ここから本文です。
ようこそ知事室へ
【発表項目】
(参考資料)
知事会見を動画で見る(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
令和7年度当初予算(案)の説明をします。
2月18日に開会の第370回定例会兵庫県議会に上程する予算案について、とりまとめましたので、説明をします。
早速、中身の説明に入りたいと思っています。
まず、当初予算の規模ですが、一般会計は、2兆3582億円、昨年度より192億円の増加となっています。
特別会計も、前年度より1598億円の増、公営企業会計も、昨年度より342億円の増となります。
合計では、4兆5150億円で、昨年より2000億円以上の増加になっています。
続いて、歳入の概要ですが、ポイントとしては、県税等が過去最高になっているところです。
9982億円になっていまして、昨年から8.9%の増になります。
個人関係税の増加、好調な企業業績に伴う法人関係税などの増加が要因となっています。
地方交付税は、それの反対として減少しているということです。
ポイントとしては、臨時財政対策債が、平成13年度の制度創設以来、初めて新規発行額がゼロになります。
その他、国庫支出金や県債についても、それぞれ事業費の増などに伴いまして増加や減少となっています。
続いて、歳出の特徴ですが、4ページになります。
人件費が4630億円で、対前年比で0.4%の増加となっています。
これは、給与改定による増などが要因になります。
それから、行政関係経費は1兆1066億円で、昨年より約7%減少しています。
これは、社会保障関係経費の自然増などがありますが、一方で、新型コロナ対策資金の償還進捗等による中小企業制度貸付金の減が要因となっています。
投資的経費についても、事業進捗による増加がポイントになります。
また、公債費は2777億円で、前年度から2.7%の増加になります。
5ページは、参考になりますが、財政フレームについてです。
税収の改善や経済成長率の上昇が見込まれる中で、令和10年度までの収支不足額は、昨年度の215億円から160億円に改善する見込みになっています。
これは、税収の改善などが大きな影響として出ているということですが、引き続き、震災関連の借金の返済や行革関連の対応、社会保障関係費の増加など、収支不足が発生する見込みであり、財政状況が厳しい中でやっていくことになります。
そのような中で、将来世代に課題を積み残すことのないように、分収造林事業や地域整備事業会計に関する多額の債務処理について、抜本的な見直しに着手をします。
この債務処理に関して、一時的に県債管理基金を財源として活用しますが、財政指標への影響も踏まえ、行政改革推進債などを活用し、積極的な積み戻しも実施していきます。
震災に起因する県債管理基金の積立不足の解消など、まだ課題はありますが、選択と集中による事業の見直しや公民連携による事業実施手法を積極的に活用するなど、より効果的・効率的な財政運営を行い、今後の収支不足に対して、対応していきたいと考えています。
県庁舎の建替えに関する新庁舎整備費用は、現時点で総事業費などが不明なため、財政フレームにはまだ反映させていませんが、今後、基本構想などがとりまとめられた時点で、財政フレームに反映していくことを予定しています。
6ページは、県政改革推進のための4つのポイントになります。
後程、県政改革方針の改正(案)の内容についても説明しますが、その中でも4つのポイントとして、取組みを説明します。
1つ目は、県立大学授業料等無償化基金(仮称)の創設です。
県内在住者の方の、県立大学の授業料等無償化のために、事業費を安定的に確保するために、今回、50億円の基金を創設することを予定しています。
2つ目は、県債管理基金の積み戻しです。
分収造林事業や地域整備事業の抜本的な債務処理に当たり、一時的に同基金を活用するので、財政指標の改善を図るため、計画的に積み戻しを実施します。
3つ目は、ひょうご農林機構の債務整理の実施です。
ひょうご農林機構の分収造林事業における日本政策金融公庫からの借入を解消していくものになります。
4つ目は、企業庁進度調整地の県有環境林として取得していくことを予定しています。
7ページは、令和7年度予算編成の重点になります。
阪神・淡路大震災から30年になります。
また、大阪・関西万博の開催、神戸空港の国際化など、時代の大きな転換点を今迎えています。
今こそ、創造的復興の経験と教訓を生かして、どこよりも安全安心で、夢と活力の溢れる、新たな躍動が広がる兵庫の実現を目指していきたいと考えています。
そのために、令和7年度は、4つの柱で予算を編成しました。
1つ目は、安全安心を確かなものとし、一人一人が尊重される、「誰も取り残さない安全安心な兵庫」です。
2つ目は、若者が夢や希望に向かって挑戦できる、「若者が輝く兵庫」です。
3つ目は、時代の転換点にあって、新たな時代を創る力を生み出す、「活力がわきあがる兵庫」です。
4つ目は、こうした取組みを推進するため、足腰の強い行財政基盤をつくる、「県政運営基盤の構築」です。
「新たな躍動が広がる兵庫次のステージへ」ということで、その第一歩を県民の皆さんとともに力強く踏み出していく年にしたいと考えています。
このタイミングになりますが、来年度予算の内容を一言で表すと「新たな躍動づくり予算」になります。
趣旨としては、斎藤県政2期目になりまして、新たな躍動をつくり出していくことが大事だということです。
阪神・淡路大震災から30年という節目の中で、県民生活の安全・安心に向けた防災対策や特殊詐欺被害対策、子どもたちが安心して学校に通えるような対応をしていくとともに、若者・Z世代の応援をしっかりやっていく、県立大学の授業料等無償化をはじめとする、各施策もしっかりやっていくものです。
また、大阪・関西万博も4月からですので、ひょうごフィールドパビリオンを万博まで、そして、万博期間中、万博後もレガシーとしてしっかり残していくための取組みもスタートしていくことが大事です。
そのベースとなるような県政改革の推進ということで、これまでの残された課題などについてしっかり抜本的な処理に着手をしていくことで、「新たな躍動づくり予算」を、来年度の予算を一言で表す場合のフレーズとさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
8ページからは、それぞれの柱のポイントを説明します。
1つ目は、「誰も取り残さない安全安心な兵庫」ということで、防災・減災対策の推進です。
まず、阪神・淡路大震災から30年という節目になります。
9月20日に、創造的復興サミットを開催します。
そして、もう一つが、「能登半島地震を踏まえたひょうご災害対策検討会」の意見を踏まえまして、防災対策を総合的に推進していきます。
ポイントとしては、初動対応ということで、低軌道衛星通信(スターリンク)を県や県内の災害拠点病院でモデル的に導入していくことを進めていきます。
また、トイレカーの整備も進めていきます。
9ページは、医療・救急体制の充実です。
#7119を全県で展開していきます。
これは、市や町と連携しまして、市町の救急体制については、非常に逼迫している状況がありますので、救急車を呼ぶ前に、#7119に電話をしていただくことで、救急の逼迫を少しでも緩和していく取組みを全県的に展開していきます。
そして、看護補助者の確保のために、マッチボックスを利用した人材の掘り起こしを行います。
そして、感染症対策ということで、神戸大学と連携をしまして、感染症専門家を配置した、兵庫県感染症対策センター(仮称)を県立健康科学研究所に設置をして、今後、コロナ後の新たな感染症にも備えていくことをしっかりやっていきます。
続いて、犯罪への対応として、まず、特殊詐欺被害への対応です。
被害状況が過去最高を引き続き更新している状況になります。
体験型の講習会を実施するとともに、高齢者の方向けに、外付け自動録音機の配付をしていきます。
また、住まいの耐震化ということで、耐震シェルターの設置を、特に耐震化促進地域を中心に、重点的に助成をしていきます。
11ページは、SNS誹謗中傷対策ということで、来年度は条例制定に向けた議論を、今、行っています。
SNS利用のリテラシー向上等のために、普及啓発キャンペーンをやっていくものです。
被害者救済体制の強化として、情報開示の請求方法などの助言を行う弁護士の相談窓口の開設日を拡充すべく、弁護士会と調整をしています。
他にも、客引き行為の防止をしっかりやっていく、さらには感染症対策ということで、帯状疱疹ワクチンの接種補助について、令和7年度に限って実施をしていきます。
12ページは、課題を抱える子ども・若者が安心して学業などに取り組める環境づくりになります。
まずは、校内サポートルームの支援体制を強化していきます。
昨年までは、中学校においては、各校1人、それから小学校は4校に1人でしたが、市や町からの要望も強いので、小学校については、まずは4校に1人から2校に1人に拡充をしていきたいと考えています。
次に、フリースクールなどの民間施設に通う不登校児童生徒の家庭に対しまして、授業料を支援していくことも、新たにスタートをします。
ひきこもり対策も相談窓口や相談体制の強化をしっかりとやっていくものです。
次に、ケアリーバー支援についてです。
特に、来年度の予算のポイントとしては、大学進学率向上を図るために、現在一般的には6割近くの大学進学率ですが、児童養護施設に入所している子どもたちは、28%ということで、乖離があります。
ケアリーバー支援の一環として、就職のみならず、大学進学についての選択の支援もしていきたいと考えています。
奨学金については、民間の団体などが支援していますが、県としてやるべきことの1つとして、イメージを作っていただくことが大事ですので、大学進学支援セミナーを、今回、新たに開催していきたいと思います。
特に、先輩の話とともに、予備校の先生などに話を聞いていただいて、例えば塾に行く場合のイメージを作っていただくと。
志望先の選択の仕方や具体的な勉強の仕方、受験に関する情報や準備の提供をしていくことをやっていきたいと考えています。
14ページは、県土の強靱化ということで、南海トラフ地震や頻発する風水害に備え、県土の強靱化に対する取組みをしていきます。
津波対策や河川改修などの対応をしっかりやっていくものです。
15ページは、「学びやすい兵庫」の実現ということで、県立大学の授業料等無償化をさらに1歩進めていくものです。
兵庫の若者が学費の負担なく希望する教育を受けることができる環境整備に向けて、県が設置している県立2大学において、県内在住者の入学金及び授業料を段階的に無償化にしていきたいと考えています。
令和8年度の事業完成に向け、次年度は、学部生2年生から4年生、大学院全学年までの無償化を進めていくことを予定しています。
これを安定的に進めていくために、県議会からの意見も受けまして、基金を新たに創設することを想定しています。
2月補正予算に50億円を計上する予定です。
16ページは、私立高校等への支援ということで、授業料軽減の補助を拡充していくものです。
17ページは、次代を担う人材の育成ということで、県立高校のプロジェクトを充実していきたいということになります。
1つ目が、地域資源を活用して、生徒自身がふるさとについて学び、考え、発信する、「県立高校ふるさと共創プロジェクト」というものを実施していきたいと考えています。
各地域、各市や町において、それぞれの地元で、しっかりと高校生に地元の学びをしていただきたいという趣旨です。
また、HYOGOグローバルリーダー育成プロジェクトということで、2年目になりますが、「HYOGO海外武者修行応援プロジェクト」を実施します。
昨年は、10名からスタートしましたが、応募は100名以上になりました。
大変意欲のある高校生が多いということですので、来年度は10名から20名に増やしていきたいと思います。
18ページは、教育環境の充実になります。
引き続き、ひょうごの未来を担う高校生等の部活動等応援として、グラウンドの芝生化のモデル事業についても来年度は、伊丹北高校を予定しています。
また、県立学校の環境充実ということで、全ての県立学校に生徒用個人ロッカーを配備していくことを今回やっていきたいと考えています。
具体的には、2月補正で計上する予定ですが、県立高校の学生さんからの個人用ロッカーの要望は、大変強いというものになります。
それが今ない学校においては、机の横に荷物を置いているということがあり、そういったことがあれば、地震などが起こった時の安全対策として、すぐに避難ができないような状況もあるのではないか、また、生徒の学びの環境充実のために、個人用ロッカーを全ての県立高校と特別支援学校に配備をしていくということをしっかりやっていきます。
また、体育館や講堂などに無線LANを整備していくことなども実施していきます。
特別支援学校は、但馬地域や東播磨地域について、それぞれ新設さらには狭隘化対策をしっかりやっていきます。
19ページは、「子どもを産み育てやすい兵庫」の実現として、不妊治療支援の強化を行います。
経済的負担軽減策として、引き続き、不妊治療における保険適用外の先進医療費の助成を実施します。
対象医療機関については、原則、県内としていましたが、例えば、大阪などに通勤をされている方が、大阪圏内のクリニックに通うケースもありますので、そういった県民の皆さんのご意見も踏まえまして、隣接府県のクリニックにも対象を拡大していきたいと考えていきます。
そういった支援以外にも、仕事の両立であったりとか、不妊治療の普及啓発「プレコンセプションケアの推進」などの取組みを中長期的にやっていくために、不妊治療の支援の条例制定を目指していきます。
20ページは、特定妊婦等に対する支援ということで、これも引き続き、経済的に困窮されている妊産婦の方等への支援を引き続きやっていき、産後ケアの充実をやっていきます。
産後ケア事業、これは市や町が実施するものですが、県が契約条件を統一しまして、まとめて契約する「集合契約」というものを新たに開始することで、市や町を跨いだ利用が可能になるということで、産後ケアが受けやすいような、そういった体制づくりをしっかりやっていきます。
21ページは、学び場と遊び場を充実していくプロジェクトです。
高校生・受験生実習室プロジェクトということで、勉強をしっかりやっていただくことも大事ですが、自習室が足らないという声も非常に強いです。
公民連携の枠組みを活用しまして、自習室の設置を呼びかけていきます。
県庁舎でもすでにスタートしていますが、県庁以外にも市や町、大学、企業への連携を呼びかけまして、1000席の実習室の席を用意していきます。
次に、子供の遊び場充実プロジェクトということで、県立の公園を中心に、子供たちから人気のある遊具、具体的にはふわふわドームなどの整備をしていきたいと考えています。
また、熱中症リスクが高まっていますので、子どもを見守っていく親御さんからのニーズが高い日よけやベンチを遊具周りに整備をしていくことをやっていきたいと考えています。
22ページは、保育所等の支援充実ということで、増加する食物アレルギーのある児童への対応を、民間保育所などと連携してやっていくというものになります。
23ページは、「住みやすい兵庫」の実現ということで、引き続き県営住宅の子育て世帯向けの優先入居枠の確保を行っていきます。
また、県営住宅の中に、子どもが遊びやすい広場というものをモデルで整備していくこと、そして、民間住宅への入居促進もしっかりやっていくものになります。
24ページは、「働きやすい兵庫」の実現です。
外国人材の就職・定着促進への対応ということで、今回、新たに「外国人雇用に関する企業認定制度」を創設していきます。
県内各地でも、ものづくり企業を中心に、外国人材が不可欠な状況になっています。
そういった方々が県内企業で安心して仕事をしていただくためにも、こういった認証制度を創設していくことによって、安心して働ける環境のみならず、キャリアアップに向けた働き場だということを、しっかり県が認証していくという制度を実現していきます。
それとともに、多文化共生に向けて、外国人の方が地域に住まれるということで、いろんな課題も出てきていますので、それを市や町と連携しながら、対応していく検討会も設置していくものになります。
それ以外にも、理工系デジタル人材、それから県内学生が、県内の企業に就職していただくための対策をやっていくというものを強化していきます。
25ページは、「活力がわきあがる兵庫」ということで、大阪・関西万博への対応という形になります。
いよいよ、4月13日に大阪・関西万博が開幕します。
我々としては、ひょうごフィールドパビリオンを展開してきましたので、ここをしっかり誘客に向けた戦略的なプロモーション、万博後も見据えた取組みの磨き上げなどもしていくものです。
すでに260のプログラムを認定させていただいていますので、さらにこれを万博後にもつなげていくことが大事です。
そして、万博会場での「兵庫県ゾーン」や県立美術館での「ひょうごEXPO TERMINAL」など会場内外での取組み、イベントやテーマウィークなどを充実させていきます。
26ページは、尼崎フェニックス事業用地における万博パークアンドライド駐車場の隣接地で、「ひょうご楽市楽座」を開催します。
万博を見据えフェニックス埠頭に、1日に数千台が駐車するパークアンドライドの駐車場が整備されてきていますが、その横で「楽市楽座」、具体的にはナイトマーケットを開催し、土日を中心に県産品や県の㏚をしていくというものをやっていきたいと考えています。
その他、テーマウィークであったりとか、市町との連携プロジェクト、子ども招待プロジェクトについても、対応していくものになります。
27ページは、スポーツ・芸術文化の振興です。
HYOGOスポーツコミッション(仮称)の設立に向けたあり方を検討していくものです。
阪神タイガースやヴィッセル神戸など、県内のプロスポーツ含めた、いろんなオリンピック選手もそうですが、大変ご活躍をいただいています。
そういった取組みをしっかり県内の地域の活性化につなげていくことで、HYOGOスポーツコミッション(仮称)を検討していきたいと考えています。
また、芸術文化に関しては、芸術文化センターが開館20周年になりますので、そういった公演をやっていく、ひょうごプレミアム芸術デーも引き続きやっていくことを予定しています。
28ページは、次世代産業の創出ということで、スタートアップの支援です。
特に兵庫県で働いていただけるような環境をつくっていくために、それぞれのステージに応じたスタートアップの支援をしっかりやっていくために、ひょうごTECHイノベーションプロジェクトを進め、社会課題解決型のスタートアップの応援も引き続き継続してやっていきたいと考えています。
29ページは、次世代を見据えた産業育成ということで、航空・宇宙産業への支援、中小企業へのDXの対応、地場産業の応援も、しっかりやっていきます。
特にSDGsの取組みの推進というものを、県内の中小企業・地場産業に引き続き力を入れていきたいと考えています。
30ページは、地域活力の創出ということで、それぞれ地域創生戦略に基づいた取組みを、多自然地域などを中心にやっていくものです。
31ページは、持続可能な農林水産業の実現というものになります。
特に、農村RMOということで、農地保全や農村の地域コミュニティーを持続的に実践する地域団体の取組みを支援していきたいと考えています。
32ページは、有機農業の取組みの拡大ということで、「有機農業アカデミー(仮称)」を県立農業大学校に新たに開設することを予定していますので、そのハード・ソフトの支援をやっていきます。
有機農業の出口対策として、理解醸成を図るとともに、子どもたちに県産品の学校給食での供給拡大を支援していくということです。
それから、新たな流通出荷モデルの構築を支援して、有機農業や環境にやさしい農産物の県内での普及促進をやっていきたいと考えています。
33ページは、循環型社会の推進ということになります。
水素社会に向けた水素ステーションの整備、さらには、ペロブスカイト太陽電池を活用し、農業に導入していくための実証を、都道府県としては初めてとなりますが、やっていきたいと考えています。
34ページは、被害が深刻化している鳥獣被害への対策ということで、クマの出没も増えてきていますので、そういったツキノワグマ対策も実施していきたいと考えています。
35ページは、空き家・古民家の利用促進ということで、エリアマネジメントによる空き家促進です。
空き家をしっかり掘り起こしていただいて、利活用していく、空き家を新たにリノベーションなどして、稼げる状態にしていく取組みをしっかりやっていきたいと考えています。
36ページは、高規格道路ネットワークということで、播磨臨海地域道路をはじめとする高規格道路ネットワークの整備について、着実に進めていきたいと考えています。
37ページは、地域交通ということで、バス路線などの補助もやっていくというものです。
38ページは、県庁舎の再整備というものになります。
新庁舎の整備などについては、基本構想そして基本計画の策定、さらには3号館、生田庁舎などの既存庁舎の改修工事に取り組んでいきます。
暫定的な移転に向けた民間オフィスの選定、契約なども進めていくものです。
39ページは、ファンドレイジングの推進ということで、ふるさと納税です。
兵庫県は、大変好調になっていまして、来年の獲得目標額ふるさと納税などのファンドレイジングを活用して32億円の寄附の獲得を目指していきたいと考えています。
以上が当初予算(案)の概要についてのご説明です。
続いて、県政改革方針(案)を説明させていただきたいと思います。
地域整備事業や分収造林事業など、これまで行財政改革で結論を得ることが出来ていなかった課題等について、県政改革調査特別委員会での議論も踏まえまして、改革の方向性が策定したことから、方針を変えていきたいと考えています。
2ページがポイントになりますが、将来世代に課題を先送りすることなく未来志向で解決に取り組む姿勢を新たに明記していきます。
財政フレームについては、先ほど説明したとおり、令和10年度までの収支不足は前年度から55億円改善しました。
そういった形で対応していきたいと考えています。
3ページは、地域整備事業についての取組みです。
令和20年度を目途に会計の収束を目指して、それぞれのプロジェクトについて、地元との丁寧な調整を行いながらやっていくということ。
そして、分収造林事業については、新たな森林管理スキームということで、公益性、公益的機能を維持していくための対応をやっていくものになります。
4ページは、公社のあり方については必要に応じてしっかり役割分担を踏まえながらやっていくものになります。
県庁舎整備については、先ほど説明したとおり、機能的でコンパクトな新庁舎整備の基本計画づくりなどしていくものです。
5ページの県立大学の授業料等無償化については、成果指標の設定や効果の検証を行い、5年ごとを目途に事業評価を実施していくこと。
そして、先ほど説明しましたとおり、基金を創設していくものになります。
最後に、収支の改善を踏まえながら、そして優秀な人材確保の観点から、一般職の管理職手当の減額措置、これは平成12年から実施しているものですが、部長級で12%のカットを来年度から解消していくことを予定しています。
以上で当初予算(案)そして県政改革方針(案)の説明を終わります。
私からは以上です。
朝日新聞:
新年度予算について、多くの重点施策をご説明いただきました。
中でも、特に知事が重点を置かれている、いわゆる目玉施策とそこにかける知事の思いとともに教えてください。
知事:
1点目としては、県立大学の授業料無償化に向けて対応を進めていくことになります。
これについては、いろいろな議論がありますが、県政改革特別委員会での意見なども踏まえて、事業評価や基金の創設というものもやらせていただきますが、国の議論を先鞭する形で、大学の無償化、高等教育の負担軽減を、兵庫県としてやっていきたいという思いで進めていきたいと考えています。
それから、阪神・淡路大震災30年ということで、創造的復興サミットや能登半島地震を踏まえた対応など、災害に強い兵庫県づくりをしっかりやっていくものです。
子どもたちの学校環境、教育環境の改善でいいますと、県立高校への投資をしっかりやっていきます。
県立学校、特別支援学校も含めたところで、補正予算になりますが、個人用ロッカーを全校に整備していくことは、生徒のニーズも強いものですし、生徒の目線にとって大事な設備投資になりますので、それもしっかりやっていくということです。
また、不登校対策として、不登校児童生徒支援員の配置を増やしていくことと、民間のフリースクールへの授業料の補助、これは市や町と連携してやっていくものですが、そういった取り組みも大事なポイントです。
最後になりますが、大阪・関西万博に向けて、ひょうごフィールドパビリオンをはじめとする取り組みを、4月から始まる万博に向けて、万博が終わった後にもつなげていきたいと考えています。
朝日新聞:
今、大阪・関西万博のお話があり、たしかに万博関連の予算がかなり充実している印象を受けましたが、県民にどういったことを還元していきたいかをお願いします。
知事:
大阪・関西万博ですから、関西の自治体、関西に住んでおられる住民の皆さん、兵庫県に住んでおられる県民の皆さんにも、万博のことに関心をより持っていただいて、会場に行ったり、いろいろな形で参画していただくことが大事だと思っていますので、そのためにも兵庫県として万博会場におけるパビリオンの設置を含めまして、県立美術館でのひょうごEXPO TERMINALであったり、一番大きな取り組みとしては、ひょうごフィールドパビリオンということで、そういった取り組みです。
楽市楽座もフェニックス事業用地で開催しますが、そういったところもしっかりやっていくことによって、ぜひ県民の皆さんに、万博を会場だけじゃなくて兵庫県においても、子どもたちも含めて知っていただき、未来社会に向けて一緒になって体験したり考えていただくことが、未来に向けた投資にもなると思いますので、そこは県民の皆さんにもご理解と、積極的な参画をしていただきたいと思っています。
朝日新聞:
例えば、観光誘客による経済効果を期待できるというところは、狙いとしてあるのでしょうか。
知事:
特にひょうごフィールドパビリオンはこれまでの観光コンテンツとは違う切り口での体験型のコンテンツになります。
今回、300近くのプログラムが新たにそういった意味ではできましたので、今後、神戸空港の国際化など、そういった意味で踏まえると、いろいろなインバウンドも含めた、国内外からの観光客や交流人口の拡大、これに万博をきっかけに、より多くの方に兵庫県に来ていただけるような、それは観光産業にとっても、大事なポイントになりますし、あとは農林水産業や地場産業など、そういった地域にも経済効果が万博後も波及できるようにしていきたいと考えています。
朝日新聞:
県政改革案にも関わることですが、分収造林事業、地域整備事業、2つの債務処理に10年単位の時間が必要になるようなものがあるということで、今後も厳しい財政状況が続くということですが、一定進め方の方向性が決まったということで、この進め方について知事の評価と思いをお願いできますでしょうか。
知事:
県政改革方針の中で、今回、特に大きなポイントとして、地域整備事業、分収造林事業の大きな債務の処理の方向性が固まったということです。
これは過去からの県政の中でいろいろな事情があって、地域整備事業についてもバブル期前後からやってきたものです。
分収造林事業についても、森林における木材の需要確保ということでやってきた意義は、かつてはあったとは思いますけれども、今の時期になってみますと、一方で社会的、経済的に、事業としてなかなか成り立たない面、厳しい面が出てきていますので、これをそのままにしておくと、さらに債務が対応できなくなってくるということですから、この段階で一定の方向性を示したことは、将来に課題を先送りしないことで一定進めることができたことは大きなポイントだと思っています。
朝日新聞:
部局と予算査定をする中で、先ほども選択と集中というお話もあったと思いますが、さらに知事がこれは拡充してもらいたい、もしくはこれは廃止した方が良いという指示をされたものがありますか。
もしあれば、主な部分についてどういったことがあったのかと理由についても教えていただければと思います。
知事:
今回、大事なポイントは県政改革方針の中で議論が大きかった大学の無償化、2つの地域整備、森林関係の事業です。
ここが大きな1つのポイントであったので、そこはしっかり改革方針を定めていくことが、県政改革として大事なポイントだと考えていました。
それから、県立学校への積極的な投資が大事だと思っていますので、引き続き、環境整備ということで、グラウンドの芝生化であったり、個人用ロッカーを全県立学校に整備していくということです。
また、グローバル人材の育成ということで、SSH、これは全国でトップクラスの指定になりますが、それとともに留学の支援ということで、20名が海外に挑戦していただけることをやっていきたいです。
不登校の対策で、不登校児童生徒支援員の拡充をやっていくことで、行財政改革をやりつつも、教育、子育てへの投資をしっかりやっていくことが大事だということを、議論の中で特に強調させていただきました。
朝日新聞:
最後に、知事は昨年失職され50日間不在の期間があったかと思いますが、この不在の期間というのは予算編成に影響したのでしょうか。
知事:
失職する前に、夏の時点で来年度予算に関する重要施策のものについては一定議論をしていたという面もあります。
それから、私が不在の間も、服部副知事含めて多くの県職員が来年度予算に向けた議論をしっかり準備していただいていました。
それは、これまでの方向性を踏まえてやっていたものですので、そういった意味では感謝を申し上げたいと思います。
その結果として、今日、発表させていただきましたので、そういった予算編成についてはしっかりと対応準備、そして編成ができたと考えています。
共同通信:
2月補正の事業になりますが、SNSの対策強化を盛り込まれていると思います。
昨年の知事選を経て、ネット上では根拠のない情報等が出回り誹謗中傷を受けて元県議の方が亡くなる事態にもなりました。
このタイミングで、この補正に、強化策を打ち出すに至った知事の思いであったり、理由をお聞かせください。
知事:
SNSにおける誹謗中傷等というものは、以前より申し上げているとおり、SNSを利用する方にはそうして欲しくない、使い方としては良くないので、やめていただきたいということをメッセージとしてもしっかり伝えていくことが大事だと思います。
一方で、それでも全てなくなるというわけではないということも十分ありえますので、それは条例の制定をこれから議論していきます。
これも個人間のやりとりなどを難しい課題もあると思いますので、国の法改正やガイドラインなどを踏まえていくことが大事だと思います。
一方で、県としてできることとして、やはり今回の予算の中で掲げさせていただいているとおり、助言体制の拡充、弁護士の相談窓口を休日も含めて、やっていただけるような体制の強化、それから県民の皆さんに普及啓発をしていくことが大事だと思いますので、これはこれまでもやっている面もありますが、県内のデジタルサイネージや、SNS、さらにはプロスポーツ選手などに協力いただいて、SNSについての正しい適切な使い方というものをやっぱりみんなでやっていきましょうということのキャンペーンをしっかりやっていくことが大事だと思いましたので、今回の補正予算で計上させていただくことにしました。
共同通信:
今のお話にも出た条例の話ですが、来年度中にも議会に提出できたらということになっていると思いますが時期の目途であったり、スケジュール感というのが分かっていれば、お伺いしたいのと内容について知事の現在考えているイメージがあればお伺いできますか。
知事:
内容については、昨年7月から弁護士と学識者による有識者の検討会で、今、専門的に議論していただいていますので、これは国の法改正の状況も踏まえて、どういったことが県として現実的にできるのかというところを引き続き、内容を固めていっていただきたいと思っています。
目途としては令和7年度中ということになりますので、早ければおそらく6月議会とかそういったあたりになると思っています。
読売新聞:
政策については、県立大の授業料無償化や不妊治療支援、不登校プロジェクトなど前回の拡充というのがかなり目立ったと思いますが、これは選挙で知事が訴えられてきた中での反応、政策の反応が良かったものについて、どんどん拡充していきたいと知事の思いが入っているんでしょうか。
知事:
反応が良かったというよりも、もともと若い世代への応援施策は、しっかりやっていきたいというのが、選挙前から、令和6年度の予算からの私の大きな方向でしたので、それを2期目という形で再選させていただいたので、それより充実させていただきたいという私の思いです。
県立高校で言いますと、予算は増やしているものの、もともとは全国の決算ベースでたしか46位だったと思いますけれども、まだまだ十分でないところもありますし、グラウンド芝生化とかの時に生徒さんから、例えばテニスコートのネットがボロボロのままであったりとか、個人用のロッカーとかについても、ニーズが強いという声も聞きますので、生徒の目線でたった予算充実をしっかりやっていき、生徒が日常の学校生活の中で快適に少しでも過ごしやすいように、勉強とかスポーツがしやすいような環境を作っていきたいという思いも強かったので、そういった意味で個人用のロッカーを全校配備とか、そこは力を入れさせていただきたいと思っています。
読売新聞:
知事が、今後、新たな躍動ということで、どういった予算を作っていきたいか、新たな展開を期待される県民の方も大勢いらっしゃると思うんですけれども、どういう方向性で、次その次と持っていきたいか、お考えがありますか。
知事:
この3年間の取り組みを今回の選挙戦においても多くの方が、選挙をきっかけに、知っていただいたり、それまでからご存じだった方もおられたと思いますけれども、政策の継続というものも大事なポイントだと思っていますし、特に先ほど申し上げたとおり、若い世代への投資は非常に多くの県民の皆さんからのご期待もいただきました。
一方で高齢者の方の医療・福祉・介護も大事だという声もいただきました。
こういうところも、県立病院などを中心にしっかりやっていくことをやりつつ、将来に向けた投資で一番大きな教育というものは大事なポイントだと思いますので、少子化の時代だからこそ、人数が少なくなっている子供たちが、より良い可能性を広げていただけるために、教育環境をハード・ソフト含め、充実させていただくことが、これからしっかり取り組んでいきたい内容であります。
毎日新聞:
県政改革方針の中で、収支不足について160億円が見込まれているということなんですが、変更案の中で新庁舎整備をした時の影響が、仮定の粗い試算を出しているということなんですが、実際に収支の悪化影響は、起債充当残分で125億円から250億円程度、起債償還分で18億から35億円これは年額ということなんですが、収支不足にどのぐらい影響があるのか教えてください。
知事:
現時点で収支不足のフレームには、そこは反映していません。
今後、具体的な事業費などが固まってきたら、反映するということになると思います。
もうちょっと補足あれば、財務部から説明します。
財務部:
起債の充当残とか公債費の償還が始まれば、そこに書いてあるような数字の分だけは収支が悪化する可能性はあると考えております。
しかし、現在改革の年限を令和10年度までとしておりますので10年度まではその影響は出ないんですけれども、11年度以降、整備費が明らかになってきた段階でもう少し収支が悪化する要因にはなるとは考えています。
現時点では数字が分からないので、入れていませんが、一定の幅を持って記載をさせていただいたというような状況です。
毎日新聞:
細かい点申し訳ないんですが、この年額の起債償還も18億から35億円程度というのは、収支不足の令和11年度以降は40億とか50億とかありますが、さらにこの上、年額そのぐらい乗ってくるという予想ということでいいですか。
財務部:
現時点ではその予想です。
神戸新聞:
先ほどロッカー整備の話が出ていると思います。
先日、教育委員会の方のレクでもこの経緯について、知事のところにニーズが届いているということで今回の編成がされたとお伺いしています。
可能な範囲で、具体的にいつごろどのような声や内容があったのか教えていただいてよろしいでしょうか。
知事:
ニーズを感じたのは、部活動応援プロジェクトが始まった昨年度から、学校あたりに生徒のニーズなどによって配分する、部活動の道具とか生徒会などを中心に話し合って、使い道を決めるというプロジェクトをスタートしています。
そこの使い道を見さしていただいた時に、もちろん部活動の道具とかに使うというところもあれば、いくつかの学校が個人用のロッカーを導入していくというふうに使っているというのを見まして、それを学校現場とかを行かしていただいた時に、個人用ロッカーのニーズというものが、生徒からの声が強いということを伺ったということが一番大きなきっかけです。
神戸新聞:
学校現場でそういうニーズがあるのがいつごろ知事は知りましたか。
知事:
選挙の前に学校に行かしていただいた時に、たしか学校での使い道として個人用ロッカーに使っているところが結構ありましたのでニーズが強い。
逆に言うとそこは設備投資がされてないことを知って、そのニーズが強いんだと思いました。
神戸新聞:
今回、知事のもとに最初の予算の案として出てきた時には、多分個人用ロッカーが入ってなかったと思うんですけれども、その時の受け止めとおそらく知事の方から、編成するような指示を出されたと思いますが、どのように県教委サイドへ指示を出されたのか、可能なところで教えてください。
知事:
選挙が終わった後の最初の財務部との打ち合わせの中で、来年度の予算編成の方針をディスカッションしていく中で県立学校への個人ロッカーというものをぜひ検討して欲しいということを私から検討お願いしまして、財務部と教育委員会の方で協議をしていただいて、最終的にいくということになって、予算案として上がってきたというのがプロセスです。
神戸新聞:
財務部との検討というのはいつ頃のことですか。
知事:
選挙の後、最初に打ち合わせした頃だと思います。
NHK:
先ほどの収支不足というのが出たのでお伺いします。
資料が出ている財政フレームの中で、令和10年で財政収支見通しを見ると、収支不足が見込まれるというのがあって、依然として厳しい財政状況ということが書かれてあります。
知事ご本人としてどう受け止めて、今後取り組んでいくかお伺いします。
知事:
令和10年までの収支不足について、これまでの収支不足額が215億円だったものが160億円に50億円ほど改善したことは、プラスの面だと思っています。
それはありつつも、一方で、ご指摘のとおり160億円という収支不足があるということは、まだ財政状況が厳しいあらわれですから、これは阪神・淡路大震災からの復興に関する借金の返済が、まだまだ続いている状況と、社会保障の経費が増えてきていることが原因の1つとしてあると思います。
税収の改善がこれからも一定程度、好循環として続いていくことを、ぜひ、期待しつつ、我々としては、できる限りの行財政改革もしっかりやっていかなければならないと考えています。
県政改革方針の中で位置付けられている、行財政改革もしっかりやりながら、歳出の不断の見直しというかそういったところも、引き続き、きちっとやっていき、財源を生み出して新たな投資につなげていくことを、これからもしっかりやっていくことが重要だと思っています。
産経新聞:
個別事業についてお伺いします。
不妊治療の経済的負担の軽減の部分で県内に加えて、隣接府県にも助成対象を拡大されたと思いますがこの経緯についてもう少し詳しくお伺いできますか。
知事:
19ページに資料を掲げさせていただいております。
不妊治療の体外受精含めた、保険適用外の治療費の助成については今年度からスタートさせていただいています。
我々、最初想定していたのが、例えば、淡路島とか但馬地域、丹波地域から神戸市内の三宮とかのクリニックに通えるという方の声を結構聞いていましたので、それを想定していたんですけれども、制度をスタートしていくと、おそらく神戸・阪神間の方などだと思いますけれど、大阪とかに勤務されている方が、勤務が終わった後、例えば、勤務先の近くのクリニックに通われているというケースも結構あるという声をいただきました。
それぞれの県民の皆さんの勤務とかそういった生活の状況に応じて、クリニックを選択できることが大事だと思いましたので、対象を近隣府県まで拡大することにさせていただきました。
産経新聞:
県立大の県外生の支援で、入学金を国立大学並みに引き下げということで、大学院生は、令和7年度から始めるということですけれどもこちらについてはどういった経緯があって始められるのか教えてください。
知事:
授業料の無償化施策については、基本的に県内の高校を卒業した方などを中心に出していただくものですが、県外から来られる方についても、一定の対応が必要だという議論は、かねてよりあったということです。
まずは入学金を国立大学並みに引き下げることで、令和7年度は大学院ということで、スタートさせていただくということで、県外から来られる方についても、一定対応させていただきたいという趣旨で今回、入学金の引き下げをさせていただくものです。
産経新聞:
今後、県内で働くであったり、若者の流出、県外流出というところもひとつ課題かと思うんですけれども、そういった、県外からも来てもらうことで、より兵庫県を発展させていきたいという思いもありますか。
知事:
それももちろんあります。
県立大学が、今、大学改革をやっていただいていますけれども、それで選ばれる大学にしていただけるという中で県外からも多くの方に来ていただいて、県内に就職なり定住していただくということをしっかりやっていきたいと考えています。
産経新聞:
能登半島地震を踏まえた災害対策の対応力の強化ですけれども、この中で検討会を踏まえて、令和7年度で重点的に導入したものであったり拡充したものはありますか。
知事:
ここにも掲げさせていただいていますけれどもトイレカーです。
これについては、今回、能登半島地震でもトイレのニーズというものは、非常に高かったというものですから、まずは県としてトイレカーを今回1台導入させていただくということをやらせていただくのが1点です。
もう1点がスターリンクの配備ということです。
今の時代、情報通信が繋がらないことになりますと、いろんな行政サービスや医療や保健と福祉サービスが提供できない状況になってきますので、スターリンクを、今回、モデル的に導入させていただくということで、災害時に県庁の情報通信インフラ、それから災害拠点病院の情報通信インフラが繋がらないということがないようにしていくことを今回、やらせていただきますのでこの2点が、特にポイントだと考えています。
産経新聞:
スターリンクについては、今後、いろんな病院に配置していくような考えですか。
知事:
県庁でまずモデル的にさしていただいて、その後はおそらく病院を中心にやっていくということになると思いますけれど、これは公立病院のみならず民間においても、災害拠点病院というものが県内に多数ありますから、そこでの導入の支援もしっかりやっていくことが大事だと思っています。
日経新聞:
改めて県立大無償化についてお伺いします。
なぜ、今、この政策をするのかというところを改めてお伺いします。
また、受益者が限定的で不公平感が指摘されていると思うんですけれども、そこを納得してもらうために今後どうしていきたいかについてお願いします。
知事:
高等教育の負担軽減というものは大事なポイントだと思います。
これは奨学金の返済をされている学生さんが、かつてのデータで3人に1人、平均で300万円という負債を負われている方が今の学生さんになっていますので、将来結婚や出産や子育て、家を買う、そういったところに大きな負担になっているというのが現実だと思います。
若者がそういった学費への負担の不安なく大学生活、大学院生活を終えるというようなことが、将来設計を描くためにも大事なポイントだと思っていますので、これはぜひ国において、しっかりやっていただきたい施策だという思いがあります。
一方で、国の先鞭として、兵庫県ができるところからやるということで、2つの県立大学からスタートさせていただくことが、国の議論や取り組みを、促していく意味でも大事だと思います。
公平性の問題、様々な指摘がありますけども、ぜひ県民の皆さんにもご理解をいただく形で進めていきたいと考えていますし、知事会などを通じて、しっかり国に要望などを運動として続けていくことで、高等教育の負担軽減をさらに、国として進めていくことにもつなげていきたいと考えています。
関西テレビ:
SNSの誹謗中傷対策の件ですが、対策の中では普及啓発の拡充の部分があります。
これまで、取り組まれている対策の中で抑止効果と言いますか、これまでの政策の実効性について、どのように評価されたうえで、今回の予算計上に至っているのか教えてください。
知事:
これまでもSNSに関するリテラシーを高めていく取り組みはしてきました。
一方で、まだまだ県民の皆さんの中に、SNSに関する使い方についての周知をしっかりやっていく必要があると思っていますし、弁護士の相談体制の拡充については、今、平日を中心にさしていただいていますけれども、休日も含めて、相談がしやすい体制づくりするべきだという声がありました。
そういった辺りも相談しやすいような体制を拡充していくことも大事だと思っていまして、今回の予算では、そういった普及啓発のキャンペーンを、県内各地でしっかりやっていくことと、相談体制を拡充していくことを2つの柱としてやっていきたいと考えています。
関西テレビ:
これまでの普及啓発とか相談窓口については、一定効果が出せているんじゃないかとかという評価のうえで、今回の予算計上に至っているという認識でよろしかったでしょうか。
知事:
これまでもやらせていただいていますので、1つの啓発や相談窓口を作ったっていうことの効果や意義はあったと思います。
これをさらに充実していくことが、SNSにおける正しい使い方、そして誹謗中傷の防止に向けた対策として、大事だと考えていますので、今回予算で拡充の措置をさせていただいたということです。
関西テレビ:
条例の制定についても、実効性の確保というのが大きな課題になるんじゃないかなと思うんですけれども、現在、有識者会議の開催などで、実際に実効性を確保できるように、何か具体的に、今、対策というか、考えられていることがあれば教えてください。
知事:
SNSというものは、個人間のやりとりを含めまして、国の方が法改正をして、どういうふうにこのSNSの適切な利用が良いのかということを、法改正、それからいろんなガイドラインの対応など含めて、今、進めておられるということだと思います。
これをしっかり兵庫県としては踏まえながら、県としてどういったところができるのかということを、これは有識者による専門家の議論で、やっぱりこうやっていきながら、できる対策を検討していく必要があると思います。
他府県の取り組みなども参考にさせていただきながら、どういった対応をできるのかということを、議論、検討していく必要がありますし、それをできるだけ来年度の6月議会までに、条例制定、提出ができるように、議論をしっかりやっていきたいと考えています。
時事通信:
来年度末の見込みで、実質公債費比率の3ヵ年平均が19.8%となり、総務省の許可が必要な18%を超え、さらに早期健全化基準の25%近づくということで、そこに対する思いをお伺いさせてください。
知事:
実質公債比率の指標については、起債の償還含めたコントロールする意味で、1つの重要な指標だと考えています。
18%が同意から許可になる1つの基準ですので、令和7年度には18%を超えることが想定されています。
その後も、様々な公債費の伸びによって率が増えていくと。これは、地域整備事業や分収造林事業、こういった過去からの課題を処理させていただくために、県債管理基金の一部取り崩して対応せざるをえなかった面も影響しているということです。
一定、改革、そして過去からの課題を対応していくためにやむを得ない面もあると思いますけども、一方で、18%を超えて、許可団体になっていく可能性、そして何よりも大事なのが25%に至らないように、行財政改革をこれからもしっかりやっていくことが大事だと思っています。
いずれにしても財政フレームという形で、県民の皆さんに、こういった指標をお示ししていくことが大事だと思いますので、県としては、こういった形で、指標を示しつつ、行財政改革をしっかりやっていくことをこれからも続けていきたいと思っています。
時事通信:
将来負担比率も300%を超えたままで、全国の都道府県の最低をいっているわけですけども、そこもなかなか抜け出せないという難しいことが続きますが、そこも伺えますか。
知事:
阪神・淡路大震災からの借金の返済が、ここ5年から10年が1つの山場になってきますので、どうしても、実質公債比率や将来負担比率というものは、全国の中でも、悪い水準になってしまう構造的な問題がありますので、そんな中でも、必要な投資ですね、県立学校や特別支援学校への投資、さらには必要な道路整備とか、県単独事業としての河川の改修とか、県民の皆さんの命や暮らしを守るための投資というものも大事ですから、そこは指標というものはしっかりコントロールしながら、必要な投資はやっていくことを心がけていくのが、これからの財政運営でも大事だと思います。
お問い合わせ