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中華圏では旧暦のお正月を「春節」として盛大に祝います。旧暦に基づく祝日のため、現在の新暦(太陽暦)のもとでは毎年その日付けが異なり、今年は1月29日でした。中国で春節にあわせて始まる大型連休の期間中、今年は過去最多の約90億人の方が世界各地へ大移動、その中で行先人気NO.1は日本だそうです。
その「春節」の1月29日から5日間、神戸・南京町では、神戸観光の冬の風物詩「南京町春節祭」が開催されました。
1987年に始まり、今年で37回目の開催となります。邪気を払うために、爆竹が鳴り響き、一瞬にして顔の面が変わる中国四川地方の伝統芸能「変臉(へんれん)」や獅子舞の町内練り歩きなどで、南京町広場も商店街もおおいに賑わいました。さらに、京劇の衣装とメイクで街をパレードする中国史人游行も行われました。5日間の来街者は速報値で195,000人と、大変な盛況のうちに終わりました。
と言っても、実は私、春節の前々日にコロナに罹患し、全日とも春節祭への参加が叶いませんでした。関係の皆さまに大変ご迷惑をおかけし申し訳ないという気持ちとともに、変装して中国史人游行のパレードに参加させていただくいう貴重な体験の機会を逃してしまい、何とも口惜しい限りです。また、今年は実行委員会の一員として内側からじっくり「春節祭」を観てみようと思っていただけに本当に残念。来年に雪辱を果たしたいと思います。
開催の舞台となった「南京町」は南京町商店街振興組合が維持管理している商店街です。国内三大中華街のうち、横浜、長崎は「中華街」を名乗っていますが、神戸は2008年に「南京町」という名を商標登録するほど、この名前を大切にされています。地元、特に若手の皆さんが、春節祭等イベントの開催を始めとする街のブランド化に尽力するなど、長年にわたる街づくりの努力を続けてこられたおかげで、いまや「南京町」はその名を不動のものにし、神戸有数の集客地として人気を博しています。
この南京町を含んで、西から元町商店街、トアロード、大丸神戸店、旧居留地一帯は、三宮駅周辺とはまた違った神戸の魅力を放つ地域です。冬の夜の雰囲気も格別で、例えば、夜になると、大丸神戸店の東側の明石町筋では国道2号線までイルミネーションが続きます。
そして今年から、春節祭やルミナリエの開始時期にあわせて三体の巨大なオブジェのランタンが登場したのをご存じでしょうか。「神戸元町 光の幻想譚」と称して、2月の神戸元町に光彩奪目の情景を作り出しています。
まず、元町商店街1番街と南京町の交差点部分に駆邪招福の象徴「獅子舞」がどっしりと鎮座しています。ぱっと見、愛くるしいですが、なんと全長2.75メートル、高さ2.5メートルと巨大です。獅子に頭を噛んでもらうと邪気払いになると言われますが、これだけの巨体だと人の頭を丸吞みにしそうです。
次にご紹介するのは大丸北西(鯉川筋側)「multi-BASE」に美しい勇姿で人々を魅了する「鳳凰」です。ここは、鯉川筋、元町駅南、大丸、元町商店街などの結節点で信号待ちもあるので、とても人目を惹く場所です。そこに全長3.4メートル、高さ4メートルの、復活と吉兆の象徴である鳳凰が金色の光を輝き放っています。
最後にご紹介するのは、大丸西側の南京町長安門前に置かれている「桃の木」です。子孫繁栄や生命力の象徴で、長寿、厄除けを願う方は桃の木へ。長安門のライトと相まってとてもきれいなランタンでした。
会期は2月末までで、デジタルスタンプラリーや期間中の日曜日には獅子舞演舞も開催されています。
大きなイベントが終わった後の、2月の神戸元町。イルミネーションやランタンの放つ輝きを観に来てください。
兵庫県神戸県民センター長
内藤 良介
≪以下に「過去の神戸県民センター長だより」のリンク先を掲載しています。≫
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