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兵庫県では、有機農業の取組をより一層拡大し、「経営として成り立つ有機農業」を実践する担い手や地域のリーダーとなり得る人材を育成するため、県立農業大学校に有機農業を体系的に学ぶ有機農業アカデミー(有機農業課程)を令和8年4月に開講します。
<教育棟等イメージ>
学生は、個別に割り当てられた、ほ場(ビニールハウス、露地ほ場)を管理。栽培実習を通じ、有機農業の技術を1年間で習得する、実践的なカリキュラム。(座学3割、実習7割)
区分 | 有機農業専攻 | 時間数 | 割合 | |
---|---|---|---|---|
座学 |
(農産園芸課程との) 共通受講科目 |
野菜栽培各論Ⅰ、野菜栽培各論Ⅱ、農業経営、農業簿記、農薬概論、 農業機械Ⅰ、病害虫Ⅰ(病害)、病害虫Ⅱ(虫害)、環境創造型農業、 鳥獣害対策 |
180時間 | 3割 |
専攻科目 |
有機農業概論、土壌肥料、植物生理、生産工程管理、流通・販売・ マーケティング、先進有機農業者による講義、地域農業現地学習 |
240時間 | ||
実習 | ビニールハウス・露地での栽培実習、先進農家派遣実習 | 1,035時間 | 7割 |
県内の先進有機農家と連携した講義や視察、農家派遣実習により、実践的な栽培技術を習得するとともに、在学中から先進農家や地域との関係づくりを行い、卒業後の円滑な就農や出荷をフォロー
実習の栽培品目は、全員が栽培する共通品目に加え、学生個々が就農後の経営を意識した品目を選択できるオーダーメイド型実習
区分 | ビニールハウス | 露地 |
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共通品目 ※1 |
ほうれんそう・こまつな ミニトマト・きゅうり スイートコーン(緑肥) クロタラリア(緑肥) |
にんじん・だいこん・なす ピーマン・たまねぎ・じゃがいも スイートコーン(緑肥) クロタラリア(緑肥) |
選択品目 ※2 |
しゅんぎく・みずな ちんげんさい・サニーレタス ベビーリーフ(赤アマランサス等) |
ほうれんそう(寒締め)・こまつな・オクラ さつまいも・レタス・サニーレタス モロヘイヤ・空心菜・姫路わかな ベビーリーフ(赤アマランサス等) |
※1共通品目:栽培管理を学ぶため全員が栽培
※2選択品目:学生が個別に選択してオーダーメイド的に栽培
売り先に応じた販売手法や消費者が求めるものなど、実践的な有機農産物の流通・販売等を学ぶために流通事業者等を講師に招聘
有機農業アカデミーの開講に先立ち、本年度、新設ほ場での体験研修を7月23日から実施しています。有機農業に大切な土づくりから野菜の栽培までの5回講座です。
開催日 | 講義 | 実習 |
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7月23日(水曜日) | 有機農業における土壌・肥料の基礎知識 | 土壌調査、緑肥作物のは種 |
8月12日(火曜日) | 太陽熱養生処理の方法 | 緑肥刈取、太陽熱養生処理の実習、にんじんのは種 |
9月17日(水曜日) | 夏秋野菜(だいこん・かぶ)の栽培 | 太陽熱養生処理の効果確認、だいこん・かぶのは種 |
11月5日(水曜日) | 冬野菜の栽培 | かぶの収穫、レタスの定植 |
12月16日(火曜日) | 有機農産物の流通・販売 | だいこん・にんじんの収穫と出荷調整作業 |
有機農業アカデミープレコースの参加者を募集(5月20日から6月30日)したところ、69名からの応募があり、抽選の結果、33名の方に参加いただくこととなりました。
5回シリーズのプレコースは、小坂農業大学校長のあいさつにより開講しました。
第1回目は、有機農業の基本技術である土壌・肥料について、一般財団法人日本土壌協会の松本会長から「有機農業に係る土壌・肥料の基礎知識」についての講義とほ場での「土壌の見方と診断方法」についての実習が行われました。また、土づくりのための緑肥作物「クロタラリア」の播種作業を行いました。参加者の皆さんは、積極的に質問されたり、作業にも熱心に取り組まれました。
第2回目は、丹波市で有機農業を実践されている株式会社丹波たかみ農場代表取締役で兵庫県農業経営士の高見康彦様から太陽熱養生処理についての講義が行われました。悪天候のためほ場の状態が悪く、予定されていた作業の実践は叶いませんでしたが、実際に使用する資材や機械を見学したり、講師が実際に養生処理を行う動画を視聴したりすることで、参加者の皆さんは作業のイメージを掴んでおられました。
県立農業大学校ホームページ 有機農業アカデミープレコース開催(外部サイトへリンク)
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