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大畑大介さん
元ラグビー選手、コベルコ神戸スティーラーズアンバサダー
少し寂しかった幼少期。
僕は大阪の下町で育ったんですが、学校では阪神タイガースファンが多くて、野球選手の活躍が次の日の学校で話題になるっていうのが普通でした。そんな環境の中で、僕は周りと違うスポーツをしたくて小学生からラグビーを始めたのですが、ラグビーが学校で話題になることもなく寂しい思いをしていました。
そんな幼少期を過ごし、社会人となりラグビー選手としてプレーを続ける中で、あるテレビ番組に出演しました。その番組は様々な競技のトップアスリートとスポーツで勝負する企画で、有名選手が揃う中で優勝したんです。その後、番組を観たラグビー少年から届いた手紙に、「今までは友達にラグビーの自慢をしたことがなかったけど、大畑さんがテレビで勝った姿を見せてくれて、ラグビーってすごいねと友達に言ってもらえました。勇気をもらいました」と綴られていました。その少年の言葉で、幼少期に抱えていた寂しさを回収できたような気がして、僕にとってもすごく大きな力になりました。
プロ野球選手だった同級生に気づかされた。
2007年のワールドカップの2週間前に、イタリアでの試合中にアキレス腱を切ってしまいました。自分にとって最後のワールドカップだと思っていたのに出場できず、このケガからリハビリして復帰するのも辛いし、でもラグビーを辞める勇気もなくて、先が見えなくなってしまったんです。その時に、高校の同級生で当時プロ野球選手として活躍していた建山義紀が「日本でどえらい騒ぎになってるぞ」とメールをくれたんです。僕がアキレス腱断裂したことが日本でニュースになっていると・・・。その時に、「大畑は人々に何かを伝えられる人間なんだよ」って建山に気づかされました。私はこれまで自分の存在やプレーが少しでも皆さんの日々の元気に繋がればという思いもあったのでラグビーをしてきました。アキレス腱断裂という大怪我から復帰すれば、また何かメッセージを人々に伝えられるのではと思って、復帰を目指しました。リハビリを終えて復帰したときの応援は、今までとは違う温かさがあって。その瞬間を一生懸命に生きることでエールを送れるんだと感じた時でした。
大きなケガもたくさんしましたが、復帰の度に「グラウンドに戻ってきてくれて元気をもらいました」っていう声をたくさんもらって、アスリート人生を全うできたかなと引退した時に思いましたね。
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部署名:県民生活部 スポーツ振興課