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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
今回は、年間を通じた事業進捗に伴う精算補正と、本日も、スキー場にも行ってきましたが、スキー場関係の誘客支援、それから防犯対策などの緊急対策になります。
2ページ目が、補正予算の規模です。一般会計全体としては減となります。これは中小企業制度資金貸付金とコロナ関連事業が減により、292億円の減となります。特別会計等については、資料記載のとおりです。
具体的な内容については、3ページに記載しています。
歳入については、法人税などが増加しています。兵庫県はものづくり産業がベースで、ものづくり関係の業績は海外への輸出などの要因だとは思いますが、法人税の増収などにより、当初想定よりも311億円増となっています。9046億円は、税収として過去最高となります。
それから、それ以外にも中小企業(制度資金貸付金)関係が減となります。すでに担当課から詳細をお伝えしていると思いますが、こういった歳入・歳出で生まれた余剰については、基金の積み立てなどに振り替えていきます。
4ページ以降が、具体的な事業になります。
1つ目が新規で、スキー場の周辺地域における誘客促進事業ということで、6400万円を計上します。
本日、神鍋のスキー場に行ってきましたが、年末年始の雪不足によって、2週間程度、営業を休止したということ。それから、本日も強く言われましたが、電気代と燃料代がかなり高騰していて、リフトや圧雪機、この電気・重油の価格の負担がかなり強いということで、事業経営に影響が出てきています。
加えて、ロッジなどを含めたスキー場関連の事業者も高齢化してきており、後継者につないでいくことをどうしようかなど、大事な段階にありるようです。事業承継は中小企業などのいろいろな分野でも同じです。そういった意味でも、スキー場は兵庫県のすごく大事なレジャー産業の一つですから、ここをしっかりと応援していきたい、と思っています。
スキー場に対して、イベント経費、プロモーション経費、(シーズンが)これからまだまだ3月ぐらいまでありますから、誘客していくことが大事です。それから、先ほど述べたリフトなどのランニング経費が嵩んでいるので、そこを支援します。
補助額については、スキー場運営主体あたり、規模に応じて400万円か500万円です。これは令和元年度にも同じように2月経済対策補正で措置しましたが、その際は300万円を上限とし、14スキー場が対象となっていました。今回は燃油価格の高騰などかなり厳しいということを踏まえて、それを400万円に引き上げ、つまり100万円プラスします。
それから、先日、要望に来てもらった際にいろいろと話を聞くと、同じスキー場でも運営主体が2つに分かれていたり、あとはリフトの本数がスキー場によって全然違う。あるスキー場には数本のところ、あるスキー場には10本以上のリフトなど、運営主体や規模などの実情がバラバラなので、そこを一律に400万円というよりも、400万円か500万円ということで経営規模によって分けているのが今回の拡充のポイントです。
こういった形で県内のスキー場を支援していきます。
本日、行ってきました。今、神戸市内も雪が降っていますが、雪はかなり回復していますので、これから利用客は増えてくることが期待されます。それでもスキー場経営は、燃油価格の高騰などで厳しいですから、しっかりと支援をしていきたい、と思っています。
スキー場については、冬のシーズン以外でも、合宿などの利用促進策を、令和5年度当初予算でも計上していきます。
次が、酪農への支援です。兵庫県は淡路やいろいろなところで酪農経営も盛んです。牛乳の生産には輸入の粗飼料、牧草などを多く給与しています。トウモロコシなどの配合飼料には、国の価格安定化の制度がありますが、この牧草関係については制度がないということで、これは国へ要望もしているところですが、酪農家へのダメージが最近すごく強くなっていますので、牧草等の飼料高騰に対する支援が2点目です。
それから、5ページが、家庭における防犯対策の普及啓発です。これは予算関連ではありませんが、関東で発生した住宅への強盗事件を受けて、県民の皆さんの不安が高まっているところですから、家庭でできる住宅の侵入防止対策を紹介する啓発動画を作成して、広く県民の皆さんに周知していきたい、と考えています。これは今、作成中です。
また、令和5年度予算とも連動していますが、防犯カメラの設置支援や、地域団体に防犯アドバイザーの派遣をしていきます。
次が、新規施策で、ストーカー対策です。これは福岡のストーカー事案があり、関心が非常に高いところです。先日、研修会を実施しましたが、大学など、想定以上に関心が高いとの印象を受けました。
今回、県警の方で予算計上となります。金額は少ないのですが、トライアルというのか、試行的にやってみるということで、検索連動型で広告します。あるワードを検索した場合に、例えば「ストーカー 不安」などのキーワードを検索した場合に、女性などに対して、ストーカーに対しては「こういった相談窓口がありますよ」ということを広告として、ポップアップなどで表示していきたい、と考えています。
今年度、3月の1カ月間を実施期間として、効果を検証して、今後どうするのかを考えていきたい、と思っています。
県警にはストーカー・DV相談窓口がありますので、不安に思ったらすぐに相談しやすくすることが、ストーカー事案に対する大事なポイントですので、そこに繋げるような対策をしていきます。
それから、6ページが、女性の関係です。先般、県立大学の女性の学生が、女性用品の無償提供を大学内で実施して、そこで意識調査を行ったという報道を見ました。私たちも女性用品の購入などについて、コロナ禍で経済的に苦しくなっている人、それから女子生徒、女子学生に対する、よりきめ細やかな支援の必要性を感じたところです。
したがって、今回、補正予算を計上して、県立学校、それから県立大学に加えて、私立学校もすべての大学で、高専も含めてですが、女性用品の無料配布の対象拡大・拡充をしていきます。
もともとは、令和3年度から県立学校の保健室やトイレなどで、相談窓口で、無償配布してきましたが、その対象を私学も含めて、それから大学も希望するところだけではなくて、県内すべての大学・短大・高専にも拡充していきたいと。そして配備する場所も柔軟に対応していきます。こういったことを通じて、困っている人への支援をしていきたい、と思っています。
県立大学の学生と面談する予定で、どのような思いでやってきたのか、それと周りも含めて、この問題に対する現状がどうなっているのか、話をさせてもらいたい、と考えています。
次が、道路の除雪対策です。これは今の豪雪状況を踏まえて、経費計上します。
それから、7ページが、財政健全化に向けた取組です。
今回、税収の増と執行残で収支が改善しています。一定分は税収が増えると地方交付税が不用となり、それを来年度以降に精算という形で、国からの金額が減っていくものに対して補填をしていくことがあるので、精算をする部分は除いた上で、それでもまだ剰余する分については、必要な部分を将来への対策として基金に積み立てをしていきたい、と考えています。
具体的には資料記載のとおりで、1点目が財政基金、いわゆる財政調整基金への積み立てを34億円します。これは令和3年度の決算剰余が出ていますので、そのうちの34億円分を基金に積み立てるものです。これによって令和4年度末の残高は67億円で、一歩一歩増えていく形を目指します。
また、県債管理基金の残高不足がありますので、そこにも47億円を計上します。
それからもう1点が、万博に向けた取組を計画的に推進していくことが大事で、アクションプランを作りましたが、それには財源も必要だということになります。今、財政的に収支に余裕が出ているうちに、必要な財源を一定程度確保していきます。地域創生基金がありますので、そこに47億円を計上していきたい、と考えています。
全国的にも同様ですが、県税収入、税収が比較的好調な時に、収支改善の中で積み立てられるものはしっかりと積み立てていくことを兵庫県としてやっていきます。
私からは以上です。
記者:
スキー場の支援について。但馬地域と播磨地域で、それぞれ支援に該当するスキー場は何カ所ありますか。
知事:
15カ所です。スキー場自体は14ありますが、そのうちの1つは規模が大きく、運営主体が2つに分かれているのです。したがって、14スキー場ですが、補助対象としては15カ所(運営主体)です。
記者:
今回の補正予算で、知事として思いを込めた部分、重要だと思った部分はどこですか。
知事:
4点と言えば全部になってしまいますが。
まず、スキー場対策は、雪が少ない年末年始の頃、地肌が見えているスキー場の報道を見て、これは大変だ、と感じていました。それから担当課へ指示をしたものです。その直後に、市町懇話会で、たしか宍粟市長よりスキー場への支援をお願いしたい、という声があり、今回、そこを拡充しながらできたことは、一定の思いを持っているところです。
また、防犯対策やストーカー事案について、最近の連続強盗やストーカーの事件がありますので、予算額としては小さいのですが、早く県民の皆さんの不安を少しでも解消できるような対策をしたい、という思いで計上しました。
また、女性用品の配備については、最近、コロナ禍でいろいろな課題がある中で、これは女性のデリケートな問題なので、難しい面もあるのかもしれませんが、行政としても、できることをしていく、というものです。
記者:
基金の積立で、地域創生基金に47億円を、万博の推進に向けて積み立てるというものがあります。過去を調べてみると、令和3年度までは残高がだんだんと減っている状況で、改めて(今回は)積み立てという形にしたのは、知事はどういった狙い、考えなのかを聞かせてください。
知事:
万博はこれから2年間の準備期間でしっかりと進めていくことが必要です。今回、アクションプランを作り、フィールドパビリオンや、県立美術館、兵庫県のパビリオンを作っていくことは大事ですが、その計画を実施していくためにも財源が必要です。
毎年度、毎年度の予算編成の中でやり繰りすることもありますが、今、税収が比較的伸びている段階の中で、一定の必要となる経費を積むことは、安定的に事業を行っていく上でも大事だと思い、今回、計上しました。
万博以外にも、いろいろな地域創生に対する取組は、人口減少対策など、地域活性化も含めて、大事な場面が出てくると思いますので、今回、積み立てしたものを活用し、地域・地方創生に役立てていきたい、という思いです。
記者:
財政調整基金について。知事は就任前から公約で財政調整基金の少なさを指摘しており、当選した暁には100億円程度に増やしたいという話がありました。
今回、数字で見ますと、ほぼ倍増だと思いますが、順調に積み増ししている、と受け止めていますか。
知事:
今回、令和4年度末で67億円まで積み立てができる状況で、100億円ぐらいまでは積み立てたい、この4年間で、という思いがあったので、そこは一歩ずつ進めてきている、という思いがあります。
できれば来年、再来年の中で、まずは100億円を達成するように頑張っていきたい、と思っています。
記者:
基金にはいろいろとあり、分かりにくいので、改めて、なぜ財政調整基金が必要なのか、100億円規模の積み立てが必要なのか、伺います。
知事:
コロナ禍でもそうでしたが、いろいろな対策を機動的に実施することがすごく大事な場面がありました。
これまで兵庫県は財政調整基金が比較的少なかったので、その対策をする場合の財源がなければ予算が組めないので、少し立ち止まらざるを得ない場面があったかと思います。
これまでは、その後に臨時交付金が国からどんと来るようになったので、それを活用して予算を組めるようになってきましたが、それがない段階ではなかなか予算が組めなかった。
今回、コロナがそうであったように、すぐに対応しなければならない事案は、これからも何か出てくる。災害対応など、いろいろなものが出てくる際に、当座の予算を構築していく財源がなければ、スピード感を持った迅速な対策ができません。そういった意味で、今回、まずは100億円を目指して積み立てていくことが、すごく大事だと思っています。
記者:
兵庫県の財政規模を考えた場合に、知事は、財政調整基金の残高はどれぐらいあればよい、という目安は持っていますか。
知事:
私もいろいろな自治体で財政課長などをしましたが、基金残高の目安は、これぐらいあればよいとの目安は、なかなかありません。何パーセントなど、いろいろと決めながらのものです。
あえて言えば、あればあるほど本当はよいと思います。ただ、あればあるほどよいからと言って、どんどんと積み立ててしまうと、積み立てるよりも、その年度の予算執行に振り分ける方が、県民の皆さんや経済にとってもよい面もあるので、そこはバランスを見ながら積み立てていくことが大事だと思います。
そういった意味でも、収支の余剰が出るものをしっかりと活用していく、無理のない形で積み立てていきたい、という思いで実施しています。
一応、目安としては100億円にしていますが、兵庫県の財政規模だと100億円ではまだ不十分との思いはありますので、100億円以上積み立てていきたい、と思います。
具体的に何億円あればよいのかは、今は答えづらいです。あればあるほどよいのですが。
記者:
酪農への支援について。配合飼料に対しては(国の)制度があって、粗飼料には制度がなく、国への要望もしていかなければならない、との話もありました。どういった要望、どういうものが必要との考えでしょうか。
知事:
これは、農林水産省などに対して要望をこれまでもしてきていますが、(今後も)していくことが大事だと思っています。
酪農で一番大きいのは北海道ですが、北海道は非常に土地が広い中で、ある程度は牧草を自分たちで賄えることがあり、ある種の自給自足ができることから、国が支援に対しては、日本全体でそこまでする必要がない、と判断しているのだと思います。
兵庫県もそうですが、比較的小規模な酪農も各地にはあり、それぞれの地域で乳製品やチーズなども頑張って作っていますので、そういった地域独自の酪農も支えていくことが、地域創生や産業育成の観点から重要なものです。
今、価格が高騰している中で、このままでは酪農をやめざるを得ない人も出てきていますから、それは決して無いようにしていく。国への支援をしっかりと要望していくことは大事だと思っています。
ただそこは待っていられないので、まずは県でできることをするということで、今回の補正に計上しました。
記者:
支援というのは、何か制度を作るということですか。
知事:
国に対して、経済対策などの制度要望をしていくことは大事だ、と思っています。(担当課:既に国へは要望しています。)
知事:
引き続き要望を続けていく。
国会議員へ予算説明する機会なども近々あるので、その際にも、きっちりと伝えていきます。
記者:
全国的に酪農が大変だというのは、特に北海道などが今、大変だと言われていますが、兵庫県の酪農に対して、知事は、どんな認識を持っていますか。
知事:
先般、(県内産の)牛乳を飲む機会もありましたが、非常においしい。淡路のモーツァルト牛乳などもあり、丹波もですが、いろいろな地域ごとのブランドやこだわりで酪農をしている方々が結構いて、これは神戸などでもです。
そこからできるチーズやヨーグルトはすごくおいしいので、兵庫県の酪農産業は非常に可能性がある、と思っています。
そこは絶やしてはならないので、消費拡大もしっかりと県としても進めつつ、経営の支援もしていくという、この両面が大事だと思っています。
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