豊岡健康福祉事務所感染症発生動向調査週報
このページは感染症発生動向調査事業に基づき、豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市・香美町・新温泉町)を中心とした地域の感染症の発生状況を毎週情報提供し、感染予防についての注意喚起を行っています。
2024年第28週(7月8日~7月14日)の管内の感染症発生動向情報をお送りします
今週のcontents
1定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
2手足口病の警報レベルが継続しています
3腸管出血性大腸菌感染症について
1定点把握感染症について(定点あたり報告数の多い感染症)
感染症
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定点あたり報告数
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増減
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28週
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27週
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COVID-19
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15.63
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9.63
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↑増加
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手足口病
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15.2
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15.0
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→横ばい
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ヘルパンギーナ
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4.6
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1.0
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↑増加
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感染性胃腸炎
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3.8
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4.2
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↓減少 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
1.6 |
2.0 |
↓減少
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2手足口病の警報レベルが継続しています
- 今週、管内定点あたりの患者数は15.2人(先週15.0人)と横ばいと警報レベル(開始基準値5人)が継続しています。
- 手足口病は口の中や、手足などに水疱性の発疹が出るウイルス感染によって起こる感染症です。子どもを中心に主に夏に流行します。
- 感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)で、潜伏期間は3~5日です。
- 症状は口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱はあまり高くならないことがほとんどで数日間のうちに治る病気です。
- 手足口病には有効なワクチンも特効薬もなく、症状に応じた対症療法となります。
- 長期間、便中にウイルスが排泄されるため、症状が消失した患者も2~4週間は感染源になることがあります。
- 予防としては有症状時の接触予防策および飛まつ予防策が大切で、特に手洗いは重要です。
- 保育施設などの乳幼児の集団生活で感染を広げないためには、手洗いの徹底とおむつ交換時には、排泄物の適切な処理をお願いします。また、タオルの共用はやめましょう。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html(外部サイトへリンク)
3腸管出血性大腸菌感染症について
- 今週、腸管出血性大腸菌感染症の届出が1件ありました。
- 県内でも4人の報告があり、累積患者数は35人となっています。
- 腸管出血性大腸菌感染症は初夏~初秋が多発期とされており、注意が必要です。
- 原因菌は、ベロ毒素を産生する大腸菌です。O抗原による血清型によって分けられO157、O26など番号による分類がされています。感染力が強く、少ない菌数でも感染し、二次感染が起きやすい菌でもあります。また、この菌は酸に強い抵抗性を示すので、胃酸の中でも生残することができます。
- 感染経路は経口感染です。菌に汚染された食品等を摂取することにより感染します。ヒトからヒトへの感染は、患者の便や菌のついたものに触れた後、手洗いが十分でない場合などに起こります。
- 病原体に感染すると2~9日ほどの潜伏期を経た後に、激しい腹痛を伴う下痢、水様便、血便などをおこします。乳幼児や高齢者が感染した場合は重症化しやすく、一部は溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの合併症を起こし、時として死亡することもあります。
- 予防のためには、調理や食事の前には必ず石けんでよく手を洗いましょう。
- 生野菜はよく洗い、まな板や包丁等の調理器具は肉・魚・野菜用に使い分けましょう
- 焼き肉やバーベキューの時は食肉や内臓は中心部が75度で1分以上になるようよく加熱し、焼く箸と食べる箸を分けましょう。
【関連ページ】
兵庫県HP
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/hw12_000000006.html
グラフ・データで見る管内の感染症情報(2024年28週)
小児科定点(グラフ)インフルエンザ定点(グラフ)(PDF:524KB)
兵庫県保健所別データ(PDF:35KB)
兵庫県感染症発生動向調査週報(PDF:493KB)