豊岡健康福祉事務所感染症発生動向調査週報
このページは感染症発生動向調査事業に基づき、豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市・香美町・新温泉町)を中心とした地域の感染症の発生状況を毎週情報提供し、感染予防についての注意喚起を行っています。
2025年第8週(2月17日~2月23日)の管内の感染症発生動向情報をお送りします
今週のcontents
- 定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
- 百日咳について
- 感染性胃腸炎について
- RSウイルス感染症について
1.定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
感染症
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定点あたり報告数
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増減
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8週
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7週
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感染性胃腸炎 |
4.4
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6.4 |
↓減少
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RSウイルス感染症 |
3.4 |
0.8
|
↑増加 |
COVID-19 |
2.63
|
4.0
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↓減少 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
2.6 |
4.4 |
↓減少 |
インフルエンザ |
0.75
|
3.13 |
↓減少 |
2.百日咳について
- 今週、県内で24人の報告がありました。
- 百日咳は百日咳菌による急性気道感染症で感染経路は飛沫感染及び接触感染です。
- 通常7~10日間程度の潜伏期を経て、かぜ症状で始まり、だんだんと咳の回数が増えて程度も激しくなります。(カタル期:約2週間持続)
- 次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)になり、短い咳が連続的に起こり、続いて息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出る咳症状を繰り返します。しばしば嘔吐を伴うことがあり、発熱はあっても微熱程度です。(痙咳期:約2~3週間持続)
- 激しい咳発作はしだいに少なくなり2~3週間でなくなります。その後も時折忘れた頃に発作性の咳が出ますが、全経過約2~3カ月で回復します。(回復期:2、3週~)
- 乳児期早期では特徴的な咳がなく、無呼吸発作など重篤になることがあり生後6か月児未満では死に至ることもあり注意が必要です。成人では、咳は長期間続きますが、比較的軽い症状で経過することが多いため、受診や診断が遅れることがあります。
- 有効な予防法は予防接種(4種混合ワクチン)ですが、予防接種の免疫効果は4~12年と限りが有ります。
- 咳が出る時は、周囲へ感染を広げないように、マスク着用などの咳エチケットを心がけることが大切です。咳が長引くときは早めに受診しましょう。
【関連ページ】
国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashiは/477-pertussis.html
3.感染性胃腸炎について
- 今週、管内の定点あたりの患者数は4.4人(先週6.4人)と減少しています。
- 感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。ウイルス感染による胃腸炎が多く、冬期に発生がピークとなる傾向にあります。
- 保育所や高齢者施設、社会福祉施設などでは集団発生が起こることがありますので特に注意が必要です。
- 感染性胃腸炎の原因となるウイルスには「ノロウイルス」「ロタウイルス」「サポウイルス」「アデノウイルス」などがあり、おもな症状は腹痛、下痢、嘔吐、発熱です。
- ノロウイルスは人の腸管内で増え、患者のふん便や嘔吐物には1グラムあたり100万から10億個もの大量のウイルスが含まれており、少量でも感染力が強いことが特徴で、手指や食品を介して経口で感染し、人の腸管で増殖します。
- 感染すると24~48時間で、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などの症状が出現し、症状が1~2日続いた後、健康な人は回復します。
- 症状の回復後でも1週間程度、長い場合は1ヶ月にわたり、ふん便中にウイルスが排泄される場合があるので注意が必要です。
- 感染拡大を防ぐためには、食事前や排泄後、調理前、患者の汚物処理やおむつ交換を行った後は、石けんと流水でしっかり「手洗い」を行いましょう。
【関連ページ】
国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/383-intestinal-intro.html
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/
4.RSウイルス感染症について
- 今週、管内の定点あたりの患者数は3.4人(先週0.8人)と増加しています。
- RSウイルス感染症はRSウイルスによる、乳幼児に多い呼吸器系感染症です。
- 潜伏期間は2日~1週間(通常4~5日)で主な感染経路は患者の咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」とウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」があります。
- 生後1歳までに50%以上の人が、2歳までほぼ100%の人がRSウイルスの初感染を受けます。終生免疫は獲得されないため、どの年齢でも再感染が起こりますが、一般的には5歳以降では重症化はしません。
- 症状は発熱、鼻汁などの軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々です。低出生体重児、心疾患、肺疾患、免疫不全のある方は重症化のリスクが高いといわれています。
- 別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
【関連ページ】
国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html
グラフ・データで見る管内の感染症情報(2025年8週)
小児科定点(グラフ)インフルエンザ定点(グラフ)(PDF:183KB)
兵庫県保健所別データ(PDF:45KB)
兵庫県感染症発生動向調査週報(PDF:564KB)