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知事定例記者会見(2020年7月6日(月曜日))

  1. 新型コロナウイルス感染症の現状と対応
    (1)県内の患者の発生状況
    (2)知事メッセージ
    (3)新型コロナウイルス感染症対策の分析・検証
  2. 少子対策及び子ども・子育て支援の総合的推進
  3. ユニバーサル社会づくりの推進(令和2年度の取組内容)
  4. 令和2年度「健康ひょうご21大作戦」の推進
  5. 兵庫型ワークシェア推進事業の開始
  6. 東日本大震災被災地に係る支援
  7. 授乳コーナーの開設(県庁2号館13階「みどり展望遠」)

動画

知事会見を動画で見る(約72分)(外部サイトへリンク)

知事記者会見内容

知事:

 東京都知事選の結果がすごいですね。360万票と、史上2番目に高い得票数かと思います。東京都知事選でなければ無理な数字です。

 

 1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 「(1)県内の患者の発生状況」について。

 県内の患者の発生状況ですが、既に発表があったかと思いますが、本日、県内で2人判明しました。昨日も2名で、2名が続いています。一昨日は1名でした。昨日までの1週間で、13名判明しました。そのうち、感染源が明確になっている方は8名で、その方はすべて、大阪府関連です。残りの5名は調査中ですが、蓋然性としては、大阪府関連ではないかと見られる要素が高いです。その大阪府は、東京都から飛び火しているかも知れないので、東京都は、全国のために、対策をしっかりと行い、対応する必要がある、と思います。

 

 「(2)知事メッセージ」について。

 そのような状況であり、現在新規感染者が2名か、1名程度と、先に発表している通り、対応時期としては小康期です。小康期は見守ることが対応の基本姿勢ですが、あえて、県民の皆様にお願いをしたい、警鐘を鳴らさせていただきたいと思います。
 「緊急事態宣言が解除されてから40日余が経過しました。この間、東京都では1日で100人を超える新規感染者が確認されるなど感染が拡大しているほか、首都圏、近畿を含む全国各地の「夜の街」での感染者の増加が見られます。兵庫県においても、6月19日に34日ぶりに新規感染者が確認されて以来、昨日までに、東京・大阪と往来をした方など13人の感染が確認されています。」本日すでに2名の感染が確認されていますので、15名になります。
 「全国的な往来が活発化しつつある中で、『次なる波』の防止に向け、今一度、警戒していかなければなりません。」
 「県民、事業者の皆様には、引き続き、兵庫の新たな生活様式『ひょうごスタイル』や、業種毎の感染拡大予防ガイドラインに基づく感染防止の推進、特に次のことにご理解、ご協力をお願いします。」とあえてこの時期から警鐘を鳴らしたい、ということで、呼びかけさせていただきます。
 「1 夜の繁華街の接待を伴う飲食店などへの外出の自粛」です。
 「夜の繁華街の接待を伴う飲食店(キャバクラ、ホストクラブ等)など、最近クラスター源となっている施設への出入りについては、特段の注意を払ってください。」このような店でも、感染防止対策を行っている所もあると聞いていますので、そのような所はそれなりの対応力のある店なので、そのような意味で、「注意してください」と呼び掛けています。
 「東京都など人口密集地や感染が再拡大している地域との不要不急の往来自粛に努めてください。」要請まではまだしませんが、自らの判断で、自粛に努めていただくようお願いします。今日のメッセージのメインは、この点にあります。
 「2 事業活動での感染防止対策の徹底」です。
 「事業活動にあたっては、業種毎の感染拡大予防ガイドライン等を踏まえ、中小企業等事業再開支援金の活用などにより、感染防止対策を徹底してください。特に、夜の繁華街の接待を伴う飲食店等には、特段の協力をお願いします。」対策をしっかりと行ってください。
 「7月10日から運用を開始する『兵庫県新型コロナ追跡システム』への登録をお願いします。」先日もご説明しました通り、事業者から登録し、QRコードを入手して(掲示して)いただかなければ、お客さんがQRコードを読み取り、県のクラウドに登録することができません。まずは事業者の方の協力をお願いしたいと考え、ここで「『兵庫県新型コロナ追跡システム』への登録をお願いします。」と呼びかけさせていただきます。
 「3 『ひょうごスタイル』の推進」です。
 「『3つの密』を避ける、熱中症に留意したマスクの着用など「ひょうごスタイル」を基本に、日常生活の中での感染予防に取り組んでください。」
 「在宅勤務(テレワーク)、時差出勤、職場での『3密』の防止など、『ひょうごスタイル』を基本に、感染拡大を予防する『働き方』に取り組んでください。」
 繰り返しますが、今回のメッセージは、外出について、特に最近感染源となっている施設への注意喚起と、東京都などとの往来について、不要不急の場合は自粛に努めてください、ということがメインです。

 

 「(3)新型コロナウイルス感染症対策の分析・検証」について。

 第1波についての対応を含め、しっかりと分析・検証しようということで、項目を15章まで整理し、各項目・内容について、①有効であった対応、②当時の課題と対策、③残された課題の3つの視点で分析・検証を行います。
 実施体制としては、現状分析はそれぞれ担当課が行いますが、緊急対策チームが、対策本部に設けられているので、緊急対策チームを中心に、分析・検証を行います。緊急対策チームは、関係局長で構成し、幹事は防災企画課、感染症対策課、政策調整課です。事務総長である金澤副知事をトップとして、分析・検証を行うことになります。
 今後のスケジュールとしては、7月下旬に、荒川座長にリードしていただいている感染症対策協議会に報告し、意見をいただき、できれば、お盆前の8月上旬に、公表できるようにしたい、と考えています。
 関西広域連合の委員会が土曜日にありましたが、委員会での議論等で、第2波対策について、広域連合としての対策の方向を明確に出すべきではないか、という指摘がありました。これを踏まえ、できるだけ早く、広域連合としての、第2波対策についての取り組み方針を取りまとめる予定です。
 これも本来ですと、分析・検証を踏まえた上で、対応すべきですが、待っていられないような状況が、東京都を中心にありますので、対策の基本方向を先行してまとめさせていただき、作業に入らせていただきたい、と考えています。

 

 2番目は「少子対策及び子ども・子育て支援の総合的推進」です。

 少子対策と子ども・子育て支援の推進状況をご報告します。
 本県の数値目標は、出生数と、合計特殊出生率を掲げています。令和元年の出生数は、38658人で、目標とする年間44000人をかなり下回る結果になっています。
 合計特殊出生率は、平成22年以降1.4台で推移しており、令和元年は1.41という率です。全国順位でいうと30位です。全国の合計特殊出生率の数は1.36で、過去最低の数字になっています。
 全国を上回るからよいというわけではなくて、さらに、出生数の回復に向けて、プランの推進をしっかりと進めていくことが必要だ、と考えます。
 2019年(令和元年)のプログラムの施策についての状況ですが、(大きく)6項目あります。それぞれについて、凡例にありますように、達成率90%以上は◎、達成率80%以上は○、達成率70%以上は△、達成率70%未満は▲とし、評価しています。
 「Ⅰ 若者の自立支援による未来の親づくり」では、それぞれ、まずまずの成果を上げている状況です。若者しごと倶楽部を通じた就職者数は、目標を6.5ポイント上回る11180人という実績です。
 「Ⅱ 結婚・妊娠・出産への切れ目のない支援」は、特定不妊治療(体外受精・顕微授精)の助成件数が○です。ひょうご出会い・結婚支援事業成婚数は◎で、実績を上げていると言えます。
 「Ⅲ 就学前の教育・保育と子育て支援」は、ファミリー・サポート・センター事業の提供回数は減っていますが、幼児教育無償化等の動きの中で、専門機関に対するニーズが増えてきていること、ファミリー・サポート・センターは定期的に利用するのではなく、スポット的な利用が中心になるということを考えると、このような実績になっているのもやむを得ない、と思います。保育所・認定こども園等の定員数は、令和元年度も、(計画を)1.1ポイント上回っています。そのような意味で、努力を重ねてきていると言えます。
 「Ⅳ 子育てと両立できる働き方の実現」ですが、働き方については理解が進みつつある、と考えています。
 「Ⅴ 子育て家庭を支える地域社会づくり」ですが、放課後児童クラブやまちの子育てひろばなども含めて、機能してくれています。
 「Ⅵ 特別な支援が必要な子どもや家庭への支援」についても、順調に進んでいますが、▲になっているのは、DV対策連携会議を全市町で作っていただこうとしているものの、現在まだ半分ぐらいの実績になっているため、この点は強化をしていく必要がある、と考えています。
 これらの評価を一覧表にしたものが、2ページ目の表です。83項目のうち、46項目は◎、12項目が○、2項目が△、5項目が▲となっています。
 例えば待機児童数は、若干改善したものの、1569人から1553人への改善と、割合が悪いため、まだ改善していく必要があります。幼児教育の無償化などで、保育所や幼稚園の需要が増えていることも反映している、と考えています。
 それから、わくわく幼稚園というのは、幼稚園や保育所に行っていない子どもたちを、集団生活させるために、幼稚園や保育園の協力を得て、月に1回や2回程度、幼稚園や保育所を開放して、研修を行っている事業です。この数について、意外と計画達成率が低くなっています。年少・幼少の子ども達の面倒を見ていくスタッフがなかなか揃わない、ということが原因になっている状況です。
 最後の「Ⅵ 特別な支援が必要な子どもや家庭への支援」の中で、社会的養護体制の充実で、グループホーム定員数が思ったほど伸びていない状況があります。施設の整備をするにしても、設置場所を確保することや資金の手当も窮屈であり、地域の方々の理解もなかなか得られないなどの事情があって、グループホームの整備が、少し進んでいない状況にあります。この点は、さらに努力を重ねていく必要がある、と考えています。
 ここまでは、実績でありますが、今年度のひょうご子ども・子育て未来プランに基づく主な取り組みが、3ページの表です。個別事業の説明は、私からは省略させていただきますが、(主なものとしては、)「ひょうごで働こう!プロジェクト」で、兵庫県内での就労の機会を沢山つくってもらうための対策。大学生などに対する未来体験支援事業の推進。
 出会いサポートセンター事業の充実強化やスマホ婚活システムの構築、民間婚活事業者との連携強化、などを図っていきます。
 それから、「Ⅲ 幼児教育・保育」では、新しくひょうご保育士等キャリアパス総合促進事業で、ひょうご乳幼児教育・保育マイスターという有資格者を養成していきます。
 また、多様な働き方の推進や地域祖父母モデル事業を更に推進していく必要があります。60代や70代初めの元気な高齢者は、仕事等でなかなか地域の子どもたちの面倒を見ていただくのが難しい、という実情もありますが、さらに強化をしていきたいと考えています。
 それから、特別な支援が必要な子どもたち対策で、加東こども家庭センターを秋に、尼崎こども家庭センターを来年の4月にオープンするべく準備を進めています。DV防止対策についても、DV被害者等のセーフティネット強化対策事業や、民間シェルターの基盤強化などを進めます。ひきこもり相談や特別支援学校へのスクールカウンセラーの配置、子ども多文化共生教育の推進などを行っていきます。
 (4ページ)今回、2020年度の事業プログラムを整理するのに際して、数値目標数を114項目に増やしました。従前は、83項目でしたが、結果として、プラス31項目になっています。この中で、新規と示している項目は、46項目ありますので、スクラップアンドビルドをすることによって、プラス31項目になった、ということでご理解をいただきたいと思います。

 

 3番目は「ユニバーサル社会づくりの推進(令和2年度の取組内容)」です。

 “ひと・参加・情報・まち・もの”という条例の規定区分に従って、それぞれの事業を実施していくことにしています。これも細かな事業の説明は省略しますが、今回の重点として、農福連携の促進を図ることや、授産商品「+NUKUMORI」の配送料を無料にして販売を強化することや、就労継続支援B型事業所で働く人たちの収入減を補う対策を行う。そしてユニークなのが、ひょうごジョブコーチによる伴走型支援で、障害者の、就労・職場定着促進のために、専門家を伴走型でつけて、支援をしていくという対応です。就労が週20時間以上の場合は、国のジョブコーチの対象になりますが、20時間未満等の場合は、対象になりません。そうした対象にならない人達に対して、伴走型の支援を行っていくこととさせていただきます。
 あと、公共交通バリアフリー化については、エレベーターにしても、ホームドアにしても、ノンステップバスについても、順次、整備を進めていくこととして、着実に推進を図っています。
 最後の“もの”のところでは、ロボットや最先端の福祉機器の開発や展示、研究促進、サービスの向上などについても、触れているということです。
 その次のページに書いているのは、県庁の率先行動計画です。必須事項は、すべて達成していますが、独自項目については、一部未達成の部分が出てきていますので、これは努力をさせていただきます。
 率先プロジェクトについては、それぞれ、できるだけ目標を達成できるようにしていきますが、障害者就労支援事業所等からの優先調達については、元年度の目標を、2000万円ほど下回ってしまいました。一般的な調達物資の仕組みで努力するのは、なかなか難しいということもあります。特定の障害者施設が作っているような調達物資を切り出して実績を重ねていく、そういう努力をしていますので、ご理解いただけたらと思います。

 

 4番目は「令和2年度『健康ひょうご21大作戦』の推進」です。

 令和3年度まで健康づくり推進プランの目標を定めて、推進を図っていますが、現状を見ていただくと、平均寿命は、男性で0.65歳、女性で0.62歳伸びて、男性が81.71歳、女性が87.77歳となっています。健康寿命は男性80.25歳、女性は84.58歳とそれぞれ伸びています。我々の目標は、健康寿命を(平成27年から令和2年の間に)1年延伸する、というものです。
 国の言っている健康寿命と随分違うと思われるかも知れません。国の公表している健康寿命は、アンケート調査をして、身体のどこかの具合が悪いということになると、その方は健康ではないと分類をして、健康寿命を出されていますので、平均寿命と健康寿命で10歳以上の差が開いている、というのが実情です。10歳も健康寿命をオーバーしている方々がいらっしゃったら、高齢者施設などはパンクしているはずです。しかし、そうなっていないということは、健康寿命のアンケート調査の結果に基づく算定が、いささか問題ありということを表しているのではないか、と思っています。
 特定健診の実施状況を見ていただきますと、兵庫県は少し悪い(全国平均より低い)のです。そのため、これを強化していく必要があります。保険者別受診率(全国)を見てみると、国保がよくないのです。37.2%という率で、他の健保組合や、協会けんぽ、共済組合などと比べても、相当低い状況にありますので、国保の事業を強化していく必要がある、と考えています。
 介護が必要になった主な原因として、全国調査の結果では、フレイル関連が5割以上を占めている、という実態にあります。認知症や衰弱、骨折や関節疾患などが挙げられています。
 それからフレイルにも関連して、歯科衛生士の状況が重要です。人口10万人当たりの就業者数について、兵庫県は、全国平均を上回っているわけではありますが、(市町として)歯科衛生士を配置しているのは、まだ14市町しかありません。したがって、この強化を図っていく必要があります。一方で、小規模の市町ですと、1人雇うのが困難ということもあるため、どのような方式を導入していけば、現実の対応ができるのか、しっかりと検討していきたいと考えています。今年から実験的に行いますが、但馬長寿の郷に、歯科衛生士を1人配置して、要望のある市町に指導に出かけていくという仕組みも含めて、どのような対応が望ましいのか検討していきたい、と考えています。
 認知症サポーターは、人数が徐々に増えていっている状況です。
 令和2年度の主な取り組みとしては、ビッグデータを活用した健康づくりを進めるとか、健康づくりチャレンジ企業への支援を強化して、特に特定健診の家族に対する取り組みの強化を図るとか、あるいはスマホアプリを活用した高齢者向けの健康管理支援を行うとか、フレイルに対する強化推進事業として、モデル市町におけるフレイルプログラムの評価指標を検討していきます。
 歯については、ひょうご歯科衛生士バンク(仮称)をつくって、歯科衛生士を派遣するような事業をモデル的に推進していこうと考えています。
 こころの健康づくりでは、認知症対策について、当事者や家族と、地域の認知症サポーター等をつなげる仕組み、チームオレンジの連携強化事業なども推進させていただくことにしています。

 

 5番目は「兵庫型ワークシェア推進事業の開始」です。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に仕事が減少し、人手が余剰となっている事業主から、人手不足となっている事業主へ期間限定で人材融通等を行うこと(ワークシェア)により雇用継続を図る取組を支援します。そのために、ワークシェア実施企業の掘り起こし、周知徹底を図り、専門相談を行い、「ひょうごワークシェアサイト」を運用し、マッチングします。明日、7月7日から開始します。
 クリスタタワー12階にある、ひょうご・しごと情報広場で実施します。ご承知おき下さい。

 

 6番目は「東日本大震災被災地に係る支援」です。

 兵庫県内避難者の登録状況ですが、2世帯転出され、7人減になっています。
 職員等派遣職員状況は、市町から派遣されていた方が1人、体調不良で引き上げられたので、1人減です。
 関西広域連合分については、変化はありません。
 トピックス等ですが、6月21日に気仙沼湾横断橋の主要な工程である「主桁閉合」が完了しました。気仙沼湾横断橋は、今後、舗装工事や防護柵の取り付け工事などを経て、今年12月の完成を予定しています。
 石巻市では、津波防災拠点施設として、行政、防災、医療、福祉の各種施設を整備していましたが、全ての施設が完成しました。

 

 7番目は「授乳コーナーを本庁舎に開設(第2号館13階みどり展望園内)」です。

 県庁第2号館13階の「みどり展望園」に授乳コーナーを設けることになりました。
 おむつ交換台は既に整備しています。1号館、3号館には、1階の多用途トイレに、おむつ交換場所が作られていますので、ご利用下さい。

 

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 新型コロナの関係で、知事から冒頭にも少しご説明をいただきました。東京都で100人を超える感染者が連日出ていて、大阪府も2桁という状況がここ数日続いているようです。今の状況を、知事としてどうご覧になっているか、現状の認識を教えてください。

 

知事:

 今の状況ですが、東京都も感染源がかなり特定されています。3分の2ぐらいは特定されています。3分の1が経路不明ということになっているのですが、もしかすると、なかなか言いにくいこともあって、かかった方がおっしゃっていないのではないか、ということも考えられます。感染源は相当特定されていると考えて、対応していく必要があるのではないでしょうか。
 特に、大阪府は東京都からの行き来の関係で、同じような感染源になっています。そして、兵庫県は大阪府の感染源に関係した人達が感染している、という実情にあるのではないでしょうか。
 そうだとすると、(感染範囲が)小さく特定されている段階で、県民の皆さんにしっかりと注意していただくことが、大きな流行を防ぐ第1歩ではないか、ということです。そのため、先ほど説明したように「『次なる波』への防止に向けて」という意味で、協力依頼のメッセージを発出させていただいた、ということです。

 

記者:

 外出自粛については、引き続き東京都を含めて人口密集地との往来自粛に努めてください、ということです。当初、7月9日までの見通しで出していましたが、当面は、呼びかけを続けていかれるということでしょうか。

 

知事:

 そうですね。自粛の要請まではしておらず、注意して行動してください、という意味合いです。今のような状況だからこそ、一人一人の注意が大きな効果を上げる可能性が高いのではないでしょうか。何も注意をしないで、通常の生活を続けられていくと、もしかするとクラスター内では抑えきれなくなり、伝播してしまうという懸念が、かなり強くなってきます。そのため、予防的にお願いしています。

 

記者:

 これは、今の感染状況を見ながら、当面の間は呼びかけを続ける、と理解すればよいのでしょうか。

 

知事:

 もし、急速に増加傾向が見られるようであれば、皆様に要請していかなければなりませんが、今のような状況が続く段階であれば、県民の皆様の自主的な行動に期待していきたい、と思っています。

 

記者:

 急激な増加、とおっしゃるのは、いわゆる感染源がよく分からない方についての増加ということでしょうか。

 

知事:

 両方あると思います。感染源は分かっているが、ぽつぽつと出てくるという状況と、感染源の分からない方々がそれなりのウエイトを占めているという状況の、両方をにらみながら判断していく必要がある、と思っています。
 ただし、最終的には、発症者数が絶対数として評価の対象になり得る、と思っています。警戒基準は1日あたり10人(1週間平均)としています。警戒基準を超えたから強化をする、というよりは、その前から注意すべきことを呼びかけさせていただいた方が、よりリスクを小さくできるのではないか、という配慮です。

 

記者:

 警戒基準については、兵庫県は以前に示していて、その基準に沿って対応していくための準備もされています。この警戒を判断する基準について、兵庫県以外では、最近少し緩和させたり、数値をやめてみたりという動き、いわゆる修正の動きがあります。兵庫県では、今、経済情勢を重視して、修正をするのかどうか、どのようなお考えでしょうか。

 

知事:

 兵庫県の場合、警戒基準も収束基準も非常に簡明な基準で、1日あたりの発症者数をベースにしています。これを、今の段階で見直したり、さらに要素を追加したりすることは考えていません。ただし、機械的に適用するのではなくて、特に兵庫県は大阪府等との交流圏ですから、大阪府の状況等も十分踏まえながら、発症者数の状況などを見定めて、警戒判断をしていく、ということになると思っています。

 

記者:

 今回、この外出自粛についてアナウンスいただきました。それ以外にも、前回の対策本部会議で、7月10日以降段階的に緩和していくというものが、イベント等の実施や、学校の部活動などにおいて、いくつかありました。これは予定どおり10日以降は緩和させる、というお考えでしょうか。

 

知事:

 基本的に発生源がかなり特定されています。発生源とは関わりのない、例えば学校の部活やイベントなどについては、注意をしながら、また感染症防止対策をしっかりと行っていただくことを前提として、対処方針どおりに進めたい、と考えています。

 

記者:

 東京都知事選の結果について、366万票を取られていますが、過去1位は、8年前の猪瀬さんの433万票だそうです。非常時は現職が強いとも言われますが、今回圧勝された選挙結果について、どのように見ておられるのでしょうか。
 また、全国のために、東京都での新型コロナ対策をしっかりしてほしい、というようなお話もありました。改めて、東京都に対応を求めたいことも含めて、お伺いします。

 

知事:

 小池知事自身が「当面の対策(課題)はコロナ対策で、コロナの沈静化をいかに早く図るかということが、都知事としての役割だ」とおっしゃっていたとおりだと思っています。
 都民も、小池知事に今までの対策にプラスアルファをしっかりやってほしい、という期待の投票結果になったのではないか、と思います。都民のためはもちろんですが、全国からの東京都に対する心配を払拭するような、対応をしっかりやっていただきたい、と思っています。PCR検査を弾力的にしながら、まずは関係者の安全確認にしっかりと取り組んでいただくことが重要ではないか、と期待しています。

 

記者:

 熊本豪雨について、まだ発生後間もないので、今、現地に行くという話があるのかどうか分かりませんが、兵庫県として、支援をすでにされていたり、検討されていたりすることがあるのでしょうか。

 

知事:

 昨日、早速先遣隊が熊本県に入り、熊本県の対策本部や国の対策派遣チーム会議などにも参加させていただいて、状況把握をしている最中です。
 球磨村に入ろうとしても、熊本県の災害対策要員もヘリコプターで往来をしているぐらいの大きな被害を受けられ、陸路は寸断されているという状況が続いているようです。そのため、現地に入りきれていませんが、情報を整理した上で、必要ならば物資や人手を含めて、関西広域連合としてもしっかりと支援をしていこう、と一昨日の委員会でも申し合わせたところです。
 また、県のボランティアセンターも、明日か明後日に、先遣隊を派遣して、ボランティアの受援支援のための関係構築を模索しようとされています。この動きも注視していきたい、と考えているところです。
 まだ現状として、今日から明日未明にかけて、かなりの雨が降る、というような状況ですので、今直ちに支援できることは限られているのではないか、と思います。しかし、九州地方とは、関西広域連合と相互応援協定を結んでいる関係でもありますので、しっかりと対応していきたい、必要な対応をしていきたい、と考えています。

 

記者:

 発表項目から伺います。「感染が再拡大している地域との、不要不急の往来の自粛」ということですが、「再拡大している地域」というのは、具体的にどのあたりのことを捉えたらよいのでしょうか。兵庫県の中でも、1人、2人と新規感染者がでています。

 

知事:

 兵庫県の1人、2人は対象にはならないでしょう。
 代表は、東京都ですね。若干、危惧するのは、大阪府です。

 

記者:

 10日以降の対応について、対策本部会議を開くか何かで、方針を決めていくということなのか、今日ご発表の方針で、このまま行こうとされているのでしょうか。

 

知事:

 対策本部会議ですと、かなりの規模の会議になります。検討項目によっては、例えば、持ち回りなどで、対策本部会議をさせていただくということも、手法としては考えていきたい、と思っています。

 

記者:

 大きい規模として、前回までの対策本部会議のようなものは、あまり予定はない、ということでしょうか。

 

知事:

 決めかねています。非常に、発症者数が一挙に10になるというようなことになれば、それなりの対応を考えなければならなくなるかも知れません。今は、まだ見極めている最中です。

 

記者:

 2次補正予算の関係でお伺いします。予算案を金澤副知事が発表された時に、医療機関や介護施設等の職員向けの慰労金の話がありました。国と調整しているという段階だったかと思いますが、どこを対象にするのかという点で、国との考え方が少し合わないところがある、というような話がありました。
 現状、県として、どのようなところを対象と考えているのでしょうか。

 

知事:

 あの時点の国との調整については、国の実施要綱などが未発表でした。実施要綱でもう少し明確な取り扱いが出てくるのではないか、と期待していたのですが、あまり明確ではありませんでした。我々自身が判断すれば、という状況です。
 医療機関でも実際にタッチされたところと、協力機関として準備をされたところ、あるいは、これは医師会とも相談をしていますが、医師会として1つのネットワークの中で協力体制を取られたようなところというのは、組み込んでいけばよいのではないか、と考えています。
 社会福祉施設も同様です。万が一発生すれば応援に行く、というような仕組みの中に参加をしていただいたようなところは、十分対象にしていけるのではないか、と思います。
 一方で、包括交付金の対象になっていない、保育所やリハビリテーション施設の関係者がいらっしゃるので、そういう方々に対しては、包括交付金の対象でなくても、県独自で考えていかなければならないかも知れません。
 それから、難しいのが歯科医師です。何らかの協力システムの中に組み込まれているような歯科医師の皆さんは、対象にしていくことを検討させていただいて、具体の関係機関と相談をしている状況です。
 国がおっしゃっているように、何もしておらず、なぜ慰労金を出すのか全く説明がつかないような、税金の使い方は、兵庫県としてやる気はありません。どうしてなのか説明がつかなければ、慰労金だから何でもいいという話にはならない、と考えています。

 

記者:

 「健康ひょうご21大作戦」の説明の中で、国保の(特定健診)受診率が低く、事業を強化しなければならないという話がありました。具体的に、この中に盛り込まれているのか、事業としてこのような対策で対応していきたい、ということはありますか。

 

知事:

 1つはもうすでに何度か説明しましたが、医療機関を、その当該市町の範囲内だけではなくて、域外の医療機関でも受診できる、全県的なシステムを作るため、現在、医師会等とも相談をしています。
 もう1つは、国民健康保険の特別調整交付金という制度があり、その中で健診事業を強化し、前年よりも、受診率が上がった場合には、交付額を厚くするような仕組みも合わせて考えていきます。もうすでに、少し工夫していますが、さらに強化することも考えられる、と思います。

 

記者:

 国保の受診率が上がらない要因は、色々あるかと思いますが、課題などはどうでしょうか。

 

知事:

 受けたくないからだと思います。受けやすい環境をどう作るかが重要だと思います。

 

記者:

 それは、最終的に、市町の取り組みになるということですか。

 

知事:

 そうですね。受診機会を増やすという意味で、市町域外の医療機関でも受診できることは、健診機会を増やす試みの1つになる、と思います。

 

記者:

 コロナ関係で、まず発表項目にありました、第1波の分析・検証について、一概には比較できないかとは思うのですが、西宮市や神戸市でも、検証をやっていて、報告書が出てきたり、これから出るという状況になっています。このタイミングについて、どういった判断や、影響などがありますか。

 

知事:

 第2波らしき兆候は、もう少し遅いのではないのか、と考えていたのですが。今日、知事メッセージを出させていただいたような状況ですので、8月の初めでよいのか、というような議論はあり得るかも知れません。
 検討過程で、公表はできなくとも、検証として、このようなことが欠けたというのがあるならば、それは対策として、できるだけ早く打ち出していけばよい、と思っています。
 もちろん、神戸市、西宮市など、市町の取り組み、特に、政令市や中核市の取り組みは、我々は分析できませんので、その取り組みの成果も反映させていければ、と思っています。

 

記者:

 あと、こうした検証作業と関わるような話ですが、休業要請の考え方について、知事の見解を伺います。大阪府でも、クラスターの発生原因に限った方針というか、見方を打ち出していて、前の関西広域連合の会議でも、一律はどうなのか、という議論もあったかと思います。そのあたりの知事の考え方を、改めて伺えますでしょうか。

 

知事:

 本当は、その分析・検証の結果を踏まえた上で、今ご指摘のような、一律の取り扱いなどについての第2波対策があってしかるべきです。しかし、まだ十分そこまでの検証が進んでいませんし、本当に、そこまで特定できるのかどうかということがあります。やはり、ターゲットを少し絞り込んで対策を行っていく、全般的に対応していくということは、今のような段階ではいかがか、という見方が強いのではないか、と思っています。
 ただし一方で、もし蔓延期になって、市中感染が一般的になり、どこでも行動している限り、あるいは、人と人との接触がある限り、感染する可能性があるというような状況が前提になると、一律に行動規制と事業の休業というようなことを政策選択として行っていく必要が出てくる可能性もあります。
 今の段階では、もう少し、ターゲットを絞って考えていった方が現実的で、理解を得ることができるのではないか、と考えています。

 

記者:

 知事もコメントしにくいのかも知れませんが。兵庫県は香港に40年来、事務所を設置して、関係を持っていますが、先週、中国が非常に強力な法律を香港に施行した、という事態がありました。国際社会は、かなりこれに反発していますが、知事としては、中国の今回の対応について、何か評価や意見などございますか。

 

知事:

 公式論で言えば、外交は国の専権事項ですので、1地方団体の首長が、コメントするような立場にはありません。
 香港事務所を香港に置いてきたのは、広東省と海南省、2つの友好省を持っているということと、北京、上海、内陸部など、香港にいると交流ができる、というようなこともあり、その利便性も兼ねて事務所を置いています。
 兵庫県と中国の両省とか、その他の関係機関との連携や、あるいは、観光などの産業との連携というのを考える限りにおいては、大きな影響はないのかなと思っています。政治的、あるいは民主化の見地からどうか、というのは差し控えさせていただきたいと思います。

 

記者:

 今のところは、香港事務所をどうするかというのも、検討課題に上がっておらず、様子を見ていこうということでしょうか。

 

知事:

 あまり心配はしていない、ということです。

 

記者:

 東京都は、今回、香港が国際金融センターとしての地位を低下させるのではないかということで、香港のエリート層を受け入れようと、東京都が受け皿になって新たな金融センターになろうという話が出ています。
 兵庫県だけ、1県だけでは、どうしようもないのですが、関西が指をくわえてこれを見ていてよいのか、と思うのですが。これからの話ですが、いかが思われますか。

 

知事:

 これは非常に難しい課題だと思います。火事場泥棒みたいなことをするのか、という話にもなりますし、一方で、そのような事態で、これから香港でなかなか活動がしにくいので、他の地域で活動することを求めて、来られるような方々に対して、受け入れ条件などを、整えておくというのは、人道的立場から言っても必要だ、ということになるかも知れません。その両面から、少し見極めさせていただく必要があるのではないか、と思っています。
 県の施策としては、ポストコロナ社会のあり方で、余りにも対外依存が大きい産業分野などについては、兵庫県への投資促進を進めるような施策は、展開しようとしています。そのような発想の延長線で、考えていくということはあり得るのではないか、と思っています。

 

記者:

 追加の確認で恐縮です。まず、東京都との往来の自粛に努めるということですが、持ち回りするのか、対策本部会議をどのような形にするのかは別として、当面、継続するという認識でよろしいでしょうか。

 

知事:

 今あえて、このようなメッセージを出したのは、小さな動きの段階で注意喚起することが、大きなリスクを避ける一歩である、という思いから呼びかけさせていただきました。

 

記者:

 先ほど休業要請についての質疑がありました。大阪府では、一斉休校はしないなど、感染源のターゲットを絞るという話が知事からもありました。
 知事はかねて、規制の程度を合わせることが重要だとおっしゃっていましたが、今回もそのような考えに沿って対応される、ということでよろしいでしょうか。

 

知事:

 どのような段階で、どのような協力を求めていくのか、が非常に重要な政策選択だと思います。一斉休業、一斉外出抑制は、先ほども触れましたように、蔓延期で、市中感染が一般化しているような状況の中での対策ではないか、と思います。それに至るまでは、段階的な要請を重ねていく、ということになります。

 

記者:

 最後に1点、段階的に要請を重ねる中身について。兵庫県で具体的なものを、例えば期限を切って取りまとめるなど、こうしたお考えはいかがでしょうか。

 

知事:

 今の段階では、まだこのような状況なので、ありません。もう少し事態が進展してからの対応ではないか、と思います。

 

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