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更新日:2025年3月26日

意見書 第55号

再生資源物の屋外保管に係る法整備を求める意見書

 

 国は、平成29年の廃棄物処理法の改正により、本来の用途での使用が終了した電気電子機器のうち有害な特性を有する機器の保管または処分を業として行う者に対し、知事への届け出や保管・処分等の基準順守を義務付ける「有害使用済機器保管等届出制度」を創設した。しかしながら、本制度の規制対象は、家電リサイクル法及び小型家電リサイクル法の対象機器(家電4品目及び小型家電28品目)に限定されており、近年、その規制対象でもなく、また、廃棄物でもないため廃棄物処理法等の規制を受けない、いわゆる再生資源物の不適正な保管や処理に起因する騒音や悪臭、公共水域や土壌の汚染、火災の発生等の生活環境保全上の問題が生じている。

 また、以前は輸出可能であった配電盤や電源装置等の大型電子機器等を規制の対象とするとともに、その対象範囲を法令上に明確に規定するなど、平成29年のバーゼル法改正に伴い不適正輸出への対策が強化された。このため、輸出前に破砕等の処理を行うことで規制を回避し、乱雑な作業を行う不適正なヤード業者を経由して金属資源等が海外に流出しているとの指摘や、既に再生資源物の保管に関する規定を設ける条例を制定している一部の自治体から、条例が制定されていない自治体へ不適正なヤード業者が事業場を移転するなどのおそれも指摘されている。

 こうした「不適正ヤード」問題については、国においても自治体・事業者等の実態把握に努めるとともに、現行制度の運用状況や課題、新たな規制の在り方について議論するためのヤード環境対策検討会を開催するなどの対応が進められているところではあるものの、規制の緩い地域へ事業者が拠点を移す事例を鑑みれば、各自治体での条例等による規制ではなく、廃棄物処理法の見直しや厳格な適用、国による法律等での一律的な規制が求められるところである。

 よって、国におかれては、現行法制度における規制対象外の再生資源物の屋外保管に係る法整備と、再生資源物の保管または処分を業として行う者に対する許可制度の創設を早急に進め、国民の安全・安心な生活環境の保全を図るよう取り組まれることを強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和7年3月26日

兵庫県議会議長 浜田 知昭

衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
内閣官房長官 林 芳正 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
法務大臣 鈴木 馨祐 様
農林水産大臣 江藤 拓 様
経済産業大臣 武藤 容治 様
国土交通大臣 中野 洋昌 様
環境大臣 浅尾 慶一郎 様

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