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更新日:2025年9月29日

請願 第45号

令和7年9月29日配付

総務常任委員会付託

兵庫県における図書調達に関する件

1 受理番号 第45号

2 受理年月日 令和7年9月19日

3 紹介議員 吉岡 たけし 飯島 義雄 小泉 弘喜 迎山 志保

4 請願の要旨

 経済産業省は令和6年10月、「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表し、その趣旨として「書店の減少問題は(中略)、すべての関係者がこれを共有し、総合的な視点から、様々なアイデア、知恵や工夫を出し合い、長きにわたって対応していく必要がある。すなわち、書店が地域における知識の拠点やコミュニティの核として在り続けるためには、書店自身や関係事業者、本の読み手、国や地方公共団体がそれぞれの立場や視点を超えて、書店を巡る課題を認識し、長期的に取り組みを検討すべきである」と指摘している。

 元来、利益率の低い書店にとって入札時の値引きは、自らの利益を削り、差額を負担する行為であり、装備費用の負担も同様の仕儀であることから、脆弱な書店経営に及ぼす影響は真に大きいと言わざるを得ない。前述の「書店活性化のための課題(案)」でも、「12.地域書店による公共図書館への納入」として、「公共図書館への納入において、官公庁等による入札を経て値引きが行われ、資金力で勝る大規模事業者が一手に引き受けてしまう現状があり、地域書店の販売機会が失われているという意見もある」と分析している。

 また、フル装備(フィルム、バーコードラベル、背ラベル)の装備コストは、1冊当たり約250~270円(令和6年、日本書店商業組合連合会調べ)であり、人件費を考慮するとほぼ利益は出ない。この課題についても、「書店活性化のための課題(案)」では、「13.図書館の納入における装備費用の負担」として「公共図書館の納入においては、官公庁等による入札を経て、フィルムやバーコード付与といった装備負担も入札事業者に求められるケースや、別途の費用計上を認められないケースもあることから、低い利益率を更に削ることとなり、中小の書店によっては受託することが困難になっているのではないかとの意見もある」と指摘している。

 一方、出版物の販売は定価による販売が認められている。これは出版物が一般的な消費財とは異なり、独占禁止法の適用除外として出版社が定価で販売することを拘束する再販売価格維持契約書(以下「再販契約書」という。)を交わしていることによる。同契約書には定価販売を適用しない場合として、従来より「官公庁等の入札に応じて納入する場合(同契約書第6条(2)」を規定していたが、出版再販研究委員会(日本書籍出版協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会で構成)は2025年5月1日に再販契約書のひな型から同契約書第6条(2)を全文削除した。これにより、今後は「小売りは、出版業者又は取次会社から仕入れあるいは委託を受けた再販売価格維持出版物を販売するに当たっては、定価を厳守し、割引に関する行為をしない(同契約書第3条)」に基づいた商行為を準用していくこととなる。

 よって、全国的に減少傾向であるまちの新刊書店が、地域で知識の拠点やコミュニティの核として存在し続けるためにも、下記事項を要望する。

1 図書類調達については、地元資本の書店を優先すること。

2 図書類調達については、入札によらず定価での購入を基本とすること。

3 図書装備にかかる費用は、別予算化を考慮すること。

お問い合わせ

部署名:兵庫県議会事務局 議事課 委員会・記録班

電話:078-362-3714

FAX:078-362-9031

Eメール:Gikaigijika@pref.hyogo.lg.jp