ここから本文です。
今月は、阪神北地域における農林畜産業に関するトピックスをお届けします。
令和7年1月24日、「兵庫の酒米「山田錦」生産システム」が、農林水産大臣から日本農業遺産に認定されました。
日本農業遺産とは、何世代にもわたり継承されてきた独自の伝統的な農林水産業、それに伴い育まれた文化、ランドスケープ、農業生物多様性などが相まった、重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)として認定されます。
この度、北播磨・六甲山北部地域(阪神北地域では、三田市、猪名川町)が認定を受けました。これらの地域は、江戸時代に伊丹や灘五郷といった銘醸地とともに発展した酒米産地で、粘土質の土壌や長い日照時間など酒米栽培に適した気候風土を活かした農業を営んでいます。酒米産地と酒造家が結びつき相互扶助する「村米制度」が継承され、酒米を代表する「山田錦」の厳格な種苗管理のもと、高品質な酒米の一大産地として発展してきました。
酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」。全国の生産量の約6割を占める兵庫県産は、その品質の高さからも高い評価を得ています。さらなるブランド力強化と付加価値向上に向け、令和6年5月、JA、県、産地市町による兵庫県山田錦主産地農業遺産推進協議会を設立しました。同年6月には、日本農業遺産への認定申請を行い、厳正な審査を経て、この度の認定となりました。今後、さらに世界農業遺産の認定を目指します。
なお、兵庫県内では、平成30年に兵庫美方地域「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」、令和2年に丹波篠山地域「丹波篠山の黒大豆栽培~ムラが支える優良種子と家族農業~」及び南あわじ地域「南あわじにおける水稲・たまねぎ・畜産の生産循環システム」が既に日本農業遺産の認定を受けています。そして、今回、北播磨・六甲山北部地域に加えて、朝来(あさご)地域 「岩津ねぎを核とした資源循環型農業システム =伝統種子の継承と地域連携による里地里山保全=」も認定を受けました。
歴史的な価値と高い品質を誇る兵庫の酒米「山田錦」。その生産システムが日本農業遺産に認定されたことは、地域全体の大いなる誇りです。これを期に、さらなる農業の振興、地域の活性化の進展、そして、この伝統的な農業システムが次世代に引き継がれ、今後も地域の皆様をはじめ世界中の日本酒ファンから愛され続けることを願います。
北播磨・六甲山北部地域の風土、伝統と技術によって育まれた「山田錦」は、これからも多様な生態系を守り、美しい田園景観を形成しながら、私たちの生活に豊かな潤いと恵みをもたらしてくれることでしょう。
▲山田錦
▲兵庫県山田錦主産地農業遺産推進協議会総会
令和6年12月11日、三田市特産のブランド牛「三田牛」が、輸出第1号としてサウジアラビアに向けて、三田食肉センター(神戸市北区)を出発しました。
同センターは食肉処理業の三田食肉公社が運営しており、令和4年10月には、日本で初めて、戒律の厳しいサウジアラビアへ輸出するため「ハラル認証」を取得しています。
但馬牛の系譜を持つ三田牛は、平成19年に特許庁への地域団体商標申請が認められて地域ブランド化。育てる期間も生後28カ月以上60カ月未満などと厳正に管理されています。出荷されるほとんどの牛は雌で、柔らかい肉質や口溶けのよい霜降り肉。脂肪や肉のキメが細かく、口の中で脂肪のうまみ成分がとけだし、口から鼻に抜ける香りが抜群です。
三田牛の輸出は、肥育農家、製造業者、販売業者が協力し、永年にわたる関係者の懸命なご努力により実現したものです。これを期に、海外で三田牛の名が知れわたり、生産者の意欲の一層の高まり、出荷量の向上につながることを期待します。
▲三田牛海外輸出第1号出発式
▲三田牛名誉賞受賞
なお、阪神北県民局では、兵庫が誇る三田牛の魅力を発信すべく、2月7日(金曜日)から26日(水曜日)まで、ひょうご都市農業支援センターにおいて「但馬牛博物館×ひょうご都市農業支援センターコラボ展」を開催します。色々なパネル展示や映像で「三田牛」「神戸ビーフ」「但馬牛」の歴史や秘密についてご紹介します。
2月11日(祝日・火曜日)には、関連イベントとして「但馬牛のお話会と三田牛の試食会」 を開催します。但馬牛(うし)と但馬牛(ぎゅう)・神戸ビーフの違いなど楽しくて美味しい講話や、三田牛の食べ比べに挑戦してもらいます。是非、お越しください。
▲三田牛
▲ひょうご都市農業支援センター
会場 |
ひょうご都市農業支援センター |
問い合わせ先 |
阪神農林振興事務所 |
阪神北県民局長 宮口 美範
お問い合わせ
部署名:阪神北県民局総務企画室総務防災課
電話:0797-83-3101(代表)
FAX:0797-86-4379
Eメール:hanshinksom@pref.hyogo.lg.jp