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更新日:2023年9月15日

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兵庫県のドローンの取組みについて、3月10日,11日レベル3飛行の実施について

1.背景

これからの時代の、安心・安全な暮らしのために

全国的に、これから本格的な人口減少社会が到来し、少子高齢化が進みます。安心・安全な暮らしを支えるための人的負担も大きくなっていくことが予想されます。兵庫県も、例外ではありません。

現在、国をあげて、人工知能(AI)・ロボット・自動走行車などの技術を活用して様々な社会課題を克服し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会をつくろうという「Society(ソサエティ)5.0」への取り組みが始まっています。

このなかで大きな役割を担うと期待されているのが、ドローンです。ニュースなどでご覧になったことがあるかもしれませんが、無人で飛行するドローンは、荷物を運んだり、カメラと組み合わせて空から情報収集したり、スピーカーを組み合わせることで広報をしたりと、様々な場面での活用が進んでいます。

これまで人が行うことで危険が生じたり、あるいは担当する人が不足することで生じた課題が、ドローンの利用によって解決する可能性があるのではないか。兵庫県は、ドローンの利用・活用分野で日本のトップランナーとなることで、これからの時代も、県民のみなさまの安心・安全な暮らしを支えたいと考えています。

2.ドローン先行的利活用事業の取組みについて

県では神戸市との連携のもと、以下の3つの視点で、全国に先駆けたドローンの先行的な利活用を令和元年度から進めています。今年度は下記の取組みを行っています。

  • (1)県民のみなさまのより安心・安全な暮らしの実現に役立つこと
  • (2)県が行う県民のみなさま向けのサービス向上や、そのための業務効率化につながること
  • (3)次世代の産業の創出につながること

<令和2年度の取組み内容>

  • (1)行政分野での利活用
    • 実用化に向け、飛行・解析方法等を深掘りして検証
    • 行政分野での新たな利活用の可能性を検証
  • (2)官民連携分野での利活用
    • 民間との協働モデル事業により、官民連携分野で高度利活用を検証
  • (3)県民・事業者の皆様への普及啓発

令和元年度の取組は、こちらの資料(PDF:759KB)(令和2年3月30日記者発表資料)をご覧ください。

このうち令和2年度の実証実験では、以下の業務での利活用を先行的に検証しています。

<行政分野>

テーマ

場所

時期

概要(検証内容)

防災訓練等での活用 尼崎市、三田市、南あわじ市 令和2年9、11月 訓練実施エリアを含めた複数地点においてドローンを同時運用し、被害状況のリアルタイム中継及び避難広報を実施
シカ等の生息状況調査(レベル3で一部業務を実施)

播磨科学公園都市

令和3年1~3月 指定された範囲のシカ等の生息状況調査を複数回実施。また、生息状況の把握後、調査に応じ捕獲方法を検討
指定文化財管理のための総合的調査 神戸市、明石市 令和2年9月~2月 レーザー測量等により、指定文化財の屋根の現況調査及び指定文化財周辺の樹木の植生等調査を実施
海岸防護施設の健全度調査 神戸市 令和2年8月~2月 港湾施設(テトラポッド等)の状況の把握と詳細状況調査を実施
AI技術を活用した水道施設の調査 神戸市 令和2年9月~11月 水道施設点検の省力化のため、ドローンを用いた効率的な画像取得・解析方法の検証を実施

 

<官民連携分野>

テーマ 場所 時期 概要(検証内容)
リモートセンシングを活用した新しい営農指導手法の確立 丹波市

令和2年7月~10月

リモートセンシングによって得られた生育状況のデータを分析し、倒伏の防止、収量の最大化、追肥量・タイミングの最適化が行える新しい営農指導手法の確立を目指す
電動固定翼ドローンによる大気汚染モニタリングの実施 淡路市

令和2年9月~12月

長時間(約4時間)飛行可能な固定翼ドローンを用いて3次元区間の大気汚染物質やエアロゾルの濃度や気象を計測・分析し、気象・大気汚染予測精度の向上や生成・輸送メカニズムの解析を実施
タマネギベト病の感染株の特定 南あわじ市 令和2年12月~2月 玉ねぎに発生するベト病について、撮影した画像を用いて葉の色や形状をAIで解析し、ベト病の特定を実施
水中ドローンを用いた人工漁礁の資源量調査 家島諸島 令和2年10月~3月

水中ドローンを用いて人工魚礁の水産資源の調査を行い、「対象礁魚類蝟集状況模式図」を作成し、坊勢漁協と連携して分析と評価を実施


このうち、この度、シカ等の生息状況調査でレベル3飛行を行います。

鳥獣害調査では全国初となるドローンを用いたレベル3飛行の実施

3月10日(水曜日)及び11日(木曜日)に、鳥獣害調査では全国初となる、レベル3飛行を実施します。

ドローンのレベル3飛行とは「無人地帯での補助者なし目視外飛行」を言い、遠隔地への飛行を少人数で実施でき、業務の大幅な効率化が期待されることから、今後のドローン活用拡大の重要なステップと見込まれています。
全国的にレベル3飛行の事例はまだ少なく、その多くが物流分野での実証実験であり、鳥獣害調査での実施は本件が全国初となります。
本県では令和元年度に、地方自治体としては全国初となる森林資源量調査でのレベル3飛行を宍粟市で実施しております。
(無人地帯とは「山、河川、海水域、森林等」を指し、補助者とは「ドローンの飛行状況や周辺の気象状況の変化の監視等を行う者」を言います。)

<参考>国の「空の産業革命に向けたロードマップ2020」(小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会)

時期

利活用の内容

現在 レベル1(目視内・操縦飛行)、レベル2(目視内・自動又は自律飛行)
概ね2018年度~ レベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)(活用例:離島・山間部への荷物配送、被災状況調査)
概ね2022年度~ レベル4(有人地帯での目視外飛行)(活用例:都市の物流、警備)
  •  
  • (1)実施日時
    令和3年3月10日(水曜日)~11日(木曜日)9時~17時頃(予定)
    ※雨天、強風等荒天の場合は中止し、3月24日(水曜日)~3月25日(木曜日)に実施します。
  • (2)目的
    シカ等の生息状況調査について、以下の2点を検証します。
    • ドローンを用いた空撮調査の優位性(安全性、効率化、高精度化)
    • さらに、レベル3飛行による遠隔地調査の効果
  • (3)内容
    播磨科学公園都市内でドローンを遠隔操作し、昼間における都市内のシカ等の生息状況を赤外線カメラを用いて調査します。
  • (4)場所等
    場所:西播磨総合庁舎周辺山林
    経路:西播磨総合庁舎西側敷地(下図①)から離陸し、②~⑤の山林上空を通り、⑤~⑫のエリアを飛行しシカの生息状況を確認後、⑤~①のルートで離陸地点(①)へ帰着します。
    飛行時間:飛行1回あたり約20分(予定)
    飛行ルート画像
    場所の詳細は以下ファイルをご確認ください
    飛行ルート情報(PDF:231KB)
  • (5)安心・安全対策
    • 事前調査及びテスト飛行を十分に行った上で実施します。
    • ドローンは予め設定した飛行経路を自律飛行させ、操作者(運航管理者)が離陸等の操作や機体の状態監視を行います。
    • ドローンには、万が一の異常発生時に自動帰還やホバリング(空中待機)等を行う安全機能を搭載しています。
    • 飛行計画及び安全対策について、大阪航空局より飛行許可・承認を得て実施します。
    • 地元自治会、警察、消防等、関係各所に予め情報共有を行います。
    • 実施について周辺住民の方々へ予め周知します。
    • 当日は飛行範囲に立て看板を設置し、第三者への周知を行います。
      • <当日の立入り管理区域の範囲>
        当日の立入り管理区域の設定時間帯は、立て看板でお知らせします。
        • 立て看板配置箇所
          • オプトヒルズ駐車場付近
          • 太陽光第1発電所から北側の山林をとおり、上莇原集落へ抜ける道の始点、終点
          • 西播磨総合庁舎敷地北東から長谷ダム東側へ抜ける道の始点、終点
  • (6)その他の本件の特徴等
    地上とドローンの通信には、通常使用される2.4GHz帯や5GHz帯の周波数電波よりも一般にカバーエリアが広く、通信速度・安定性が高いLTE電波を利用します。
    なお、本飛行でLTE電波を用いることで、周辺地域に対して電波障害を発生させることはありません。
  • (5)本件のお問い合わせ先
    産業労働部新産業課 情報産学・連携振興班 078-362-3054、shinsangyo@pref.hyogo.lg.jp

お問い合わせ

部署名:産業労働部 新産業課 情報・産学連携振興班

電話:078-362-4157

FAX:078-362-4273

Eメール:shinsangyo@pref.hyogo.lg.jp