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更新日:2022年4月19日

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六甲山系災害史(1)

 古い記録では洪水が発生して民家が流されたという記録が多く、状況は明らかではありませんが、なかには山津波、山崩れ、土砂埋設という記載もあり、昔から被害が多かったものと思われます。

 明治以降になると六甲山山麓に人口が集中し、宅地が拡大したために、大雨により山腹崩壊や土砂流出、河川の氾濫などが起こり、人命、家屋に多くの被害が出ました。

六甲山系災害史

飛鳥時代 日雉3年(652)4月20日 摂津連雨、洪水あり(日本書紀)
奈良時代 和銅2年(709)5月20日 霖雨(続日本書紀)
天平勝宝5年(753)9月5日 大雨、高潮(続日本紀)
平安時代 延暦18年(799)4月9日 山城河内摂津等大洪水あり。西谷山崩れる、
生田神社が山津波をうける(日本後紀)
弘仁8年(817)9月15日 大雨、高潮(大日本史)
承和3年(836)5月18日 朝廷より大輪田泊に派遣せる使者通行あたわず。
湊川の氾濫(続日本後紀)
永延2年(988)8月13日 諸国大洪水(日本紀略、皇年代略記)
承徳元年(1097) 希代の濫雨山津波、崖くずれあり
鎌倉時代 乾 元年(1302)7月8日 畿内大洪水あり(興福寺年代記、皇年代略記)
室町時代 文明(1475)7年8月6日 尼崎・兵庫・須磨・明石間に大洪水(続応仁後記)
永正元年(1504) 慈明寺堂塔一宇も残さず流失
永正14年(1517)6月20日 鳴瀧明神流失(大手勝福寺記録)
天文13年(1544)7月9日 畿内に大洪水(皇年代略記)
弘治3年(1557)8月26日 急雨、国々洪水、西宮、兵庫、須磨ほか、死者の数知れず。
文明以降80年目の大洪水(続応仁後記)
江戸時代 慶長13年(1608)2月 畿内洪水、8月また洪水あり(日本災異志、考亮記)
住吉川大洪水
慶長19年(1614)6月 畿内洪水あり(日本災異志)
寛永14年(1637)6月 兵庫大風雨あり(綱屋新九郎家記)
万治2年(1659)5月22日 大洪水あり寺院土中に埋まる(須磨寺旧記)
延宝2年(1674)4月11日 畿内洪水あり(日本災異志)
延宝4年(1676)5月8日 畿内洪水あり(玉露叢)
宝永3年(1706)6月15日 脇浜海岸波浪により流失す(脇浜村記録)
正徳2年(1712)
7月2日

8月18日

武庫川から生田川まで大洪水(生田川境界争論裁許状
五毛村井出川氾濫、御林18ヵ所山崩れ(五毛村記録)
摂津、大風雨洪水あり(摂陽奇観)
享保13年(1728)7月8日 畿内大風雨洪水あり(風也集)
元文5年(1740)7月29日 生田川大洪水(神戸村留日記)
湊川出水・えびす島(川崎浜)民家流失
寛保2年(1742)6月3日  大風雨(神戸村留日記)
五毛村堤防決壊、山崩れ(五毛村記録)
宝暦4年(1754) 妙法寺川堤防決壊(大手村・須磨村書上)
宝暦6年(1756)5月29日 生田川満水、水防を行う(神戸村留日記)
明和5年(1768)5月27日 畿内洪水(皇年代略記)
脇浜村洪水(脇浜村記録)
安永3年(1774)6月28日  脇浜村に波浪進入(脇浜村記録)
安永8年(1779)7月12日 畿内大風雨洪水、7月23日また洪水(続皇年代略記)
天明2年(1782)5月 住吉川大洪水、流域一帯泥海となり人家多数流失。
水車小屋ことごとく流され、人夫の死傷算しえず。
観音林一帯は河原と化した。
天明5年(1785)8月12日 畿内大雨洪水あり(続王代一覧、日本野史)
寛政3年(1791)4月  波浪脇浜村に侵入(脇浜村記録)
寛政12年(1800)7月25日  湊川出水につき人足500人割当、水防す(兵庫総会所日記)
文化10年(1813) 住吉川氾濫
文化12年(1815)6月下旬 畿内大洪水あり(風也集)
文化13年(1816)8月3日 畿内大洪水あり(泰平年表)
文政3年(1820)5月23日 大雨のため長田天神山名倉池決壊(長田村記録)
文政4年(1821)4月8日 畿内大洪水あり(泰平年表)
天保9年(1838)4月26日 湊川満水、川越人足にて水防(安田惣兵衛文書)
天保14年(1843)5月19日 湊川の出水かつて見ざるほど(広瀬旭荘・日間瑣事備忘)
弘化2年(1845)12月 湊川切所普請する。日雇賃667刄云々(三方立会勘定書)
嘉永元年(1848)8月12日 慶長以来の大洪水
嘉永7年(1854)11月4日 朝辰の刻・古今稀也、大地震高汐打ちかけ云々(瓜屋忠七文書)
安政4年(1857)
7月1日
春より5月22日まで16日間雨続く(西灘村史)
畿内洪水(嘉永明治年間録)
万延元年(1860)7月11日 南風強吹、大時代、浜石垣破損(瓜屋忠七文書)
慶応元年(1865)8月15日 湊川破堤、損傷家屋数百、相生町では7人にほど死亡(西灘村史)
都賀川東大水(西灘村史)
湊川上流の天王谷川波堤。
奥平野、石井、荒田大災害(奥平野村記録)
慶応2年(1866)
7月
8月16日

天王谷川西堤防決壊(奥平野村記録)
大風雨洪水(五毛村記録)
近代 明治元年(1868)11月 天王谷川堤防決壊(神戸市水害誌)
明治3年(1870)9月18日

午後5時、烈風猛雨被害多し(神戸開港30年史)

明治4年(1871)5月18日 暴風大雨、生田川出水、居留地以西一帯浸水、死者不明40人
(神戸開港30年史)
明治6年(1873) 10月2日~3日 大雨、生田川川床破損、堤防決壊(神戸開港30年史)
明治7年(1874)
2月
6月
7月28日

港川堤防決壊(神戸市史)
湊川堤防ふたたび決壊(神戸市史)
7月28日から8月3日まで暴風雨、生田川、港川堤防決壊(神戸市史)
明治10年(1877)5月16日  5月16日~18日まで大雨大出水(神戸市史)
明治29年(1896)
8月
9月上旬

日雨量100mm以上の降雨2回
10日連日大雨300mmを超す。30日石井川、
天王谷川合流点から堤防決壊。現兵庫区、
中央区西部が大洪水、仲町部のみで死者38人、
浸水7,922戸(神戸市史、神戸開港30年史)
明治36年(1903)7月7日~9日 宇治川堤防決壊、死者4人家屋流失27戸(神戸水害誌)
明治38年(1905)8月25日 時間最大雨量73.3mm、20分最大雨量39mm、浸水1万余戸、
死者3人(神戸水害誌)
明治43年(1910)9月6日 6日10時~8日8時の降雨251.8mm大水害(神戸水害誌)
大正元年(1912)9月23日 四国東端から大阪に台風通過。最低気圧956mb、総雨量159.7mm。
阪神、但馬、淡路で死者21人
大正10年(1921)9月25日 9月25日~26日台風通過須磨区、兵庫区、
中央区で土砂崩れなどで死者不明7人
大正13年(1924)9月11日 ~12日 中型台風。死者10人、浸水1,495戸
昭和3年(1928)3月24日 山火事。武庫郡六甲村(現神戸市)570町歩焼失
昭和7年(1932) 7月1日 ~2日 雨量
1日65.4mm、2日91.9mm、浸水家屋1,089戸、堤防決壊3(神戸水害誌)
昭和9年(1934)9月21日 室戸台風
瞬間最大風速33m/sec、総雨量神戸市88mm、1時間で最大雨量26.5mm。
神戸、淡路、但馬で死者281人、全壊1.414戸
昭和10年(1935)
6月28日 ~29日
8月10日 ~11日
8月28日 ~29日

床下浸水1,206戸、山崩れ5ヵ所、石垣崩壊32ヵ所
床上浸水140戸、床下浸水9,500戸
29日雨量143.8mm床上浸水10戸、床下浸水9,000戸、
死者不明18人、堤防決壊2(神戸水害誌)
昭和13年(1938) 7月3日~5日 阪神大水害
雨量 3日49.6mm、4日141.8mm、5日270.4mm(日界22時)、
計461.8mm、 1時間最大雨量60.8mm(5日)死者731人
(うち神戸市616人)、 神戸市の被害住家流失1,410戸、
埋没854戸、倒壊家屋2.213戸、 半壊家屋6,440戸、
床上浸水22.940戸、床下浸水56,712戸
昭和14年(1939)8月1日 1時間最大雨量87.7mm、浸水家屋14,165戸、
死者2人、堤防決壊23
昭和20年(1945)
10月8日 ~11日
阿久根台風
1時間最大雨量49.6mm(9日)
河川決壊破損87、道路決壊破損141、橋粱被害61
昭和21年(1946)6月18日 ~19日 河川決壊破損53、道路決壊破損46、橋粱被害12
昭和25年(1950)
4月16日
9月3日

山火事。神戸市垂水区平野町で山林500町歩焼失
ジェーン台風瞬間最大風速47.6m/sec、
1日~3日総雨量161mm,家屋全半壊1,067戸、流失家屋39戸、
床上浸水587戸、床下浸水2,682戸、堤防決壊44、道路破損70
昭和28年(1953)
6月7日
9月25日

台風2号 浸水家屋673戸、死者4人、堤防決壊37、道路破損30
台風13号 瞬間最大風速40.0m/sec、家屋全半壊689戸、
浸水家屋1,047戸
昭和36年(1961) 6月24日 ~27日 集中豪雨
雨量 24日76.8mm、25日195,2mm、26日127.7mm、
27日72.4mm、 計472.1mm。1時間最大雨量44.7mm(27日)
家屋全半壊388戸、流失家屋11戸、床上浸水2,989戸、
床下浸水16,380戸、死者26人、河川被害973、
道路被害580、橋粱被害62 六甲山系で破壊多数発生
昭和36年(1961)9月16日 第二室戸台風
瞬間最大風速39.2m/sec、14~16日総雨量136.0mm、
家屋全半壊流失2,255戸、床上浸水8,801戸、
床下浸水36,034戸、死者10人、
河川被害1,756、砂防98、道路1,044、橋粱121、緊急砂防12
昭和40年(1965)
9月10日

台風23号
瞬間最大風速48.5m/sec、総雨量118.6mm
家屋全半壊1,765戸、床上浸水2,603戸、床下浸水1,262戸 
海岸低地帯における高波・高潮被害甚大
9月17日 台風24号、瞬間最大風速48.5m/sec、13~17日総雨量336mm、
家屋全半壊176戸、床上浸水102戸
昭和42年(1967)7月9日 雨量 7日10.1mm、8日41.7mm、9日319.4mm、計371.2mm。
1時間最大雨量75.6mm(9日)
家屋全壊流失363戸、家屋半壊361戸、
床上浸水7,819戸、床下浸水29,762戸、死者・行方不明92人(神戸市)
河川決壊67、溢水氾濫74、橋粱流失38、道路崩壊162
平成7年(1995)1月17日 兵庫県南部地震 震度6~7、死者6,349人、
負傷者40,071人、倒壊家屋240,030戸
(被害は県下全域、平成9年1月9日現在)六甲山系の山腹崩壊面積44ha

 

 

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