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更新日:2025年6月12日

意見書 第64号

外国人等による土地の取得及び利用を制限するための法整備等を求める意見書

 

 近年、全国各地で外国人・外国法人による土地の取得が進み、一部地域においては水源地、農地、森林や、我が国の安全保障や国土保全にかかわる土地である重要施設周辺などが外国資本により取得される事例が相次いでいる。特に北海道や九州、沖縄などでは広大な土地が外国人・外国法人により所有されており、その実態把握すら困難な状況も見受けられる。

 また、外国資本による住宅や別荘の大量取得が地域の地価高騰や空き家の増加、住民生活への影響を及ぼしているとの指摘もある。さらに、外国の警察機関や軍関係者等による不動産取得の懸念も報告されており、もはや看過できない状況となっている。

 現行の法制度においては、外国人等による土地の取得や利用に関して明確な制限を設ける規定がなく、我が国として主権や安全保障を守る観点からも法整備が急務である。令和4年に施行された「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用規制等に関する法律」により、一部対応が講じられているものの、水源地、農地、森林は対象区域外となっており、包括的かつ実効的な制度とは言い難い。

 さらに、WTOのGATS(サービスの貿易に関する一般協定)やRCEP(地域的な包括的経済連携)協定においても、土地取引の自由化に関する原則があるものの、加盟国には安全保障や公秩序を理由とした例外規定が認められており、我が国もこれを適切に活用する余地がある。

 よって、国においては、外国人等による土地の取得及び利用を制限するため、下記事項について早急に取り組まれることを強く要望する。

1 現行の法制度の対象外である水源地、農地、森林を含め、重要施設周辺、離島等の国土保全・安全保障上重要な土地について、外国人等による取得及び利用に対する制限を設けること。

2 外国資本による不動産の大量取得の実態を把握するための登録制度や報告義務を導入すること。

3 GATSやRCEP等の国際協定における例外規定を活用し、我が国の主権・安全保障の確保を優先する方針を明確にすること。

4 地方公共団体と連携し、地方の実情に応じた土地取引の制限措置が可能となる制度の構築を検討すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和7年6月12日

兵庫県議会議長 浜田 知昭

衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
内閣官房長官 林 芳正 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
法務大臣 鈴木 馨祐 様
農林水産大臣 小泉 進次郎 様
国土交通大臣 中野 洋昌 様

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