更新日:2025年5月26日

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帯状疱疹

帯状疱疹は、主に脊髄後根神経節(三叉神経節を含む知覚神経節)に潜伏感染した水痘(みずぼうそう)ウイルスが、加齢や免疫の低下などによって再活性化することで、皮膚に分布している神経に沿って水疱が帯状に出現する皮膚疾患です。子供の頃に感染し、発症したみずぼうそうが治癒した後も、そのウイルスが長きにわたり神経に潜伏しています。

近年、帯状疱疹の発症や重症化を予防するワクチンのテレビコマーシャルをご覧になった方もおられると思いますが、平成28年3月から50歳以上の者に対する帯状疱疹予防目的で水痘ワクチンが使用できるようになり、令和2年1月からは新しいタイプのワクチンも発売され、この疾患の存在が注目されるようになりました。

令和7年4月からは65歳の方などへの帯状疱疹の予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。

帯状疱疹の定期接種について

帯状疱疹の症例

発生状況及び特徴

  • 60歳以上では年間100人に1人の発症という研究(外部サイトへリンク)もあります。
  • 50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。
  • 50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割が帯状疱疹後神経痛(PHN「皮膚の症状が治った後も痛みが残ることがあり、3か月以上痛みが続くもの」)になるといわれています。
  • 加齢、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が発症の原因となることがあります。

主な症状

  • 主に皮膚に分布している神経に沿って帯状に水疱が出現します。免疫不全の状態では、皮疹が全身に広がることもあります。
  • 通常、かゆみもしくは痛みから発症し、2~3日後に皮疹が出現し、その後も3~5日間にわたって新たな皮疹が出現します。皮膚が正常に戻るまでには1ヶ月ほどを要するといわれています。
  • 合併症として、先述の帯状疱疹後神経痛(PHN)だけではなく、眼合併症(角膜炎など)やラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺や聴力低下、めまいなど)などさまざまな症状があります。

治療法

  • 治療には、抗ウイルス薬や鎮痛剤などが使われます。早期に抗ウイルス薬を使用すると効果が高く、重症例では入院治療が行われます。
  • 特に免疫不全患者においては重篤化することがあるため、早期診断と早期治療開始が重要です。帯状疱疹を疑う症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

二次感染予防

  • 子供など、周囲への二次感染を防ぐため、水疱部分を触ったりすることを控えましょう。
  • 水疱に触れたらしっかり手洗いをしましょう。

ワクチン接種

  • 現在、生ワクチン「ビケン」と組換えワクチン「シングリックス」の2種類があります。
  乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」

接種対象者

(任意接種対象者を含む)

50歳以上の者

50歳以上の者または

帯状疱疹に罹患するリスクが高いと

考えられる18歳以上の者(※注1)

予防効果

【接種後1年時点】6割程度

【接種後5年時点】4割程度

【接種後1年時点】9割以上

【接種後5年時点】9割程度

【接種後10年時点】7割程度

副反応

(※注2)

【局所反応(注射部位)】

発赤44.0%、そう痒感27.4%、

熱感18.5%、腫脹17.0%、

疼痛14.7%、硬結13.5%

【全身反応】

発疹、倦怠感(1~5%未満)等

【局所反応(注射部位)】

疼痛79.1%、発赤37.4%、腫脹24.2%等

 

【全身反応】

筋肉痛36.9%、疲労34.6%、頭痛28.3%、

悪寒21.4%、発熱16.7%、胃腸症状12.0%等

接種回数 1回 2回

接種を受けられない方

(※注2)

明らかな発熱を呈している者

重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者

妊娠していることが明らかな者

明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者

免疫抑制をきたす治療を受けている者

上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

明らかな発熱を呈している者

重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者

上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

(※注1)令和5年6月から接種対象者が拡大しました。「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる」者とは、疾病または治療により免疫不全である者、免疫機能が低下した者、免疫機能が低下する可能性がある者又は医師が接種を必要と認めた者とされています。(「シングリックス筋注用」添付文書から引用)

(※注2)乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」及び「シングリックス筋注用」添付文書から抜粋。

定期接種

対象者

  • 年度内に65歳を迎える方
  • 60~64歳でヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な方
  • 令和7年度~令和11年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳(※)となる方も対象となります。

※100歳以上の方については、令和7年度に限り全員対象となります。

接種を受ける方法や費用

定期接種はお住まいの市町で実施されます。接種を受ける方法や費用について、詳しくはお住まいの市町担当窓口にお尋ねください。

任意接種

対象者

50歳以上、かつ定期接種対象外の方

接種を受ける方法や費用

  • 接種医との相談の上実施され、接種費用は原則として自己負担となります。

【接種費用(1回あたりの目安)】

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 8,800円程度

乾燥組換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」 22,000円程度

  • 市町によっては公費助成制度があります。詳しくはお住まいの市町担当窓口にお尋ねください。

※市町に対する帯状疱疹ワクチン接種費補助事業

兵庫県では、令和7年度に限り、帯状疱疹ワクチンの接種費用を助成する市町に対して補助事業を実施しています。

厚生労働省の相談窓口

感染症・予防接種相談窓口

電話番号 0120-995-956

受付日時 午前9時~午後5時 ※土日祝日、年末年始を除く

子宮頸がん予防(HPV)ワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般について、相談にお応えします。

  • 行政に関するご意見・ご質問は受け付けておりません。
  • 本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間会社により運営されています。
  • オペレーターへの暴言、性的発言、セクハラ等の入電はご遠慮ください。他の入電者様の対応に支障が生じております。

厚生労働省の相談窓口はこちら(外部サイトへリンク)

健康被害救済制度

予防接種による健康被害が生じ、ワクチンの接種による健康被害と認められた場合には、救済が受けられます。

健康被害救済制度について

お問い合わせ

部署名:保健医療部 疾病対策課

電話:078-362-3226

FAX:078-362-3933

Eメール:shippeitaisaku@pref.hyogo.lg.jp