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兵庫県議会トップページ > 定例会・臨時会 > 令和6年度 > 令和7年2月第370回定例会 > 意見書 > 意見書 第62号
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更新日:2025年3月26日
旧姓の通称使用の法制化・選択的夫婦別姓制度の議論の活性化を求める意見書
現行の民法では、婚姻時に夫婦のいずれか一方が姓を改めることと規定しているものの、旧姓の通称使用の法制化及び選択的夫婦別姓の問題は、時代や社会の変化に伴い日本社会において大きな話題となっている。
政府は旧姓の通称使用の拡大の取組を進めているが、一部の国家資格や免許等では旧姓の使用が認められていない。また、通称使用では、自己同一性を喪失する苦痛は解消されず、根本的な解決策にはならないほか、ダブルネームを使い分ける負担、本人や企業等の経済的なコスト、個人識別の誤りのリスクやコストを増大させる等の問題が指摘されている。
さらに、一人っ子同士の結婚や子連れ再婚、高齢での結婚などを検討する人にとっては、特に改姓への抵抗感が強く、中には結婚を諦めてしまう人もいるため、ますます非婚や少子化につながる要因にもなっている。
また、国連の女性差別撤廃委員会は、日本政府に対して複数回にわたり、選択的夫婦別姓の導入を勧告し、条約の履行状況についての対面審査をはじめ、その後もこの勧告を遅滞なく実施するよう繰り返し強く求めている。
日本経済団体連合会からも、「旧姓を職場で通称として使用する日本独自の制度による弊害が顕在化しており、企業にとってもビジネス上のリスクとなり得る事象であるとして、企業経営の視点からも無視できない重大な課題である」として、選択的夫婦別姓制度の早期導入を政府に提言している。
一方で、国民の世論調査においては、同姓、もしくは同姓を維持した上で旧姓の通称使用法制化を求める意見もあるなど、国民の間にも様々な意見が存在しており、子の姓をいつ決めるのかという問題も含め、婚姻制度や家族の在り方と関係する重要な問題であり、国民の理解のもと、多様な家族の在り方を認める社会制度の実現に向けた議論が必要である。
多様性が尊重される社会、男女共同参画社会の実現、基本的人権の尊重、世論の動向や最高裁の判断趣旨も踏まえた、旧姓の通称使用の法制化及び選択的夫婦別姓制度の積極的な議論を行うことを求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和7年3月26日
兵庫県議会議長 浜田 知昭
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
内閣官房長官 林 芳正 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
法務大臣 鈴木 馨祐 様
内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 三原 じゅん子 様
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