の氾濫等のリスクがあるのかを、スマートフォンでアクセスして、今いる地点や、自分の住んでいる地域をクリックすれば、その地域の情報がすぐに分かるようになっています。
 これまでもやっていますが、改めて県民の皆さんに周知をして、ぜひ自宅や職場の周りに、このような地域があるのかどうかを、改めて確認してもらう機会になれば、と思っています。
 これから災害・台風シーズンになっていきますが、しっかりと準備を心がけてもらいたいので、どうぞよろしくお願いします。

 

 3番目は、「緊急事態措置の強化に関する要請」です。

 緊急事態宣言に対する、県からの提案です。
 本県では8月12日に、先週の対策本部会議で、緊急事態措置も視野に入れて、国と協議をしていくことを決定しました。その際には、まん延防止等重点措置の区域拡大を決定しましたが、本日までも、新規陽性者数等について、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室と適宜、情報共有するなど、協議をしてきました。
 報道等によると、国にも様々な動きがあるようですが、これからどのような事態になるのか。仮に、国が緊急事態宣言を発すると決定した場合には、本県としても速やかに、対策本部会議を開催して、国の対処方針を踏まえて、県の要請内容を決定していくことになります。
 これまで、先日も説明したとおり、国と協議をしていく中で、メッセージの内容をしっかりと力強いもの、県民の皆さんに響くものにしていくことが大事です。今、配布している資料は、緊急事態措置の強化に対する要請として、本日付で、国に要請しました。これは緊急事態宣言発出の要請というよりは、緊急事態宣言の措置を強化するために、このような内容をこれから国に織り込んでもらうために、しっかりと検討してください、という要請です。
 趣旨は、上の7行ほどに書いていますが、現在、緊急事態措置を視野に協議を行っています。やはり、デルタ株の置き換わりによって、感染力が強まっていることを踏まえて、ある程度メッセージ性の強い措置を提示すべきではないか、ということで、以下の4点です。

 1つが、「コロナ対策の出口戦略の提示」です。これは全国知事会と厚労大臣等との議論の中でもあったようですが。国からも、お願いします、お願いしますだけでは、なかなか県民には響いてこない状況もあります。ワクチンの接種がこれから普及していくという状況、それから医療提供体制も、しっかりと本県も含めて確保していきますが。
 その上で、例えばワクチンを打っている人は、ある程度、緩和した飲食や旅行も含めてできます、というような出口の方向性を、ぜひ国には、示してもらいたいのです。それがあってこそ、県民の皆さんが、もう少し頑張ってみようかなど、ワクチン接種を自分もしっかりやろう、と変わることにもなります。やはり、もっと先、一歩、二歩と先の出口を、示してもらいたい、というのが1点目です。

 それから、目下の対応ですが、国は人流削減対策として、分科会の中では、5割削減やデパ地下の入場規制という提言を出して、一部百貨店は、本県においても、すでに対応してもらっています。ここは、もう少し踏み込んだ具体的な方針を示すことが大事だ、と思っています。
 「特に」と書いていますが、感染リスクが高い場面での注意喚起や、多数利用施設の入場制限を受けた対策。これは百貨店のデパ地下のことで、もうすでにやっているところもありますが、これは、もう少し踏み込んでやることも大事ではないか、ということです。
 それから何よりお願いしたいのが、飲食店やカフェです。従前から、お店に行くと、アクリル板がある、ない、にかかわらず、マスクを着けての会食や会話をすることが大事なのですが。中には、マスクをしないまま、本当に近距離で会話をしている人が、今でも散見されます。ここは、各飲食店やカフェ等においては、例えば、入店する時には、マスクの着用を徹底してください、と改めてお願いすると同時に、着用しないで会話をしている人に対して、店側からマスクを着けてください、と注意を促してもらいたいのが、もう1点です。
 さらには、どうしても言うことを聞いてくれない人に対して、百貨店ではマスクの着用をしない人へは、退店をお願いすることもしています。同じように飲食店等でも、何度注意してもマスクを着用せずに会話をしている人に対しては、申し訳ないですが、退店をお願いする要請をしっかりとしていくこと。これは国からも、強化のメッセージを出してほしいのです。本県も、国の措置がある、ない、にかかわらず、しっかりと呼びかけていきたい、と考えています。

 3点目が、現状のクラスター発生を踏まえた、感染対策の徹底をしてもらいたい、ということです。特に各事業者に対して、様々な、具体的な方策を示していくべきです。
 具体的には、商業施設で最近、クラスターが発生しています。食料品売り場で、注意していくこともそうですが、かつて、いろいろとクラスターが出た原因として言われていた、化粧室や歯磨きをする洗面所です。そういったバックヤードでの注意や、各事業所の食堂や休憩室で、感染対策をしっかりとしてもらうことです。
 消毒や換気もそうですが、例えば、マスクを着用して会話や休憩をするなど。また、歯磨きの時にも、皆さん分かるかと思いますが、トイレなどで歯磨きをしていると、ものすごくしぶきが散ります。休憩時間や昼休みに、みんなが集まって、何気なくするのですが、かつてこれが原因でクラスターが発生した事例もありました。
 そのようなバックヤードで、化粧室や洗面所での歯磨きや化粧。そのような際に、飛沫が発生しないよう、注意喚起を、ぜひ事業者の方々にもしっかりとやってもらいたい。そういう具体的なところを、国からメッセージとして出してもらいたいのです。

 それから4点目が、やはり若い世代へのワクチン接種の推進で、今、20代・30代の人が、感染の大半を占めている状況です。65歳以上の人や60代の人のワクチン接種は、今もそうですが、進んできています。
 大事なのが、我々40代以下です。特に、20代・30代のワクチン接種が進んでいくことが大事で、比較的ワクチン接種が進んでいる市や町の首長と話すと、だんだんと年齢が若くなるに従って、予約が埋まらなくなってきている状況も出ています。
 ここは、我々と市や町も連携してアピールをしていきますが。ぜひ国においても、感染対策のために、1番目の出口戦略と絡むかもしれませんが。ワクチンを接種することが、これからコロナを乗り越えた後も、行動の緩和に繋がることとの関連も含めて、ワクチン接種の動機づけをしていくことが重要だ、と思っています。
 我々も、どういった形で具体的に呼びかけて、まさにインセンティブも含めて、やっていくのかは考えていきますが、そこを国にも、訴えたいところです。

 以上、この4点を本日付で、知事名で国に提出しました。要請にあたっては、京都府ともしっかりと事務レベルでも連携をして。こういう発出をすることは、情報提供しながらやっていますので、そういった形で、連携はしています。
 いずれにしても、国民の行動変容に繋がるような、実効性ある緊急事態宣言の発出が、もしされるのであれば、そこを国にしっかりと求めていくことを、今日、しました。
 何よりも大事なのは、我々自身が、もし仮に、緊急事態宣言が発出される地域になれば、我々としても、先ほど挙げた、項目1、2、3、4について、何らかの形で、メッセージを出していくことを、県民の皆さんにやっていきたい、と考えています。

 

 私からは、以上です。

質疑応答

記者:

 今日から、まん延防止等重点措置の実施区域が拡大されました。知事が言及したように、一部報道では、緊急事態宣言の対象の拡大を政府が検討している、という報道が出ています。まん延防止等重点措置区域を拡大してすぐのタイミングで、緊急事態宣言の対象になるのではないか、という話も出ています。
 知事としては、現時点で、兵庫県が緊急事態宣言の対象になること自体は、妥当なことであり、宣言発出がふさわしい、という考えはありますか。

 

知事:

 今日の新規陽性者数も402人で、感染に伴う各種の指標として、県内の病床使用率が57.9%と6割近くで、どんどんと高くなっています。それから宿泊療養施設も52.5%で、全体としても55.0%とひっ迫しています。
 重症病床使用率も、若干横ばいになっているところもありますが、これも30%近くになっています。今の県の判断としては、自宅療養が2000人を超えていることを踏まえると、やはり、緊急事態宣言発出を早急に国に求めていくべきフェーズになった、と判断しています。
 そういう意味で、「緊急事態措置の強化に関する要請」を今日付けで出しました。

 

記者:

 まだ、実際に発出されるのか、確定的ではないので、たらればの話ですが。先週、知事が対策本部会議の後の会見で、当時の状況では、まん延防止等重点措置と緊急事態宣言の要請内容で大きな差がない、という指摘をされていました。
 実際に国が何を打ち出すかにもよるのですが、酒類提供禁止の要請など、ほぼ緊急事態措置に等しいことを、現実に、すでにやっていて、今から何を要請すれば実効性を伴うのかがなかなか見えにくい、と思います。
 今日、出された措置の要請文について、兵庫県として何ができるのか、例えば、県独自でできることがあれば、どこを強化したいなどの考えはありますか。

 

知事:

 まずは、「出口戦略の提示」で、これはワクチンの接種を、この2カ月ぐらいの間に、全県民の8割近くまで、少なくとも供給量は達成される前提でですが。どんどんとワクチンが接種されていく中で、行動規制の緩和をできます、ということを、できれば、国の方針が出ればよいのですが。そこを県としては、大規模接種会場なども用意しながら、市や町と連携して、ワクチン接種をどんどんとやっていきます。その先にこういう状況ができたら、一定の行動規制の緩和は見えてくる、ということを、出せるのかどうかも含めて、検討はしたい、と思っているのが1点です。
 それから、2点目の「人流削減対策の推進」の中で、単に減らしてください、5割削減してください、ではなくて、具体的にこういう行動はやめましょう、と言うべきなのです。大事なのは、ここに書いている、「特に」の段の2行目ですが、飲食店等の中で、マスクを着用せずに会話をしている人がいた場合に、店側もそこは注意を促してください、と改めてお願いしたいのです。
 さらには、それでもなかなか言うことを聞かない人に対しては、申し訳ないですが、退店もあり得ることを、少しここは強めにはなるのですが、できるだけ飲食店の皆さんには、やってもらうようにお願いしたい、と思っています。
 マスクを着けて会話している人もいれば、そうではない人もいて、混在している状況が、今の、現実の飲食店やカフェではあるので。そこは、改めてお願いをして、イエローカードとレッドカードではないのですが、そういった形で、各飲食店などにはお願いをしたい、と思っています。
 おそらくここが、一番の具体的なポイントです。具体性で言えば、一番最後の、事業所の皆さんのバックヤードもです。ここでの歯磨きなどの、具体的な行動を注意してください、ということを訴えかけていきたいのです。

 

記者:

 緊急事態宣言について。発出されることの効果を、改めて、どう見ているのか。
 今日、内閣府が発表したGDPの4月から6月期の速報値でも、飲食や宿泊は、サービス業は、やはり厳しい状況が続いている。一方で、個人消費に関しては、予想以上に堅調だ、と評価するアナリストもいます。結局は、これまでの緊急事態宣言による人流の抑制効果が、限定的なのではないか、その証明なのではないか、という指摘もあるようです。
 知事は先日から、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の違いも、あまり見えなくなっていると言われています。これからの人流抑制効果を、仮に兵庫県が緊急事態宣言の対象に加えられるとすれば、8月以降、9月の終わりまで、人流を抑える効果がどの程度ある、と見ていますか。

 

知事:

 そこはやはり、やってみなければ分からないことは正直ある、と思います。ただし、この目下の感染拡大状況等、特に医療機関の病床のひっ迫を見れば、この段階では、メッセージとしての緊急事態宣言発出は避けられない、というのが今の判断です。
 その上で、やはりメッセージ性の強化。それから、具体的に、県民の皆さんに、行動について、こういうところを気をつけてください、ということを提示してほしいと。我々も提示したい、と思っています。
 繰り返しにはなりますが、人流抑制対策とあわせて、こういう行動にしっかりと気をつけてほしいと。人流が5割抑制されればベストですが、そうならない場合にも、県民の皆さんの一人一人の行動の中で、具体的に、会話の時にはマスクを、近距離で話す時にはマスクを着けてくださいなど。
 あとは、事業者の皆さんが、バックヤードの歯磨きや、休憩する時は、注意をしてくださいという、より具体的な、踏み込んだ行動変容を促すことを言っていくことが大事です。
 もしも、県として、マスク着用を促してほしいと、しない場合には退店を促してほしい、と言うことによって。場合によっては、店側も、「実はこれは、県から言われているのです」と、言いやすくなるのかもしれません。そういった意味で、背中を押すというのか、具体的な行動変容を生み出すことも大事だ、と思います。

 

記者:

 今のままでは、人流の5割抑制は、相当ハードルが高いと。だからこそ、重ねて、このようなメッセージで強調していく、ということですか。

 

知事:

 はい。今の状況を見ると、緊急事態宣言を発出することで、国がどんどんと強いメッセージを出してくれば、やはり、社会全体として頑張ろう、となっていくことを期待はしているのですが。5割削減などは、なかなか難しい局面もあるかと思うので、その場合には、こういう行動を具体的に注意してください、と現場の県としては、働きかけていくべきだ、と思います。

 

記者:

 緊急事態措置の強化に関する要請について。説明の中では、緊急事態宣言の要請とは、また違うものだ、と言われました。
 先ほどの質問への答えでは、宣言発出を求めるフェーズにはなった、と判断しているという話でした。
 今日、宣言発出の要請をしなかったのは、どういった理由からですか。

 

知事:

 前回、8月12日の時点で、要請はせずに、協議をしていく、ということになっています。しかし、このように緊急事態措置の内容に関する要請をしているので、これは事実上、緊急事態宣言を発出してほしい、と国に対しても要請している、ととらえてもらってよい、と思います。協議をする中で、我々が発出してください、とこれから言っていきます。

 

記者:

 今日、兵庫県は緊急事態宣言の発出を要請した、ということですか。

 

知事:

 そうです。あとは国の判断になりますが、事実上、協議の中で、緊急事態宣言の発出について、お願いせざるを得ない、と判断をしています。

 

記者:

 宣言の発出を要請したという段階にあって、前回の会見で、国とは協議を進めていく、という話がありました。これまでに、どのような協議を進めてきたのかと、現状の国の反応を教えてください。

 

知事:

 これまで、私から西村大臣にも状況を報告したりしていますし、あとは、担当の防災当局からも、内閣官房に日々の発生状況について、たいへん厳しくなっている状況は、逐次報告をしています。
 その上で、やはり大事なのは、もうこのフェーズになってくると、他の県でもどんどんと陽性者が出ている状況もありますが。本県としても、協議の中で、緊急事態宣言の発出は、避けられないという内容に踏み込んできた状況です。
 併せて、措置の内容の強化についても、全国知事会からもやっていますが、本県からも、どうしていくのかは、まさにペーパーで、今日付けで出します。これから、緊急事態宣言の発出が、いつになるのか分からないのですが、できるだけ国に対して、この要請内容を反映しもらえるように、お願いをしていきます。
 あとは、国でどういう判断をするかですが、仮にならなかったとしても、我々としては、具体的な人流削減対策の推進の中で、具体的にこういう行動はできるだけ注意してください、と言っていこうと思います。

 

記者:

 これまでは国に対して、県内の状況がたいへん厳しいことを、数字を交えて説明してきて。今日、加えて、その緊急事態措置の内容について要請して。
 西村大臣からは、どのような言葉があったのか。前向きに検討したいなど、どういう内容の返答がありましたか。

 

知事:

 それはこれからです。今日付けで要請を出しますので、それを踏まえて国からどういう回答があるのか、だと思います。あとは、全体の流れの中の話になっていくので、国が全国の中でどういう判断をしていくのかを見なければなりません。
 国が大きな判断の中で、緊急事態宣言の発出を行うことになったとして、内容も国がこれから判断するのかと思いますが。どういう判断をされようとも、本県としては、ここで要請した、特に、2番、3番の内容、その他も含めて、しっかりと県民の皆さんに強く訴えかけていきたい、と思っています。

 

記者:

 一部報道では、明日には国が範囲を拡大するのではではないか、という内容が出ています。そうなれば、兵庫県も当然、その中に入ってくるのではないか、との考えですか。

 

知事:

 もしも、そういうことになれば、入ってくる可能性は高い、と思っています。仮にそうなれば、国のスケジュールに合わせて、本県も、対策本部会議の開催や、いろいろな対応を、スピーディーにやっていかなければなりません。

 

記者:

 そうすると、最短で明日には、対策本部会議を緊急でやらなければならない、という考えですか。

 

知事:

 仮定の話にはなりますが、最短では明日です。報道が本当かどうかは確認しなければなりませんが。そのスケジュールも含めて、県から内閣官房にしっかりと確認をしていきます。

 

記者:

 兵庫県を加えるという内容の話は、国からは入っていないのでしょうか。

 

知事:

 まだ、入っていません。

 

記者:

 もしも、宣言の発出が、兵庫県にも範囲を広げて、となった場合に、現状のまん延防止等重点措置と宣言との規制の違いがほとんどない、という話もされていましたが。
 強める考えがあるのか、規制内容をどのように変える予定ですか。

 

知事:

 国へ、今日、緊急事態宣言の措置の強化の内容について、要請を出しています。もしも仮に、国が兵庫県も含めて発出をすることになれば、どういった形で、期間やエリアも含めて、検討していくのかによります。緊急事態宣言の措置の内容も、国が検討していく形になりますが、まずは、そこを見ていかなければならない状況です。
 これが、これまでとあまり変わらない、ということになれば、我々が独自に、要請したところを。法律の建て付けからどこまでやれるのか、ということがありますが。できるだけ、県独自のメッセージとして、今日もまさに、皆さんにこの要請をしたというペーパーを配っていること自体が、県民の皆さへんの1つのメッセージになっていますので。
 改めて、プラスアルファがあるかもしれませんが、しっかりと検討をして、県民の皆さんに、県独自でもメッセージを出していきたい、と思っています。

 

記者:

 緊急事態措置の強化に関する要請について。政府に文書として要請するものがこの文章ということですか。

 

知事:

 はい。

 

記者:

 通常は、緊急事態宣言の発出の要請は、文書でされています。
 知事の考えとしては、それは事務レベルで、内閣官房に発出してください、という働きかけはするけれども、文書の形で要請をすることではない、という考えですか。

 

知事:

 発出に関しては、一旦、協議をしていくという形になっていますので。その協議の中で、今のフェーズでいうと、事実上、発出してほしいということを協議していく、ということです。
 その際の措置内容としては、これでできないか、という要請をしていく、ということです。

 

記者:

 緊急事態宣言の発出となれば、対策本部会議を開いて有識者の意見も聞く、という手続きも要るかと思うのですが。
 この強化に関する要請ということで、実質上、県として知事としての、発出をしてもらいたい、という意思表示をしたということですか。

 

知事:

 正式には、言われるとおり、国がおそらく分科会を朝に開けば、県としても夕方ぐらいには対策本部会議を開いて、国の本部と並びでやって、正式に対処方針も含めて、決定していくことになります。

 

記者:

 人流削減対策の推進の中で、飲食店でマスクを着用しない客の退店を求めることについて。確かに最近、特に、会話の声が大きいといった話は聞くのですが。1つ難しいことは、ワクチンを接種した方々に対して、どのようにマスクを着けてください、と説得していくのか。現場では難しいところもあるのではないか、と思うのですが、このあたりはどのように考えていますか。

 

知事:

 今の全体的な、国も含めてのコンセンサスは、ワクチンを2回接種した人であっても、やはり感染症対策をしてもらうことが大きな方針になっていますので。ワクチンを接種している、していないにかかわらず、今の時点では、マスクをしてください、とお願いすることが必要です。
 ワクチンを接種していても感染のリスクはゼロではない、という報告も出ています。ワクチンの接種を2回しているか、していないかにかかわらず、今の時点では、そうなる(マスク着用をお願いする)と思います。
 ただし、「出口戦略の提示」にも書いてますが、これからワクチン接種がどんどんと進んでいく中で、大きな社会全体のコンセンサスとして。ワクチン接種を2回接種している人は、例えば、欧米のようにワクチンパスポートではないですが、それは日本の場合には、接種券にワクチンを1回、2回、接種したというシールを貼っていますが。例えば、そのシールを見せて提示すれば、ある程度、マスクをしなくてもよいまではいかないかとは思いますが、ある程度の要件は緩和されると。どういうものを食べるのか、飲むのかも含めて、緩和されていくという方向性を出してほしい、と思っています。
 今の時点では、おそらくマスクはしてもらわなければなりません。

 

記者:

 兵庫県の場合は、時短の要請を守っていない店舗に対して、過料を科すまでには至っていません。他県に比べて、その処分というのか、手続きが進んでない、という印象があります。
 仮に、マスクを着用しない客の退店を求める、という踏み込んだ要請をするのであれば。この時短命令など、そういったものを守らない時点で、文書での指導などをしているかとは思いますが、さらに過料なり、強い対策で臨むことも必要だと思います。
 知事は、現状をどのようにとらえていて、今後どうしたい、と考えていますか。

 

知事:

 指導の徹底については、これまで同様にやっていきたいと。まずは、時短の要請の厳守と酒類提供の件の指導・助言になってきます。
 ここはしっかりとやりつつ、現場レベルで、どうしても守ってもらえない人に対しては、やはり過料も含めて検討していかなければならない、と思っています。ただしここは、実際にはその手続き面で、どこまでスピード感を持ってできるのか、という状況もあるので。そのあたりを踏まえながら、しっかりと対応していきます。
 マスクの着用については、過料の対象にするのかは、また別の問題だと思います。

 

記者:

 場合によっては、例えば、マスクを着用しない人へ退店を求めることを、いわゆる過料の対象にすることも、特措法上は可能な気もするのですが。そもそも法律上も無理ということですか。

 

知事:

 そこは研究しなければなりませんが。実際に、過料の対象にするのかどうかと考えると、その現場を押さえるのはなかなか難しいのです。これは酒もそうです。
 まず大事なことは、過料の対象とするのかどうかよりも、メッセージとしてしっかりと発信をして。各飲食店やそういった場所の経営者、店員の方々に、「実は、県からもこういう要請があるので。だから、マスクの着用を徹底してください」とできるだけやってもらうように促していくことが大事だ、と思っています。
 過料の対象にするのかどうかは、別の問題になるかと思いますが、今の時点では、現実的には少し難しいと。まずは、県全体での、事業者や県民の皆さんも含めた、コンセンサスをつくっていくことが大事です。

 

記者:

 今回のまん延防止等重点措置について。知事としての、効果があったのかどうかも含めて、受け止めを。
 宣言の発出が、お盆前でなければ効果がなかったのではないか、という見方もあるようですが。タイミングとして、今、兵庫県を追加するという報道が出ていることに対して、どう受け止めていますか。

 

知事:

 これまでの流れを見ると、まん延防止等重点措置により、人流の抑制に、一定の効果は数字上もあった、と思っています。ただし、今回、完全に抑制するまでの効果があったのかというと、現にデータ上も、発症者数は高止まりですし、様々な指標も悪くなっていますから、一定の限界があります。
 そういう意味で、緊急事態宣言の発出というフェーズに、移行せざるを得ない。その内容についても、本日付けで、内容の強化をしてほしいということを要請します。
 今の感染状況の拡大を見れば、やはり何らかの対応の強化はせざるを得ない、というのが今の判断です。

 

記者:

 感染をしっかりと抑えていくためには、少なくとも宣言の期間はいつまで必要だ、と今の段階で考えていますか。

 

知事:

 まず大事なのは、やはり今月が夏休みなので、この期間は少なくとも必要です。20代、30代の若い人を含めて、街中で、いろいろと集まりやすい期間ですから、まずは8月中が1つの目途だ、と思っています。
 ただし一方で、緊急事態宣言自体は、国全体でどのように感染を防止していくのかという制度なので。期間についてはおそらく国の方で、もしも拡大することになれば、判断していく、と思っています。

 

記者:

 但馬地域は、12日の対策本部会議では、人口10万人当たり15人を超えていないので、対象区域にはしませんでした。その但馬地域にとっては、驚きだと思いますが、仮に宣言が出た場合に、今と同じようにその地域差をもって、時短要請などの対応に当たるのですか。

 

知事:

 (今の緊急事態措置は、制度上、県内一律なので)但馬地域の方々にはたいへん申し訳ないのですが、もしも仮に発出されれば、網がかかってこざるを得ません。
 いろいろな声が私のところには届いています。但馬地域からも、現場では一部、いろいろな感染事例が出てきているので、早め早めに、緊急事態宣言も含めて措置の対象としてほしい、という声も実はあります。
 そういったことと、目下の感染状況の拡大を踏まえると、これは県全体、但馬地域も含めてせざるを得ない、というのが今の状況です。たいへん心苦しい判断ではあるのですが、今の状況はそういう形です。

 

記者:

 仮に緊急事態宣言の対象になった場合には、今、人口10万人当たり、以前の宣言解除要請基準(同10人以下)の倍以上の陽性者が出ています。
 解除の目安は、陽性者の数になるのでしょうか。それとも、病床のひっ迫度合いによるのでしょうか。

 

知事:

 ステージの指標ごとに、全体を見て判断していかなければならない、と思っていますが、今、兵庫県の場合は、重症病床使用率50%は超えていません。
 ただし一方で、最大確保病床に対する使用率は50%を超えているので、病床のひっ迫具合が、1つの目安にはなる、と思っています。おそらく重症病床については、これからも伸びてきます。そこをできるだけ抑えていく、ということです。
 これから、自宅療養の人が増えてくるので、そこへのケアをどうするのか、ということ。そのためには、保健所の体制強化と様々な負担軽減をどうしていくのか。あとは、いろいろなことを総合的にやっていかなければならない、ということで、今、庁内で検討しています。重症化を予防する手だてと、あとは病床確保と宿泊療養施設の確保です。
 そういったことを全体としてきちんと論点を整理して、対策を早急に打ち出していきたい、と思っています。

 

記者:

 この要請を見ると、3番目の「クラスター発生を踏まえた感染対策の徹底」で、バックヤードや、事業所での感染対策の徹底を図ることになっていますが。
 これとは別に、これまで、人流抑制というのか、人が集まらないようにするために、テレワークが、コロナが出てきた当初から、ずっと課題になっていて。県でも、テレワークを推進するために、県民局にスペースを作ったりしていますが。
 これを見ると、テレワーク自体が、日本には馴染まないというと言い過ぎなのかもしれませんが。テレワークの徹底は、かなり難しいと判断したようにも見えるのですが、そのあたりはいかがですか。

 

知事:

 ここに書いてないから、徹底しないというわけではなくて、引き続き徹底をしていきたい、と思っています。今の話も踏まえて、今回、もしも発出されれば、県としての対策を考えていかなければならない中で。テレワークの推進については、徹底していくことに踏み込んでいきます。
 県庁職員の対応もそうですが、県内の事業所の皆さんにおいても、これまで以上に、やってもらうということで。県でもいくつかの、テレワークがしやすくなるようデジタル関係の環境整備をしています。これは、中小企業の人も含めて対応できますので、そこも周知徹底しながら、場合によっては、関係する商工会なども含めて、さらに要請をしていくことも考えていきます。

 

記者:

 テレワークの推進は、見ている限りではかなり厳しい、難しい課題というのが見えてきて。踏み込む、と言われましたが、具体的にどうすれば、このテレワークを、特に中小企業の方々について、何か、妙案はありますか。

 

知事:

 妙案は、なかなか今の時点ではない、というのが実情です。県庁自体は、かなり進んでいる方だとは思いますが、県の仕事であっても、やはり今は、紙ベースでやっているのが大部分です。
 あとは、企業においても、私の周りの人などに聞くと、大手の企業はかなりテレワークが進んでいるということです。大手の企業は、設備も含めて揃っているので、さらに県内の大手企業に促すこともやっていかなければなりません。中小の企業については、総務部も含めての、マンパワーや設備の中では厳しい状況もあるかとは思いますが、そこはできるだけ促していきます。

 

記者:

 今日の「緊急事態措置の強化に関する要請」について。これまでの流れでは、1年半前から国は、ある程度、一斉に網をかけるという形の緊急事態宣言です。個々・具体的な地域の特性などはあまり考えない、ざっくりとしたものであったかと思います。
 今回、こういう形で明確にしたのは、やはり知事から見ても、もう少し個々・具体的な、自治体ごとの特性を活かしたものを、国からもきっちりと落としてきてほしい、との考えがあったからですか。

 

知事:

 そこもあります。あとは、資料にも記載のとおり、やはり出口を見据えて、ここまで我慢・協力すれば、その後は、例えば、ワクチン接種が進んだ後は、ワクチンの接種状況によって、行動規制が緩和されるという、先が示されたりすることが大事だ、と思っています。そこがなければ、人間というのは、なかなかゴールが見えなければ、いつまで我慢すればよいのか、という話になります。それが1点です。
 また、人流削減についても、5割、5割と言うのもよいのですが、もっと具体的なレベルで。どこまでやるのかは別にして、行動変容の中で、マスクを必ず着用して、ということを、各事業者さんにも、もっと促してくださいと。場合によっては、退店してください、ということも言ってくださいなど。
 3つ目も、クラスターということで、バックヤードを含めてやってください、とより具体的な形で、踏み込んで要請していくことをした方がよいのかと。そうでなければ、ただ単に人流を抑制してください、それから行動を徹底して注意してください、と言うだけでは、やはり、自分がどういう行動をすればよいのか、分からないこともあるかと思うので。実感できないことなので。
 そこをもう少し、具体的なレベルまで落として、より徹底して言っていきたい、ということが趣旨です。

 

記者:

 4つ目の若い世代については、結構、ワクチンを受けない、怖いというような、漠然とした街の声を聞いています。なかなか、受けるチャンスがなかったり、ワクチンが足らないとも聞きますし、ワクチンへの興味が少し薄らいでいるのか、と我々も感じます。
 知事としては、そのあたりのメッセージを、今後どのように発していきますか。ユーチューブは、いろいろとされたりもしていますが。

 

知事:

 まずは、ワクチンがどんどんと供給されて、少なくとも8割ぐらいの県民の皆さんが、あらゆる世代の人が、いつでも受けられるようになることが前提ですが。その上で、ワクチンを受けていなければ、行動が引き続き規制されてしまうこともあり得る、と伝えていくことも大事です。
 このあたりは、これからの検討課題ですが。例えば、県内の大学などと連携しながら、大学における様々な活動についても、ワクチンを接種すれば、例えば、サークル活動や文化祭など、そういったものも自由にできるようになる、といった動機づけも、何かしらの形でできれば。20代の方々も、それではワクチンを打ってみようか、という形になるのかもしれません。
 そういったところも、どういう形でやるのかは、これから考えていこうと思っています。何かしらの仕組みづくりができないか、考えていきたいと。

 

記者:

 病床の話が先ほどありました。今、入院病床全体で57.9%、中等症・軽症に限って出すと61.8%という数字になってきています。今、病床確保目標の1200床が確保できている段階で、運用の数を、フルで運用するように進めているところです。
 そもそも、この確保病床数が足りているのか、という話の中で、大阪府と比べると、大阪府は感染者が兵庫県の2.6倍で、病床がだいたい2.5倍ということで、ちょうどよい感じのようにも見えるのですが。人口10万人当たりの病床数では、大阪府が35.4床に対して、兵庫県が22.7床と少ないのですが。
 このあたりを、知事はどう考えますか。

 

知事:

 その数字のデータからは、やはり兵庫県も、この1237床で本当に足りるのかどうかは、しっかりと議論していかなければならないと。引き続き、病院への意向調査や、場合によってはトップセールスで、病床の確保については、しっかりとやっていきたいです。
 しかし、現場の実情は、先日、県立病院にも行きましたが、やはり、一般の治療との兼ね合いで、なかなかギリギリのところでやっています。できるだけやりつつ、どこまでやるのかは、かなりハードルは高い面もあるかとは思いますが、早急に、動き出しはスピード感を持ってやっていきたい、と思っています。
 やはり、宿泊療養施設を増やすことは、病床を増やすことと併せて、やっていく必要があります。特に、医師が派遣される医療強化型の宿泊療養施設は、私も現場に行きましたが、これは結構、病院に若干は準ずるぐらいの安心できる体制です。ここを関係機関と調整しながら増やしていくことと、そもそもの宿泊療養施設の数を増やしていくことが大事です。
 もう1点が、できるだけ重症にならないような体制を、どう敷いていくのかも大事です。これは、抗体カクテル療法の普及促進も含めてですが、そのあたりも医師会を含めて、早急に議論している状況です。

 

記者:

 病床数の拡大について。これまでの兵庫県のやり方は、実情を説明して、信頼関係が、震災の経験もあるのかと思いますが、非常に医療機関と県や市町の信頼関係があるので。呼びかけると、結構、手を挙げてくれるという、そういう関係性の中で、病床を確保してきた側面があります。
 一方で、頭打ちになった時に、感染症法に基づいた強い要請や、そういった手段をとっているところも、他府県ではあるようですが。そういう手段は、これまで兵庫県は取らない、と言われてきました。
 このあたりは、齋藤知事はいかがですか。

 

知事:

 今の時点で、そうした手段を取ることは、考えていません。
 法律に基づいて、強い権限で、公開も含めてやることは、手法としてはありますが。やはり、今もそうですが、医師会の先生方を含めて、現場の医療機関の先生方と議論していくと、やりたいけれどやれない、という実情もあったり。様々なハードルがある中で、何とか、何とかやりくりしながら、現場を回している状況なので。
 私としては、やはり丁寧に、お願いを積み重ねる形で、1床でも増やしていくやり方を、スピード感という観点では、若干、となるのかもしれませんが、そこは崩さずにやっていきたいです。

 

記者:

 出口戦略について。今、兵庫県でもやっている飲食店の認証制度があります。なかなか他府県でも、そういう認証制度はあるが、結局、時短要請の際には同じように要請されるし、同じようにお酒も制限されるしで、何の意味があるのか、という声もあります。
 この認証制度を、例えば、出口戦略の中で活かす方策など、知事の中に考えはありますか。

 

知事:

 今の時点での、私の思いですが。認証制度の中で、ワクチンの接種が一定程度進んでからの話として。例えば、従業員などがワクチン接種を2回している場合には、何らかの、営業に関する要件をどうするという議論もあるか、と思っています。
 まさに、国が出口戦略を作っていく中で、しっかりとやってくれるとは思いますが。先日、知事会が国と協議した中でも、出口を示していくこと、ワクチン接種が進んだ後に、どこまで活動をしてもよいのかという緩和の話と、将来の国民への展望を示したい、という発言も大臣からあったようですから。まさに、そこが大事です。
 いつまでも同じ形で、時短なり、酒の提供禁止を要請し続けるよりは。ある程度しっかりとワクチン接種や、感染症対策をやっているところは、一定の要件が緩和されて、通常どおりに営業ができたり、酒の提供ができるということも。
 国に出口戦略の策定を要請したのは、そうした趣旨からです。

 

記者:

 今日の要請文の趣旨について。やはり、県民や国民一人一人に、「自粛疲れ」のようなものがあるので、宣言を発出するにあたっては、方法を工夫した方がよいという考えのもと、出されたのですか。

 

知事:

 はい。やはり、自粛をお願いしますだけでは駄目です。先ほども言いましたが、ワクチンの接種が進んで、ある程度の段階になった時には、将来の展望として、ワクチン接種をしたり、感染防止をしっかりとやっている人については、行動要件が緩和される方向を示すことが大事だ、と思っています。そういう意味で、国に要請するということです。
 もちろん、ワクチン接種については、どうしても、様々な事情で受けられない人もいるので。そういう場合には、欧米の場合はPCR検査で代替したりしていますが。そういった、個人への配慮もしっかりと併せながら、出口策を社会全体として、どうしていくのか。それを国の方でしっかりと考えてもらうことが、国民に対するメッセージとして、ここまで頑張ればよいのだと。もう少し頑張ろう、と思えるところまで出すことが大事なので、このような要請にしました。

 

記者:

 知事としては、この「自粛疲れ」というものを、県内で、どのように深刻だ、と受け止めていますか。

 

知事:

 様々な私の周りの人にも、家にいる時間を増やしている人もいますし、ワクチンを接種している人は、やはり、行動をそろそろしてもよいのではないか、という意思を持っている人も、結構、多いのです。そのような方々が、現在、全体がこのような状況になっているから、少しやめておこうかという人も多くて、そういったものは、じわじわと溜まっていっています。
 今、緊急事態宣言を発出したとしても、なかなか行動変容に繋がらない実情があるかと思うので、それはある意味で、「自粛疲れ」というものが出ているのでしょう。
 その中で、さらに出口として、どういうメッセージを、道筋を示していくのかということが。まさに国であったり、県知事もそうですが、そのような道筋を示していくことが大事だ、と思っています。

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