伝染性紅斑について

伝染性紅斑とは

伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。小児を中心にみられる流行性の発しん性の病気です。両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。

伝染性紅斑が増加しています

2025年第20週に全国の1定点医療機関あたり2.05人と警報レベルになりました。（警報解除は1定点医療機関あたり1.0を下回るまで）
兵庫県においても、ここ数年で最も多い流行の経過を示しています。

兵庫県感染症情報センター週報参照（別ウィンドウで開きます）

症状・予防・治療

症状

約10～20日の潜伏期間ののち、微熱やかぜの症状などがみられます。、その後、両頬に境界鮮明な赤い発しん（紅斑）が現れます。続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がります。これらの発しんは1週間程度で消失します。
中には長引いたり、一度消えた発しんが短期間のうちに再び出現したりすることがあります。成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもありますが、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復します。

過去に伝染性紅斑に感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。熱や倦怠感が出現した後に発疹が出るなど、伝染性紅斑を疑う症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。また、感染しても症状がない場合（不顕性感染）もあるため、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、妊婦健診の際に、医師に伝えてください。

感染経路

主に、感染した人の咳やくしゃみなどにより、しぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによって感染する飛沫感染と接触することによる接触感染が知られています。
多くの場合、頬に発しんが出現する7～10日くらい前に、微熱やかぜのような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなりますが、発しんが現れたときにはウイルスの排出はほとんどなく、感染力もほぼ消失しています。

予防

症状のある方は、こまめな手洗いや咳エチケットなどの一般的な感染対策が有効となります。

治療

伝染性紅斑に、特別な治療法はありません。基本的には軽い症状の病気のため、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。