水道法の改正について
人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤強化を図るため、「水道法の一部を改正する法律」が公布され、水道法が改正されました。
改正の概要
1.関係者の責務の明確化
- 国、都道府県及び市町村は水道の基盤強化に関する施策を策定し、推進又は実施するよう努めなければならない。
- 都道府県は水道事業者又は水道用水供給事業者(以下、「水道事業者等」という。)間の広域的な連携を推進するよう努めなければならない。
- 水道事業者等はその事業の基盤の強化に努めなければならない。
2.広域連携の推進
- 国は広域連携の推進を含む水道の基盤を強化するための基本方針を定める。
- 都道府県は基本方針に基づき、関係市町村及び水道事業者等の同意を得て、水道基盤強化計画を定めることができる。
- 都道府県は、広域連携を推進するため、関係市町村及び水道事業者等を構成員とする協議会を設けることができる。
3.適切な資産管理の推進
- 水道事業者等は、水道施設を良好な状態に保つように、維持及び修繕をしなければならない。
- 水道事業者等は、水道施設を適切に管理するための水道施設台帳を作成し、保管しなければならない。
- 水道事業者等は、長期的な観点から、水道施設の計画的な更新に努めなければならない。
- 水道事業者等は、水道施設の更新に関する費用を含むその事業に係る収支の見通しを作成し、公表するよう努めなければならない。
4.官民連携の推進
- 地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する。
※公共施設等運営権とは、PFIの一類型で、利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を地方公共団体が所有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式。
※地方公共団体は運営権設定にあたり、運営等の基準、業務範囲、利用料金の範囲等を条例で定めるなど議会承認等の手続を経る。
5.指定給水装置工事事業者制度の改善
- 資質の保持や実体との乖離の防止を図るため、指定給水装置工事事業者の指定に更新制(5年)を導入する。
※指定給水工事事業者とは、給水装置(蛇口やトイレなどの給水用具・給水管)の工事を施工する者を、条例に基づき各水道事業者が指定した工事事業者。
改正の背景
水道を取り巻く状況(PDF:1,854KB)
公布日
平成30年12月12日
施行日
令和元年10月1日
ただし、水道施設台帳に関する経過措置の期限は、令和4年9月30日