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県民だより 旬トピ!

兵庫県ゆかりの著名人のインタビュー全文を紹介します。

フィギュアスケーター 三浦璃来さんを深掘り

パートナーの木原龍一さんとの「りくりゅう」ペアで出場した北京オリンピックでは日本勢ペア最高順位、その後の世界選手権では初の銀メダル獲得と躍進を続ける宝塚市出身の三浦璃来さん。彼女の魅力に迫ります。(取材・文 本紙編集部)

 

三浦選手

 

PROFILE

三浦 璃来(みうら・りく)

2001(平成13)年、宝塚市生まれ。ディズニーアニメに憧れて4歳からフィギュアスケートを始め、14歳でペアに本格転向。その年の全日本ジュニア選手権大会で優勝し、頭角を現す。今年2月の北京オリンピックでは個人戦のペアで7位入賞、団体では銅メダルを獲得した。中京大学3年生。

競技を始めたきっかけ

フィギュアスケートが出てくるディズニーのアニメを見て「自分もできる!」と思ったらしく、両親に尼崎スポーツの森のアイスリンクに連れて行ってもらったことです。それが4歳の時。私自身はあまり覚えていないのですが、母によると、とにかく氷上を走り回って楽しんでいて、自分から教室に入りたいと言ったそうです。

ペア競技について

小学校の3、4年生くらいからペアのトライアウトに参加していて、ペアをしたい気持ちが強かったです。シングルやアイスダンスにはない、投げ飛ばされたり、振り回されたりといったことが遊園地みたいで本当に楽しくて。最初は楽しさしかなかったですね。

今は難易度の高い技を取り入れており、けがをするかもしれないという恐怖心も付いて回ります。でも、難しい技を降りた時のスカッと感は他では味わえないものなので、やりがいのある競技だなと思っています。

ペアパートナー・木原龍一さん

2019(令和元)年にトライアウトで初めて組んだ時に、スケーティングの1歩の伸びや手を出すタイミングが同じで、全ての技のタイミングもきっちり合い、「こんなに合うんだ」とお互いに本当に驚きました。相手に合わせようとしなくても、自分がやりやすいタイミングがぴったりと合う感じ。そうした相性の良さに加えて、密度の濃い練習の積み重ねが今の結果につながったのだと思います。私自身はネガティブ思考に陥りがちですが、木原選手のおかげでポジティブでいられますし、彼とでなければここまで来ることはできませんでした。

飛躍の年となった2021-22シーズン

今の私たちはスケートの楽しさを重視しています。コロナ禍で試合に出られなかった分、2021-22シーズンは試合に出られるうれしさと結果を残せる喜びがあったので、それを皆さまに伝えられるようにと思いながら滑っていました。シーズンが始まる前に2人で立てた目標は、ショート・フリーの両プログラム合わせて200点以上。最初の試合でいきなりクリアできたので、そこからは「前回の点数を上回ろう」という意気込みで毎回の試合に臨み、自分たちでどんどん乗り越えていったことが結果につながったのだと思います。

北京オリンピック思い出の一枚

個人戦の競技を終えた後に撮影した、選手村にある五輪モニュメント前での“リフト技ショット”。ジャンプとともに「緊張感も全部飛んで行った!」と、解放感を全身で表現した写真なので、すごく印象深いです。
三浦選手オリンピック

三浦選手にとっての北京オリンピック

4年に1度の大会だからこそ結果を残したくて、普段の試合とは違った緊張感がありました。ショートプログラムは思うような演技ができなかった分、「楽しもう」という思いで臨んだフリープログラムでは、自分たちのベストな演技ができました。最高の舞台でミスなく滑り切ることができた経験は、今後につながると思います。

冬季オリンピックでのメダル獲得は、坂本花織選手とともに兵庫県勢初

兵庫県民として、すごく誇らしいと思っています。団体戦はチームのみんなでメダル獲得を目標にしていて、皆さんの素晴らしい演技のバトンを私たちもつなぐことができて本当によかったです。

ここぞ!で食べる勝負飯

海外を転戦することが多く、国によって食べ物は変わるので特に決まったものはありません。でも、試合前は会場に用意されたものを必ず食べるようにしていて、体力を維持できるよう、パスタなど炭水化物をメインにしています。

一方、普段の食生活は野菜が中心。以前は「食べられたらいいや」くらいに考えて特に気にしていなかったのですが、食事に気を配っている木原選手をまねて野菜を多く取るようにしてみたところ、体がすごく安定するようになりました。練習の調子も良くなったことで食事の大切さを痛感し、今も継続しています。

ふるさとの好きな場所

地元の宝塚駅です。競技の関係で幼い頃から電車移動が多かったので、宝塚駅に着くと「ああ、もうすぐ家だ」とほっとします。駅の周辺にはお店が多いので、買い物をして帰ることもあります。

練習拠点がカナダのトロントなので、ここ数年、帰省できるのはシーズンオフだけ。今年も4月末にようやくオフをもらえて宝塚駅に降り立った時は「やっと実家だ!」とうれしくなりました。実家では、飼っている3匹の猫たちと戯れることが一番の楽しみ。癒やされます。

今後の目標

4年後、8年後のオリンピックでメダルを取りたいです。来シーズンは、そのための新たな挑戦の年。トップの世界は小さな点差で結果が決まるので、少しでも点数の高い技を入れられるように、これから新しい技の習得に取り組もうと思っています。

私たちはまだまだ結果を出していかないといけない立場。結果を出し続けたら、「ペアをやりたい」という子も出てくると思うので、その子たちのためにも成績を残していきたいです。まずは、もう一度グランプリシリーズでメダルを取って、前回コロナ禍で出場できなかったグランプリファイナルに進みたいと思います。

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