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更新日:2025年9月11日

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令和7年9月県民局長メッセージ(淡路県民局 川井史彦)

朝夕にほんの少しですが、秋の気配が感じられるようになってきました。

気象庁の発表によると、今年の夏(6月〜8月)の平均気温は平年を2.36度も上回り、1946年の統計開始以来、最も暑い夏だったとのことです。皆様、引き続き体調管理には十分ご留意ください。

さて、そんな中、淡路島では鳴門海峡の渦潮の世界遺産登録に向けた大きな一歩となる催しが開催されました。

「2025鳴門海峡の渦潮国際シンポジウム」を開催!

9月1日、快晴の南あわじ市にて「2025鳴門海峡の渦潮国際シンポジウム」が開催されました。兵庫県と徳島県の行政や民間団体で組織する『兵庫・徳島鳴門の渦潮世界遺産登録推進協議会の主催により、国内外から世界遺産の専門家、行政関係者、地域住民など約190名が参加。鳴門海峡の渦潮の価値や可能性について、さまざまな視点から活発な意見交換が行われました。

渦潮国際シンポジウム会場 渦潮シンポ会場3
渦潮国際シンポジウムの会場

 

まず、兵庫県と徳島県が連携して進めてきた調査・研究成果が発表され、渦潮の発生メカニズムや海底地形との関係など、科学的な価値が体系的に示されました。
 

 

柴田先生

柴田学術調査委員長による鳴門の渦潮の普遍的価値に関する講演

 

金田先生

金田学術調査委員長による鳴門の世界遺産登録に
向けた今後の取組の方向性に関する講演

 

渦潮のしくみ

 

続いて、ノルウェーのノード大学及びスコットランドの海洋科学協会の研究者による発表では、両国の渦潮の地形や潮汐、気候の違いが与える影響について興味深い知見が共有されました。

ヴィグディス氏 アンドリュー氏
ノード大学(ノルウェー)ヴィグディス・トゥベルバーグ氏によるサルトストラウメン海峡の渦潮と海洋保護区域に関する講演 スコットランド海洋科学協会アンドリュー・デール氏によるコリーヴレッカン湾の渦潮に関する講演


さらに、元ユネスコ世界遺産センター自然遺産ユニット長 ギィ・デボネ氏による基調講演をはじめ、IUCN(国際自然保護連合)やICOMOS(国際記念物遺跡会議)の専門家からも、世界遺産登録に向けた評価の視点や課題について貴重なお話をいただき、鳴門海峡の渦潮が持つ価値と世界遺産登録への課題を改めて認識するとともに、ジオパークとしての認定や世界遺産登録の海外との共同申請など、多角的なアプローチについても示唆を受けることができました。

ギィ氏

シャフィーア氏

元ユネスコ世界遺産センター自然遺産ユニット長ギィ・デボネ氏による顕著な普遍的価値を有する自然遺産を守るための手段としての世界遺産条約に関する講演

国際自然保護連合シャフィーア・レマン氏による地質遺産の保全における地域社会の参加に関する講演

 

モニカ氏

国際記念物遺跡会議モニカ・ルエンゴ氏による世界遺産の文化的景観:自然と文化の懸け橋に関する講演

シンポジウムの締めくくりには、両県の地元高校生による「鳴門の海を守り育てるメッセージ」の宣言が行われました。若い世代が渦潮の魅力や未来への思いを自らの言葉で語る姿は、会場に温かな感動を呼び起こし、渦潮を守り伝えていく意志がしっかりと次世代に根付いていることが実感できました。

一同

メッセージ

渦潮国際シンポジウム登壇者一同

淡路三原高校・鳴門渦潮高校の代表による
メッセージ読み上げ

 

地域主催の「渦潮あわじ島環境シンポジウム2025」も開催

前日の8月31日には、洲本市にて地域の皆様の主催により「鳴門海峡の渦潮あわじ島環境シンポジウム2025」も開催されました。洲本実業高校ユネスコクラブ、洲本高校社会部、淡路三原高校ボランティア部の生徒たちが、「渦潮世界遺産登録を目指して、いま私たちにできること」と題した発表を行い、真剣なまなざしと力強い言葉が参加者の心に深く響きました。

このように、地域の皆様が主体となって渦潮の価値を伝え、未来へとつなぐ活動を続けてくださっていることは、世界遺産登録への大きな力となります。

洲本実業高校の発表

洲本実業高校の発表

洲本高校の発表

洲本高校の発表

淡路三原高校の発表

淡路三原高校の発表

uzusiopasona

パソナによる渦潮の舞

世界遺産登録への道のりは決して容易ではありません。国際的な基準を満たすためには、顕著な普遍的価値 (Outstanding Universal Value)を証明するためのさらなる研究が必要ですし、自然環境の保全をはじめとして淡路島に暮らす皆さんの力が欠かせません。

今回のシンポジウムをきっかけに、地域の皆さんと一緒に、世界に向けて淡路島の魅力を発信していけるよう、淡路県民局としても取り組みを進めてまいります。

 

最近、公舎の植木の剪定がありました。猫的には隠れ場所が減って少し不満そうですが、庭はすっきりと明るくなり、陽ざしが心地よく感じられるようになりました。季節の移ろいを楽しみながら、皆様もどうぞ健やかにお過ごしください。

ネコ

これまでの局長メッセージ

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