「沈没船ジョーク」をご存じでしょうか。世界各国から乗り合わせた乗客に沈みかけの船から海に飛び込んでもらうための船長の言葉として、国民性を大げさに皮肉るもの。例えばこんな感じです。
アメリカ人には「飛び込めばヒーローです」
ドイツ人には「ルールなので飛び込んでください
イギリス人には「紳士なら飛び込むべきです」
日本人には「皆さん飛び込んでおられます」
単なるブラックジョークなので、必ずしも当たっているわけではなく、ステレオタイプを助長する面も否めません。
ですが、我が身を振り返れば、日本人パートには、苦笑とともにさもありなんと感じる部分もあります。
では、こういう文章はどうでしょう。
差押予告
あなたの自動車税が滞納となっています。
自動車税は多くの方にご納付いただいております。
納付率は98.9%で未納率はわずか約1.1%
自動車税のお支払いが簡単・便利になりました。
スマホやクレカでも納税できます。
詳しくは納付書裏面またはこちら(QRコード)をご覧ください。
阪神南県民センター西宮県税事務所が実際に使っている差押予告の一部抜粋です。ジョークではなく、数値や事実は正確に記載されています。
何らかの理由で、もしくは、ついうっかり滞納していたとしても、「あ、自動車税払わなきゃ」という気持ちになりそうな気がしませんか。
自動車税の定期催告文書
(社会的規範を提示し行動を促進させた例)
そっと後押しするナッジ理論で
税率を向上
西宮県税事務所では、県政推進の貴重な財源となる県税の納付率向上への取組を強化しています。近年力をいれているのがナッジ理論の活用です。
ナッジ理論は、行動科学の知見を活用してより良い選択を自発的に取れるように手助けする手法。「ナッジ」は英語で「そっと後押しする」という意味です。
ご紹介した自動車税の定期催告文書は活用例の一つ。実際に自動車税納付率向上に役立っています。
それでも自主納付に至らない場合もあります。その時は、自動車や動産等の差押えやインターネット公売等の各種徴収対策により、収入未済額の縮減を進めています。

(滞納処分の一例)
差し押えたトラックにタイヤロックを装着して占有します

(滞納処分の一例)
差し押えたトラックを搬出して公売します
適正・迅速な課税と
効果的な徴収対策で税収を確保
課税と納税は現代社会の基盤ともいえるもの。それだけに、公平・公正かつ迅速に行うことが重要です。
このため、課税対象の調査分析を絶えず行っています。例えば、不動産貸付業・駐車場業の認定調査、不申告法人調査、未登記移転不動産の捕捉調査、不正軽油追放のための抜取調査等々。
課税客体を正確かつ公平に把握したら、次は、税目に応じた徴収対策の実施です。個人事業税、法人関係税、不動産取得税、自動車税と様々なので、特徴に応じた効果的な対策が必要になります。ナッジ理論の活用もその一環です。
県平均より高い個人県民税比率
管内3市と連携した徴収対策の推進
阪神南地域は、県税収入に占める個人県民税の比率が高いのが特徴です。管内3市とも一人当たり税額は県平均を大きく上回り、特に芦屋市の個人県民税の税額は県平均の倍を超えています。
阪神間モダニズムや具体アートを生み出した阪神間3市は、税収面でも大きく県政に貢献してくれています。
これら管内3市とは、徴税担当職員のレベルアップを図る合同研修や情報共有、共同催告の体制構築などを精力的に推進しています。個人県民税・市民税の特別徴収の徹底や滞納整理の情報共有などにも力を入れています。
現在、西宮県税事務所には約90名が在籍。公平・迅速な課税と税収確保に向けて日々の業務に精励しています。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
業務内容や問い合わせ先、県税の仕組み等の基本情報が満載のホームページも是非ご覧ください。
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